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第三章

こ、これは予想外なのです

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あー…これは…。完全に舐めてました。
ママさんネットワークのうわさ回りの早さ舐めてました。

まさか次の日にこうなるとわ…。

「お嬢様!5番テーブルの注文置いておきます!」

「こちらも!4番と3番、あとカウンター席の方の注文です!」

「は、はひー!」

ルイさんとメリーさんがきた次の日のお昼頃。
私のお店はたくさんのママさん方で埋め尽くされていた。みんなしっかりチラシ持ってるし…。
あのチラシは私が昨日、ルイさんとメリーさんに渡したものだ。
よかったら他のママ友さんたちにと…。

あぁ…もうフライパンを振る手が辛いよぉぉぉ!

「ライラ!3番テーブルさんのパンケーキと4番テーブルさんのガトーショコラとケーキできた!」

「はい!」

「リーシャ!5番テーブルさんのドリンクはホット?アイス?」

「アイスココア2つとホットコーヒー1つです」

「アイスココアは冷蔵庫にあるものをもってって!ホットは今すぐ作るから!」

「了解しました!」

もうなにがなんだか…。
朝、お店にきたら大量の列ができててほんとに驚いたし、嬉しかったのは一瞬だった…。
こうなることをすぐに予想していた。行列ができたときの飲食店の忙しさは経験済みだ、学園祭で…。

「はいこれ、ホットコーヒー!」

「持っていきます!」

リーシャとライラは初めてにしてはちゃんと動けているし、頼りになる。ちょっと悔しい。

これいつまで続くんだろう…。

そんなこと一瞬考えたが、すぐに振り払ってまたフライパンにパンケーキの生地を流し込んでいく。


気がつくとお日様が傾いて、窓からオレンジ色の光が入ってくるころ。
やっと最後の組のお客様が帰られた。

「お、お嬢様…大丈夫ですか…?」

私の机に突っ伏している姿を見て、ライラが声をかけた。

「無理…私もう無理…腕上がらない…」

「とりあえずお嬢様、私は残りのお皿を洗いますので、ゆっくりおやすみください」

「ありがと…リーシャ…」

「あ、あのお嬢様?私のできそうなことは…」

「えっと…じゃあレジのお金数えていくら儲かったか計算しといて…」

「はい!了解しました!」

はぁ…もう無理だよぉ…なにか癒しを…。
そう思った時に扉が開いた。

「おねーちゃん!」

「ルリちゃん!」

私は我が弟子の声を聞いてがばっと起き上がって、飛び込んでくるのを受け止めた。

「うぅ…」

ルリちゃんを受け止めた時に右腕がピリっと痛くてつい変な声を…。

「おねーちゃん、どうかした?」

「うぅん、大丈夫だよ。ルリちゃんなにか飲む?」

「うん!」

ふふふ、可愛いなぁ。

私はちょっとふらつきながら厨房でココアを2つ作って、机に戻った。
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