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第二章
ここまで…長かったですねぇ…
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メニューを決めてから数日後。
とうとう明日、私のお店にする予定だった建物の改装が終わるそうだ。
その知らせを聞いて私のテンションは一気に上がっていた。
ここ数日で、私は必要な道具を異能で出し、必要な食材を探し回っていた。
そこで私はちょっとした冒険の後、奇跡的にも小麦の代わりになる食材を発見したのだ。
なんと国外に雑草と同じように扱われていたのだ。もったいない…。王妃様に頼んで安定して供給できるように手配をして貰った。
まぁ、この話はまた今度することにして…。
できたらコーヒー豆とかもほしかったけど…さすがにそこまではなかったようだ。
他にも砂糖とかかたくり粉とかいろいろほしいけど…この世界で小麦粉があるだけマシと言うものだろう。
なんとかしばらくは異能でもたすしかない。
そこで今日は、私の異能について研究することにした。
そのために協力を仰いだのが、エオイス様とクロード様だ。
軍事に関わるルインス家は兵強化のための練習メニューだったり、刻印と異能についての研究を行っているため、どうにか私の異能の限界値を知れないかと協力を頼んでいたのだ。
私はライラ達を連れてエオイス様のお部屋へ。
扉の前に立って、ノックの前に1度深呼吸…。だってエオイス様とクロード様…怖いんだもん!
深く息を吸って、吐いてから私はノックして扉をあけた。
「失礼いたします」
中を見るとなんというか…部屋がとてもエオイス様らしい…。
赤色の絨毯に黒のカーテン。
なんというか…吸血鬼とか出てきそう。
部屋の真ん中に置かれた机に座っていたエオイス様が私が入ってきたのを見て、ティーカップを置いた。
「よくいらっしゃいました。スノウ様。どうぞ、こちらに座ってくださいませ」
「は、はい…」
私はカクカクと緊張しながら机まで歩いていく。
まったくもって深呼吸とは意味がないと思いつつ、エオイス様の向かいに座った。
「今日はリーフェについて知りたいそうですわね」
「はい…」
だめだ…緊張しすぎてエオイス様を見れない。
お願い、止まらなくていいから落ち着いて心臓さん…。
「スノウ様、その前に1度立っていただける?」
「え?あ、はい…」
私は言われた通り立ち上がると、エオイス様がボソッと何かを言った。
「え?なんて…」
ーーーポンっ!
「ひぃ!?」
私がエオイス様に何を言ったのか聞き返そうとした瞬間に真後ろで軽い爆発音が聞こえて、緊張とあいまって私は悲鳴をあげた。
驚いた勢いで私はそのまま前に出てしまい、バランスを崩してエオイス様の所へ倒れこんでしまった。
「あの、えっとすみません!エオイス様すぐに離れ…」
何がなにやらパニックになりながらエオイス様から離れようとした所で、エオイス様にぎゅっと抱き寄せられた。
「ふふふ…すみませんスノウ様。あまりにも緊張されておられたので、ほぐして差し上げようかと思いましたの。でも、せっかく話すのですから、そんなに緊張していてはスノウ様にも私にも不利益になりますわ。だから、私に対してそこまで畏怖しないでくださいませ」
あぁ…最近抱きつかれるのに弱くなったなぁ…。
しみじみそう思いながらエオイス様の胸の中で、私の緊張はだんだん溶けていった。
とうとう明日、私のお店にする予定だった建物の改装が終わるそうだ。
その知らせを聞いて私のテンションは一気に上がっていた。
ここ数日で、私は必要な道具を異能で出し、必要な食材を探し回っていた。
そこで私はちょっとした冒険の後、奇跡的にも小麦の代わりになる食材を発見したのだ。
なんと国外に雑草と同じように扱われていたのだ。もったいない…。王妃様に頼んで安定して供給できるように手配をして貰った。
まぁ、この話はまた今度することにして…。
できたらコーヒー豆とかもほしかったけど…さすがにそこまではなかったようだ。
他にも砂糖とかかたくり粉とかいろいろほしいけど…この世界で小麦粉があるだけマシと言うものだろう。
なんとかしばらくは異能でもたすしかない。
そこで今日は、私の異能について研究することにした。
そのために協力を仰いだのが、エオイス様とクロード様だ。
軍事に関わるルインス家は兵強化のための練習メニューだったり、刻印と異能についての研究を行っているため、どうにか私の異能の限界値を知れないかと協力を頼んでいたのだ。
私はライラ達を連れてエオイス様のお部屋へ。
扉の前に立って、ノックの前に1度深呼吸…。だってエオイス様とクロード様…怖いんだもん!
深く息を吸って、吐いてから私はノックして扉をあけた。
「失礼いたします」
中を見るとなんというか…部屋がとてもエオイス様らしい…。
赤色の絨毯に黒のカーテン。
なんというか…吸血鬼とか出てきそう。
部屋の真ん中に置かれた机に座っていたエオイス様が私が入ってきたのを見て、ティーカップを置いた。
「よくいらっしゃいました。スノウ様。どうぞ、こちらに座ってくださいませ」
「は、はい…」
私はカクカクと緊張しながら机まで歩いていく。
まったくもって深呼吸とは意味がないと思いつつ、エオイス様の向かいに座った。
「今日はリーフェについて知りたいそうですわね」
「はい…」
だめだ…緊張しすぎてエオイス様を見れない。
お願い、止まらなくていいから落ち着いて心臓さん…。
「スノウ様、その前に1度立っていただける?」
「え?あ、はい…」
私は言われた通り立ち上がると、エオイス様がボソッと何かを言った。
「え?なんて…」
ーーーポンっ!
「ひぃ!?」
私がエオイス様に何を言ったのか聞き返そうとした瞬間に真後ろで軽い爆発音が聞こえて、緊張とあいまって私は悲鳴をあげた。
驚いた勢いで私はそのまま前に出てしまい、バランスを崩してエオイス様の所へ倒れこんでしまった。
「あの、えっとすみません!エオイス様すぐに離れ…」
何がなにやらパニックになりながらエオイス様から離れようとした所で、エオイス様にぎゅっと抱き寄せられた。
「ふふふ…すみませんスノウ様。あまりにも緊張されておられたので、ほぐして差し上げようかと思いましたの。でも、せっかく話すのですから、そんなに緊張していてはスノウ様にも私にも不利益になりますわ。だから、私に対してそこまで畏怖しないでくださいませ」
あぁ…最近抱きつかれるのに弱くなったなぁ…。
しみじみそう思いながらエオイス様の胸の中で、私の緊張はだんだん溶けていった。
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