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第二章
ケンセイさんのお手伝いです
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次の日、私が作った和菓子を持ってケンセイさんの道場へ。
ミラさんは残念ながら用事がありこられないそうだ。
「し、失礼しまぁ~す…」
私は恐る恐る扉を開く。
「てぇーい!」
「ひぃ!?」
急に大きな声が聞こえて驚いてしまった。
「お嬢様!?大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫…ちょっと驚いただけ…」
「あぁ、誰かと思えばスノウちゃんか。おや?どうしたんじゃ?尻もちをついて」
ケンセイさんが奥から私のところに近づくと不思議そうに言った。
「い、いえ…急に大きな声が聞こえてびっくりしたので…」
「あぁそうかそうか。それはすまんかった。今は稽古の時間での。まぁ上がりなさい」
私はそのまま先日お邪魔した畳の部屋まで通されて、前と同じようにケンセイさんの前に座った。
「して、できたのかな?」
「はい、一応作ってきました。リーシャ」
「はい、お嬢様」
リーシャが後ろに置いていた和菓子の入った箱を前に出す。
私がそれを受け取って、箱を開けてからケンセイさんに見せた。
「このようなものでどうでしょうか?」
「おぉ…これは美しい…。食べ物とは思えん」
ケンセイさんは私の和菓子に魅入っていた。
ということは、ケンセイさんの昔食べた物はもう少し地味だったかな…。
まぁ、たしかにこんな食文化の世界で食紅を使うとかないよね…。
「一つ食べてみてください。味が違うのなら、作り直します」
「では…いただこう」
ケンセイさんが私の花を模した和菓子を1口食べて、しばらく噛んでいた。
そして、ポロポロと涙をこぼし始めたので、私は驚いてしまった。
「ど、どうしました!?不味かったですか!?」
「いや…昔食べた物とまったく同じ味でのぉ…懐かしくてついな」
「そ、そうですか…」
よかった…不味すぎて涙が出たとかじゃなくて…。
「これを親父にも食べさせてやりたいのぉ…」
「あ、そうでした。実はこのお菓子、あまり日持ちがしないんです…。ここにあるものもぎりぎりです」
「ほう、どの程度ならもつのかね?」
「そうですね…約1日です」
「なんと…そんなに短いのか…それは困った。わしの父は村にいて、馬を全力で走らせても王国から2日はかかる」
それだともたないかも…。
困った…。
あ…それだったら…。
「ケンセイさん、近々村へ帰られますか?」
「それならちょうど明日から出発してしばらく親父の元にいようかと思っておる」
「それでしたら、私も一緒に行きます」
「なんじゃと?」
「私も一緒に行って、作りたてのお菓子を食べてもらいましょう」
「そうしてくれると嬉しいが…スノウちゃんはそれでいいのかね?」
「全然かまいませんよ。私もケンセイさんのお父さんを見送ってあげたいです」
私はニコッと笑ってみせた。
「そうか…ありがとう。では、明日に国門で会おう」
「はい」
私達はそのまま道場を出ていった。
馬車の中でなぜかライラが私に何かを言いたげにこちらを見ている。
「ライラ、何か言いたそうね」
「お嬢様、実は別の目的がありますでしょ?」
ぎくっ…。
「そ、そんなことはないよ?」
「いえ、しばらくお嬢様のお付をしてわかりました。お嬢様はきっと、何か目的がある時しか自分で行動を起こさない方です」
うっ…意外と鋭い発言をこのメイドは!
「そ、それはケンセイさんのお父さんをね…」
「ふぅーん?」
あ、絶対信じてないな…。
でも、ライラの言っていることは正しいかもね。
ケンセイさんのお父さんをおくってあげたいっていうのが一番だけど、この世界において、『お菓子』を作ることのできた人がいた村があるなんて、行かないわけないでしょ!
私はその本心をライラに悟られないように、足速に自分の部屋へ向かった。
ミラさんは残念ながら用事がありこられないそうだ。
「し、失礼しまぁ~す…」
私は恐る恐る扉を開く。
「てぇーい!」
「ひぃ!?」
急に大きな声が聞こえて驚いてしまった。
「お嬢様!?大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫…ちょっと驚いただけ…」
「あぁ、誰かと思えばスノウちゃんか。おや?どうしたんじゃ?尻もちをついて」
ケンセイさんが奥から私のところに近づくと不思議そうに言った。
「い、いえ…急に大きな声が聞こえてびっくりしたので…」
「あぁそうかそうか。それはすまんかった。今は稽古の時間での。まぁ上がりなさい」
私はそのまま先日お邪魔した畳の部屋まで通されて、前と同じようにケンセイさんの前に座った。
「して、できたのかな?」
「はい、一応作ってきました。リーシャ」
「はい、お嬢様」
リーシャが後ろに置いていた和菓子の入った箱を前に出す。
私がそれを受け取って、箱を開けてからケンセイさんに見せた。
「このようなものでどうでしょうか?」
「おぉ…これは美しい…。食べ物とは思えん」
ケンセイさんは私の和菓子に魅入っていた。
ということは、ケンセイさんの昔食べた物はもう少し地味だったかな…。
まぁ、たしかにこんな食文化の世界で食紅を使うとかないよね…。
「一つ食べてみてください。味が違うのなら、作り直します」
「では…いただこう」
ケンセイさんが私の花を模した和菓子を1口食べて、しばらく噛んでいた。
そして、ポロポロと涙をこぼし始めたので、私は驚いてしまった。
「ど、どうしました!?不味かったですか!?」
「いや…昔食べた物とまったく同じ味でのぉ…懐かしくてついな」
「そ、そうですか…」
よかった…不味すぎて涙が出たとかじゃなくて…。
「これを親父にも食べさせてやりたいのぉ…」
「あ、そうでした。実はこのお菓子、あまり日持ちがしないんです…。ここにあるものもぎりぎりです」
「ほう、どの程度ならもつのかね?」
「そうですね…約1日です」
「なんと…そんなに短いのか…それは困った。わしの父は村にいて、馬を全力で走らせても王国から2日はかかる」
それだともたないかも…。
困った…。
あ…それだったら…。
「ケンセイさん、近々村へ帰られますか?」
「それならちょうど明日から出発してしばらく親父の元にいようかと思っておる」
「それでしたら、私も一緒に行きます」
「なんじゃと?」
「私も一緒に行って、作りたてのお菓子を食べてもらいましょう」
「そうしてくれると嬉しいが…スノウちゃんはそれでいいのかね?」
「全然かまいませんよ。私もケンセイさんのお父さんを見送ってあげたいです」
私はニコッと笑ってみせた。
「そうか…ありがとう。では、明日に国門で会おう」
「はい」
私達はそのまま道場を出ていった。
馬車の中でなぜかライラが私に何かを言いたげにこちらを見ている。
「ライラ、何か言いたそうね」
「お嬢様、実は別の目的がありますでしょ?」
ぎくっ…。
「そ、そんなことはないよ?」
「いえ、しばらくお嬢様のお付をしてわかりました。お嬢様はきっと、何か目的がある時しか自分で行動を起こさない方です」
うっ…意外と鋭い発言をこのメイドは!
「そ、それはケンセイさんのお父さんをね…」
「ふぅーん?」
あ、絶対信じてないな…。
でも、ライラの言っていることは正しいかもね。
ケンセイさんのお父さんをおくってあげたいっていうのが一番だけど、この世界において、『お菓子』を作ることのできた人がいた村があるなんて、行かないわけないでしょ!
私はその本心をライラに悟られないように、足速に自分の部屋へ向かった。
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