女子力の高い僕は異世界でお菓子屋さんになりました

初昔 茶ノ介

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第一章

わ、私のために争わないでください!

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王様が事情を話終えると、皆様、なんとも言えない表情をしていた。
ちなみに、コック長は席を外してもらっている。国家機密とかなんとか…。
まさか異世界に来て2日で国家機密の対象になるとは思わなかった。

「白の星の刻印ですか…」

「白の刻印だけでもだいぶ珍しいのに、星となると…」

シンシア様とクラウン様は複雑そうな顔をしていた。

「たしかに、他国からすれば、王族に白の刻印がいても手出しはできなくなりますわね。理には叶っていますわ」

「でもよ、こいつは役を得ることを嫌がってんだろ?料理以外になにかないのか?」

「え…?」

料理以外…料理のほかに私に出来ること…この国の誰にもできないようなこととなると…。
あ、どうしよう。なにもないかも…。

「わ、わかったわかった。わかったからそんな泣きそうな顔すんなよ」

考え込む私を見て、クロード様が困ったように言う。

「でも、スノウ嬢はまだ役を得る年頃ではないのでは?たしかに役を得てもいいほどの実力は持っていると思いますが」

ガルディア様は私を見る。
だが、ここではっきりさせておこう。
私はあなたよりも歳上ですからね!?

「ガルディア、スノウはもう14歳だ」

「「「「え!?」」」」

もういいよ!この感じもういいよ!
わかったよ、もう私は10歳でいいよ!

「あのぉ…一つよろしいですか?」

ノーマ様がのんびりした声で左手を上げる。

「なんだね、ノーマ」

「要は、スノウ様が他国に手が出せないほどの位の貴族に属せばよいということですよね?でしたら、私の養子になりませんか?レインバルト家ではなく、ティナリス家としてです。それならば役を得ずに他国から守れるのではないでしょうか。三位側室とはいえ、王族に最も近い貴族家なのですから」

なるほど。たしかにそれならいいかもしれない。
ノーマ様も私を見てにっこりしている。

「それでしたら、それでも…」

「お待ちくださいませ」

そこでエオイス様が手を上げる。

「それでしたら、私のルインス家でよくってよ。ルインスの家でしたら仮に攻め込まれても無事でしょうし、それにスノウ様の異国の話を聞いてみたいですわ」

エオイス様も私を見て不敵な笑みを浮かべている。
王妃様の話だと、ルインス家は軍事に関わっていて、見張りや護衛がたくさんいるのだとか。
ちなみに、ノーマ様のティナリス家は工芸品などを、シンシア様のサントリク家は教育に関わりがあるのだとか。

「それでしたら、私のところでもいいのよ?スノウの異国の話は私も興味あります」

そこでシンシア様も話に入ってきて、なんだかよくわからなくなってきた。

「それでしたら私だってお話を聞いてみたいです!」

バチバチと火花を散らす側室3人を男性陣は眺めていた。
たしかに私からしても、そんなに必死になるようなことなのだろうかと思ってしまう。

「3人とも落ち着きなさい」

ここで王妃様がことを治めてくれ…。

「スノウを護るのなら絶対私の養子にします」

王妃様まで言い合いに参加しないでくだいよぉ!?

あぁもう…この話、収集がつくのかな…。
私はもうこの話をことの流れに任せることにしました。
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