女子力の高い僕は異世界でお菓子屋さんになりました

初昔 茶ノ介

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第一章

皆様の美味しいの一言がとても嬉しいです

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そろそろ次の料理へ移ろうと思います。
私は次の料理を皆様の前に置いていく。

「カボチャのポタージュです」

「黄色いスープなんて初めて見ましたわ」

第三側室のノーマ様が面白そうに言う。

「ポタージュはスープにすこしとろみがついたもののことを言います。これはカボチャという黄色の野菜を使っているため、黄色になるのです」

「へぇ…そんな野菜も初めて聞きました。では、いただきます」

ノーマ様がスプーンでポタージュをすくって一口食べる。

「こ、こんな甘いスープはじめてです!まろやかでとても美味しいです!」

「たしかに、果物以外でこのような甘い物食べたことがありませんね、母上」

ノーマ様とのガルディア様が1番気に入ってるようだった。
やっぱり1番若いだけあって甘いものが好きなのかな…。

皆様があっという間に完食してくれるのですごく嬉しい。
さて、次にいってみましょうか!

「サーモンのホイル焼きです」

「ホイル?」

ここではじめて第一王子のクラウン様が声を出したので少し安心した。
だって…さっきから第一側室のシンシア様と難しい顔して黙り食べてるんだもん…。美味しくないのかと心配だったし…。

「ホイルとはこの銀色のつつみのことです。この包を破ってみてください。」

「ほぉ…破るのか。面白いね」

クラウン様に続き、他の方々もホイルを破く。

「これは…」

「なんていい匂いかしら。食欲が湧き立たされるようだわ」

シンシア様がそう言って微笑む。
笑う顔がすごく美人さんだ…。側室になるような方だから当たり前だけど。

「このホイルには香りを閉じ込める役割があったんだね」

「はい、クラウン様。その包に入れることで、サーモンやキノコの香りと味を逃がさずに焼くことができます」

「そんなことができるのか…料理の世界は奥が深そうだ。ではいただくよ」

クラウン様が1口食べる。

「美味しい。味付けはただの塩だけじゃないのかな?野菜やキノコと入れるだけでこんなに変わるものかい?」

「それは塩だけではなく、バターと醤油という調味料を使っています。どちらも私の国では一般的に使われている調味料です」

「これで一般的なのですか…スノウ嬢の国は食文化がとても進んでいるのですね」

「そうかもしれませんね」

シンシア様が微笑みながら言うので、私も笑って返す。
とても優しそうな人達だなぁ…と思わせる雰囲気を持っている。

さて、これで全員が私の料理に興味を持ってくれただろう。
あとは肉料理とデザート。
この二つが1番時間かけたんだから、絶対喜んでいただかないと!
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