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第一章

そんなことされたら…私…

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私は今夜に備えて料理の準備を…するのではなく、王妃様に捕まっています。

「はぁ…すべすべもちもちな肌…いい匂いのする髪…抱きやすい大きさ…完璧だわ」

かれこれ王妃様は1時間近く私を抱きながらベッドに座っていた。

「王妃様…そろそろわたs…」

「ママよ?」

くっ…まだ言うか、この王妃様は!

「ま、ママ…そろそろ料理の準備をしたいのですが…」

「んーまだ堅い感じね。もっとこう…遊びにいきたいってわがままを言うような感じに言ってほしいかな?」

どんな要求!?ある意味モンスターペアレントだよ…。

「ママ離してっ!私、今からお料理の勉強するの!」

「はーい、よくできました」

王妃様は満足そうに笑うと手を離して、私はなんとか脱出することができた…精神的ダメージが大きいけど。
私はぷくーと頬を膨らませて王妃様を睨む。
それを見て王妃様はごめんごめんと笑った。

「それで、スノウちゃんはうちのコックに勝算はあるのかしら?」

王妃様が不意に聞いた質問に私は笑って答える。

「はい。でも、王妃様にも協力していただきたいのです」

「マ・マ!」

「ま、ママにも…手伝ってほしいです…」

「うむ!スノウちゃんのためなら、ママ頑張っちゃうよ!何をしたらいい?各王子や側室達に裏金を…」

「絶対ダメです!さらっと何言ってるんですか!」

この王妃様、全然私を信用してないな!?

「えーでも…王様の言う通りうちのコック長は国一よ?本来うちのコック長は世襲制だったのだけど、今のコック長は実力で無理やり前のコック長の座を奪ったのよ」

「へぇ…」

「へぇ…って、随分よゆうなのね!スノウちゃんが私のものになるかどうかの瀬戸際なのに!」

「いや、勝てても王妃様のものにならないですからね!?」

もうこのままじゃ話が進まないから私は本題に入る。
そこで1時間ほど話をして、次は厨房へ。
夕食までは残り4時間。
私はとりあえず下準備をしようと思う。

「よく来たな、お前はあっちだ」

コック長に言われたところはすごく狭かった。ほんとうに…その一言につきる。
現代風に言うなら、一部屋アパートの中の台所…みたいな感じ。

「こんなところで9人分作るんですか?」

「文句があるなら諦めて出ていきな」

くっ…なんて明確な嫌がらせ…こんなことされたら…私…手加減なんてしたくなくなっちゃうよ。

私の中の何かが崩れた音がした。

「創造、小麦粉!創造、フライパン!創造、……」

もうあの頑固コック長にギャフンと言わせないと気が済まない。
やるからには…徹底的にやってやる。

私は必要な物を出し切ると、下準備に取りかかった。
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