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第一章
王妃様、それは嬉しいですが…いいのですか?
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私の刻印がどんなものかわかったところで、二人は対策をあーでもない、こーでもないと議論を交わしている。
しかし、私はと言うと、話が難しすぎて入っていけないので、椅子の上でぼーとしていた。
「やはり、ここは女神様の寵愛を受けていると教会にいるのは…」
「あら、それだと町外れに行くし、なおのこと危険だわ。それに、せっかくの白の刻印を活かさずに放っておくのは国としても不利益だわ」
「しかし…」
「んー…そうだわ!」
急に王妃様が叫ぶので、私はビクッとしてしまう。
「スノウちゃんは今、何歳かしら?」
「えっと…14歳です」
「「え!?」」
「え?」
二人の驚きの声が重なる。
「え、えっと…10歳じゃなくて?」
「14です!」
そういう意味か!?私が小さいから今まで二人共10歳の子供だと思ってたのか!?
「ま、まぁ14でもいいわ。決めた、スノウちゃんは今日から私の娘にする」
「はぁ!?」
突然の王妃様の発言に私は困惑した。
「なるほど…それならば大丈夫かも知れませんね」
私の反応に対して冷静なミラさん。
いや、何が大丈夫なのか全然わからないんだけど。
「つまりね、スノウちゃんを私の養子にするのよ。王族の養子になるの、いくら白の刻印があるからって王族を攫ったりはしないでしょ?」
た、たしかに…。
いくら白の刻印がほしいからって養子とはいえ、王族に手は出せないだろう。
でも…。
「い、いいんですか?そんな簡単に…」
「いいのいいの!どうせ王様以外私に逆らえないわ」
「そ、そうなんですか?」
王妃様の立場…すごすぎない?
「さ、そういうわけだからスノウちゃん、たった今からあなたのママよ?」
そう言って王妃様は両手を広げた。
抱きつけということだろうか。
「王妃様?それは…」
「ママよ?」
私の言葉を遮って訂正させようとする王妃様。こういうところを似たんですね…ミラさんは。
「ママ…」
渋々私がそう言うと、王妃様はぱぁっと表情を明るくして、私に抱きついた。
けっきょく自分で抱きつくのか…。
男子高校生には酷すぎる恥辱だ…。
「スノウ…母上がこれからスノウの母になるのなら、私は姉になるわけだ。だから私のことはお姉ちゃんと…」
「お姉様」
「お姉ちゃんだ」
くっ…この親子は…。
「ミラお姉ちゃん…」
「ふふふ…なんだいスノウ」
満足そうな顔して!プライドはズタズタだよ!
「さて、それじゃあ王様のところに行きましょうか。スノウちゃんを認めさせて上げるわ」
そう言って王妃様は立ち上がり侍女達を呼んだ。
侍女が部屋に入るやいなや、表情が凛々しくなった。
「今から王様の元へ行きます。先に王様がお会いになれるか確認をなさい」
「かしこまりました、王妃様」
侍女が下がると、また私を抱き寄せる。
「はぁ…この抱き心地…癖になりそうよ」
この王妃様は…大丈夫なのだろうか。
スリスリと頬を寄せる王妃様に少しの不安を覚えながら、侍女さんの帰りを待つのだった。
しかし、私はと言うと、話が難しすぎて入っていけないので、椅子の上でぼーとしていた。
「やはり、ここは女神様の寵愛を受けていると教会にいるのは…」
「あら、それだと町外れに行くし、なおのこと危険だわ。それに、せっかくの白の刻印を活かさずに放っておくのは国としても不利益だわ」
「しかし…」
「んー…そうだわ!」
急に王妃様が叫ぶので、私はビクッとしてしまう。
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「えっと…14歳です」
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「え?」
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そういう意味か!?私が小さいから今まで二人共10歳の子供だと思ってたのか!?
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「はぁ!?」
突然の王妃様の発言に私は困惑した。
「なるほど…それならば大丈夫かも知れませんね」
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いや、何が大丈夫なのか全然わからないんだけど。
「つまりね、スノウちゃんを私の養子にするのよ。王族の養子になるの、いくら白の刻印があるからって王族を攫ったりはしないでしょ?」
た、たしかに…。
いくら白の刻印がほしいからって養子とはいえ、王族に手は出せないだろう。
でも…。
「い、いいんですか?そんな簡単に…」
「いいのいいの!どうせ王様以外私に逆らえないわ」
「そ、そうなんですか?」
王妃様の立場…すごすぎない?
「さ、そういうわけだからスノウちゃん、たった今からあなたのママよ?」
そう言って王妃様は両手を広げた。
抱きつけということだろうか。
「王妃様?それは…」
「ママよ?」
私の言葉を遮って訂正させようとする王妃様。こういうところを似たんですね…ミラさんは。
「ママ…」
渋々私がそう言うと、王妃様はぱぁっと表情を明るくして、私に抱きついた。
けっきょく自分で抱きつくのか…。
男子高校生には酷すぎる恥辱だ…。
「スノウ…母上がこれからスノウの母になるのなら、私は姉になるわけだ。だから私のことはお姉ちゃんと…」
「お姉様」
「お姉ちゃんだ」
くっ…この親子は…。
「ミラお姉ちゃん…」
「ふふふ…なんだいスノウ」
満足そうな顔して!プライドはズタズタだよ!
「さて、それじゃあ王様のところに行きましょうか。スノウちゃんを認めさせて上げるわ」
そう言って王妃様は立ち上がり侍女達を呼んだ。
侍女が部屋に入るやいなや、表情が凛々しくなった。
「今から王様の元へ行きます。先に王様がお会いになれるか確認をなさい」
「かしこまりました、王妃様」
侍女が下がると、また私を抱き寄せる。
「はぁ…この抱き心地…癖になりそうよ」
この王妃様は…大丈夫なのだろうか。
スリスリと頬を寄せる王妃様に少しの不安を覚えながら、侍女さんの帰りを待つのだった。
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