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第四章
ウルルの刻印講座2
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「他の国ではどういう刻印があるの?」
「テレーサは十字の刻印で異能の特徴は知らない」
「知らないって…わかるものじゃないの?」
「うーん…テレーサとワホンは秘密主義であまり自国の情報を外に出そうとしないの」
うーん…元の世界でもそういう国があったけど、どこの世界でもあるものなんだなぁ。
「フェリーは羽の形をした刻印で、異能の特徴は『放つ』と『操る』よ」
「『放つ』?」
「そう。フェリーに住む妖精族は炎を打ち出したり、風を操作したりできるの。今のフェリーの王様は風の刻印で嵐さえも起きるとかパパが言ってた気がする」
「えぇ!?嵐って起こすものなの!?」
「私もその話は聞いたことがございます。代々フェリーの王はその色の属性を極めた達人ばかりだとか。現在の王は歴代王の中で風の刻印をもっとも使いこなした王として有名でございます」
うーん…なんか怖そうな人だなぁ…肩書きが肩書きだけに…。
もしかしてウルルのパパっていうのも…。
「大丈夫よスノウ。パパは優しいしもっとも頼りになる男よ」
「え?なんで私、心読まれてるの?」
「そんな不安そうな顔をしてたら誰でもわかるわよ」
ウルルは私に抱きついて胸にすりすりと頭をこすった。
「そんなことよりスノウ、お腹が空いたわ。フレンチトーストがいい」
「フレンチトーストは今はちょっと作れないかな…」
「えぇ!?どうして!?私がんばって説明したのに!」
「いやいやいや、ウルルの貢献度で作れるかが決まるわけじゃないし」
「じゃあ何!?何が足りないの!?」
いや、全力か!?そんなに食べたいか!?
「だってここじゃ火も使えないし…ホットプレートでもあれば別だけど。ん?そういえば…」
私はじっとウルルを見つめた。
ウルルの刻印は電気なのよね…。
「ねぇ、ウルル。ウルルがちょっと協力してくれたら馬車から降りずにフレンチトースト作れるかも…」
「え!?するする!協力する!」
よし…これでうまくいけばお店の器具のレベルが一気に進む!
(…あぁ、お嬢様がまた悪い顔をしてらっしゃる…)
私はライラの複雑そうな顔を横目に内心ガッツポーズをした。
「テレーサは十字の刻印で異能の特徴は知らない」
「知らないって…わかるものじゃないの?」
「うーん…テレーサとワホンは秘密主義であまり自国の情報を外に出そうとしないの」
うーん…元の世界でもそういう国があったけど、どこの世界でもあるものなんだなぁ。
「フェリーは羽の形をした刻印で、異能の特徴は『放つ』と『操る』よ」
「『放つ』?」
「そう。フェリーに住む妖精族は炎を打ち出したり、風を操作したりできるの。今のフェリーの王様は風の刻印で嵐さえも起きるとかパパが言ってた気がする」
「えぇ!?嵐って起こすものなの!?」
「私もその話は聞いたことがございます。代々フェリーの王はその色の属性を極めた達人ばかりだとか。現在の王は歴代王の中で風の刻印をもっとも使いこなした王として有名でございます」
うーん…なんか怖そうな人だなぁ…肩書きが肩書きだけに…。
もしかしてウルルのパパっていうのも…。
「大丈夫よスノウ。パパは優しいしもっとも頼りになる男よ」
「え?なんで私、心読まれてるの?」
「そんな不安そうな顔をしてたら誰でもわかるわよ」
ウルルは私に抱きついて胸にすりすりと頭をこすった。
「そんなことよりスノウ、お腹が空いたわ。フレンチトーストがいい」
「フレンチトーストは今はちょっと作れないかな…」
「えぇ!?どうして!?私がんばって説明したのに!」
「いやいやいや、ウルルの貢献度で作れるかが決まるわけじゃないし」
「じゃあ何!?何が足りないの!?」
いや、全力か!?そんなに食べたいか!?
「だってここじゃ火も使えないし…ホットプレートでもあれば別だけど。ん?そういえば…」
私はじっとウルルを見つめた。
ウルルの刻印は電気なのよね…。
「ねぇ、ウルル。ウルルがちょっと協力してくれたら馬車から降りずにフレンチトースト作れるかも…」
「え!?するする!協力する!」
よし…これでうまくいけばお店の器具のレベルが一気に進む!
(…あぁ、お嬢様がまた悪い顔をしてらっしゃる…)
私はライラの複雑そうな顔を横目に内心ガッツポーズをした。
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