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第四章

出発準備

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「おらぁ!次いくぞぉ!」

「ムリぃぃぃぃぃ!!!」

「ほらほらスノウ様、右から飛んできますよ」

「いやぁぁぁぁぁ!!!」


ビースへの遠征が決まり、出発は馬車などの準備をするのに1週間はかかるということで、私は…叫びながら飛んでくる鉄球を避け続けていた。

「あら、そろそろ時間ですわね。クロード、止めてちょうだい」

「おう」

「無理…もう無理…キッチンに帰りたい…」

やや精神崩壊気味の私をヒョイっとクロード様が持ち上げた。

「おい大丈夫か?」

私はビースの状況を考え、最低限の自己防衛をしなくてはいけないということで、クロード様とエオイス様から軍式の特訓を受けていた。

「それではスノウ様。次は攻撃の特訓ですわよ」

「い、いやぁ!もういいですぅ!」

「ダメですわ。王様とミラルド様から1人でも帰って来られるくらい強くするよう言われていますの」

あの2人ぃぃぃ!!!!
王様とミラさんに若干の恨みを覚えた。

クロード様に短刀の形の木刀を渡されて立たされた。

「では、まずは適当にクロードに襲いかかってみてくださいな」

「え?でもクロード様は素手…」

「お前の攻撃くらいで怪我なんかしねーよ」

むっ…それはそうかもしれないが悔しい。

「や、やぁー!」

私はクロード様に走っていって短刀をブンっと振った。
しかし、クロード様は軽く避けて私の足を軽く小突く。
バランスを崩した前にべしゃっと転んだ。

「スノウ様、短刀は包丁と違って切るための道具ではないんですのよ」

エオイス様が木刀を拾ってクロード様に近づく。

「短刀の基本は突きにありますの。それに短刀はどちらかといえば緊急用、もしくは不意打ち用の武器ということを念頭に置いて最初は普通にゆっくりと近づき、刺す」

うわぁ…エオイス様がふわっと歩きながら、クロード様にものすごいスピードの突きを出している。
ていうか…手が見えないんですけど…。
クロード様もそれを手でうまくいなしてるし…。

「こんな感じですわ」

エオイス様は私に木刀を渡してふふふと笑った。

「お前本当にムラサメのとこの娘に勝ったのか?いまいちピンとこないんだが」

「あ、あれは異能のおかげで…」

「では異能を使ったらいいのではないですの?」

「え?でも…」

「もし異能を使ってクロードに一太刀当てられればこの1週間の訓練はここで終わりにしましょう。のんびりお茶をしてたいですし」

「ほ、ほんとですか!?」

「急にやる気になったな…」

私はポケットからアメを1つ取り出して、食べた。
イメージはアニメのキャラの動き。
小太刀を使った…忍者とかかな…。

「では、クロード様。お覚悟を」

「かかってきな」

「忍法、飛跳神速」

訓練はクロード様になんとか攻撃を当てられて終了となった。
しかし、例によって全身筋肉痛で次の日は動けなかった。
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