40 / 75
ソローキン反乱
ソローキンの最後
しおりを挟む
大陸歴1658年4月8日・帝国公国国境セベルー川付近
ベセルー川の側の対岸に、二千人近い部隊が現れた。
皇帝からの伝令が伝えてきた予想の時刻と、ほぼ同じだ。
先頭に重装騎士団が見える。あれは、間違いなくソローキンの旅団だ。
ペシェハノフは皇帝からの命令で、ソローキンの食料補給依頼を無視していたので、ソローキン達は十分な補給もなく、さらに公国軍に追撃され、満身創痍の状態となっている。その勢力は最初国境を越えた時の十分の一以下となっていた。
川のこちら側にはルツコイ、イェブツシェンコ、スミルノワ、ペシェハノフの旅団と私の遊撃部隊が待ち構えていた。総数は一万七千七百。
ソローキンの旅団の様子をしばらく眺めていると、ルツコイが私の傍まで馬を走らせてきた。
「陛下から命令が来た。聞いてくれ」。
「はい」。
「命令違反をして越境し公国軍と戦闘を始めたソローキンを討つ」。
私はその命令を聞いて驚いた。
「拘束ではなく、『討つ』のですか?」
「そうだ」。
「陛下のご命令だ。従ってほしい」。
「わかりました」。
「そして、もう一つ。いくら陛下の命令で、主流派と反主流派での対立があったと言っても、兵士達は味方同士で討ち合うのは抵抗があるだろう。そこで君の遊撃部隊のみでソローキンの旅団を攻撃しろということだ」。
確かに、遊撃隊の隊員はほとんどが共和国出身で、帝国軍を討つのに抵抗はほとんどないだろう。
しかし、遊撃隊は二百人、ソローキンの旅団の十分の一だ。平地でまともに戦えば勝ち目はない。
私は少し考えた。
ソローキンの旅団は縦に長く進軍してきているようなので、一度には渡河してこない。渡河してきた者だけを狙って順次攻撃すれば、こちらの方が有利に戦いを進めることができるかもしれない。
「わかりました。命令に従います」。
「気をつけてな」。
私とルツコイは敬礼し合い、私は馬を進め遊撃部隊に号令を掛けた。
部隊は川岸まで進む。反対側からはソローキンの旅団が渡河を開始した。
オットーが話しかけてきた。
「ソローキンに降伏勧告をすればどうでしょう?」
「私も本来ならそうしたかったが、ソローキンを討つのが皇帝の命令だ」。
「無用な戦いは避けたいです」。
私は思わず、ふっと笑った。オットーが、普段なら私が言いそうなことと同じことを言ってきたからだ。
「いい提案だと思う。しかし、ソローキンが素直に降伏しれてくれれば良いが、彼は実質的に帝国軍のトップだ。プライドが邪魔して、みすみす降伏するようなことはないかもしれん」。
「そうでしょうか」
「確かにわからない。ソローキンとは話をしてみるが、おそらく戦いになるだろう。そうなる可能性が大だが」。
我々がベセルー川岸にたどり着き、ソローキンの旅団が近づいてくるの待った。
赤いマントが目立つ重装騎士ソローキンが先頭で渡河してきた。
私は馬でソローキンの前に出る。我々は対峙した。上にあげられたバイザーの隙間から見えるソローキンの表情には疲労が隠せないようだった。
私は口を開いた。
「ソローキン旅団長。命令違反で越境し、帝国軍に多大な被害をもたらしたかどで、あなたを拘束します」。
ソローキンは、いきなり味方であるはずの者にそのようなことを言われ少々驚いたようだが、毅然とした口調で答えてきた。
「やってみろ」。
「抵抗しても無駄です。皇帝から、あなたを討つ命令が出ている」。
「討つだと? そう簡単にやられるとでも思っているのか?」
「なるべくなら穏便に済ませたい」。
私は続けた。
「できれは、剣を捨て降伏を」。
「地位を捨て、降伏するぐらいなら、死を選ぶ」。
「私の後には、一万七千の兵がいます。抵抗は無駄です。私は、これ以上の犠牲者を出したくありません」。
「何を言っても無駄だ」。
ソローキンは剣を抜いた。やむを得ない。私も剣を抜いた。それを見た遊撃部隊の全員が剣を抜いた。
ソローキンの旅団は、まだすべてが渡河しきっておらず、まだ数十騎しか岸にいないが、彼らも剣を抜いて、遊撃部隊に対峙した。
ソフィアは念動魔術で上空に舞い上がった。旅団の後方に飛んで行き魔術で稲妻を放ち、渡河中の残りの重装騎士団に攻撃を開始し始めた。遊撃部隊が不利にならないように、続く兵士達を岸に上がって来させないようにしているのだ。
ソフィアを見た歩兵達は対岸で留まったままで、渡河してくる様子がなかった。さらに彼らは遠征の疲れか、抵抗する力はほとんど無く、戦意を喪失しているようだ。
それを見たソフィアは、渡河している重装騎士団を狙うべく遊撃部隊の方へ向かった。
遊撃部隊は渡河してきた重装騎士団に襲い掛かる。
歩兵を除いた重装騎士と騎兵は総数で四~五百と言ったところだが、まだほとんどが渡河中だ。当初の考え通り、渡河した者だけを順次攻撃すれば優勢に戦えるだろう。
私とソローキンは鍔迫り合いを続けている。
私は剣を振り抜くが、剣は鈍い音を立ててソローキンの盾にはじき返された。次は、ソローキンの剣が私に襲い掛かる。私は素早く左手でもう一本の剣を抜きそれで相手の剣を防いだ。
次に素早く右手の剣を突きだした。しかし、鎧を貫通することなく、鈍い音を立ててはじき返した。噂通りの厚い鎧だ。鎧の継ぎ目を狙って攻撃するしかない。
ソローキンは上段から剣を振り下ろした。私は剣を十字にしてそれを防いだ。ソローキンは力を込めて剣で押さえつけて来る。こちらも力を籠め何とか耐えている。
しばらく膠着状態だったが、ソローキンが力を弱めたように見えた。
ソローキンの剣を押し戻すとそのまま、相手の首元を狙い左右の剣で突いた。しかし、首を守っている鎧に当たり弾き返された。
私は、一旦、後ろに下がり距離を保つ。
ソローキンは盾を掲げて、前に突き進んできた。
私は素早く呪文を唱え指先から稲妻を放った。稲妻が命中し盾が弾き飛ばされる。
私は、ソローキンがひるんだのを見逃さなかった。一気にソローキンに駆け寄った。
ソローキンは剣を振り下ろそうとしたが、わずかに私の方が早くソローキンに体当たりした。ソローキンは短く叫び声を上げ、その場に仰向け倒れた。
私は剣を捨て、代わりにナイフを取り出し、鎧頭部のバイザーの目の隙間からナイフを突き刺した。ソローキンはもう一度叫び声を上げた。
ナイフがソローキンの眉間に突き刺さった。致命傷だ。
ソローキンが倒されたのを見て、戦っていた残りの兵士達は抵抗を辞めた。遠征と戦闘で疲労が積み重なっていた兵士達の士気は低かった。
しばらく、兵士達が地面に剣や斧を捨てる音が続いた。
今回の狙いはソローキン一人のみで、一般の兵士達は抵抗さえしなければ、討ち取る必要がない。
私は遊撃部隊の被害状況を確認する。
死亡無し。負傷者が数名居るということだ。負傷者の中にマリア・リヒターがいると聞き負傷者が集められている場所まで向かった。
マリアは横になっている。見ると右腕から大量の出血をしているようだ。
「マリア、大丈夫か?」
私は声を掛けた。
「油断しました。でも大丈夫です」。
どうやら命に別状はないようで、安心した。
他の負傷者も重傷は居ないようだ。ソローキンとの決着が早めについたことが幸いしたようだった。
その後、ルツコイの指揮のもと、ソローキンの旅団の兵士達は、ペシェハノフの旅団に一時的に編入されプリブレジヌイに待機させられた。各旅団も兵士達をまとめ、プリブレジヌイを拠点としているペシェハノフの旅団以外は、一旦首都に戻ることになった。
首都への帰還の途中、私は今回の戦いについて考えていた。
命令違反をしていたとしても、ソローキンを打ち取る必要はあったのか? 本来は味方同士ということもあり無駄な戦いと感じた。もっといい方法がなかったのだろうか。
ベセルー川の側の対岸に、二千人近い部隊が現れた。
皇帝からの伝令が伝えてきた予想の時刻と、ほぼ同じだ。
先頭に重装騎士団が見える。あれは、間違いなくソローキンの旅団だ。
ペシェハノフは皇帝からの命令で、ソローキンの食料補給依頼を無視していたので、ソローキン達は十分な補給もなく、さらに公国軍に追撃され、満身創痍の状態となっている。その勢力は最初国境を越えた時の十分の一以下となっていた。
川のこちら側にはルツコイ、イェブツシェンコ、スミルノワ、ペシェハノフの旅団と私の遊撃部隊が待ち構えていた。総数は一万七千七百。
ソローキンの旅団の様子をしばらく眺めていると、ルツコイが私の傍まで馬を走らせてきた。
「陛下から命令が来た。聞いてくれ」。
「はい」。
「命令違反をして越境し公国軍と戦闘を始めたソローキンを討つ」。
私はその命令を聞いて驚いた。
「拘束ではなく、『討つ』のですか?」
「そうだ」。
「陛下のご命令だ。従ってほしい」。
「わかりました」。
「そして、もう一つ。いくら陛下の命令で、主流派と反主流派での対立があったと言っても、兵士達は味方同士で討ち合うのは抵抗があるだろう。そこで君の遊撃部隊のみでソローキンの旅団を攻撃しろということだ」。
確かに、遊撃隊の隊員はほとんどが共和国出身で、帝国軍を討つのに抵抗はほとんどないだろう。
しかし、遊撃隊は二百人、ソローキンの旅団の十分の一だ。平地でまともに戦えば勝ち目はない。
私は少し考えた。
ソローキンの旅団は縦に長く進軍してきているようなので、一度には渡河してこない。渡河してきた者だけを狙って順次攻撃すれば、こちらの方が有利に戦いを進めることができるかもしれない。
「わかりました。命令に従います」。
「気をつけてな」。
私とルツコイは敬礼し合い、私は馬を進め遊撃部隊に号令を掛けた。
部隊は川岸まで進む。反対側からはソローキンの旅団が渡河を開始した。
オットーが話しかけてきた。
「ソローキンに降伏勧告をすればどうでしょう?」
「私も本来ならそうしたかったが、ソローキンを討つのが皇帝の命令だ」。
「無用な戦いは避けたいです」。
私は思わず、ふっと笑った。オットーが、普段なら私が言いそうなことと同じことを言ってきたからだ。
「いい提案だと思う。しかし、ソローキンが素直に降伏しれてくれれば良いが、彼は実質的に帝国軍のトップだ。プライドが邪魔して、みすみす降伏するようなことはないかもしれん」。
「そうでしょうか」
「確かにわからない。ソローキンとは話をしてみるが、おそらく戦いになるだろう。そうなる可能性が大だが」。
我々がベセルー川岸にたどり着き、ソローキンの旅団が近づいてくるの待った。
赤いマントが目立つ重装騎士ソローキンが先頭で渡河してきた。
私は馬でソローキンの前に出る。我々は対峙した。上にあげられたバイザーの隙間から見えるソローキンの表情には疲労が隠せないようだった。
私は口を開いた。
「ソローキン旅団長。命令違反で越境し、帝国軍に多大な被害をもたらしたかどで、あなたを拘束します」。
ソローキンは、いきなり味方であるはずの者にそのようなことを言われ少々驚いたようだが、毅然とした口調で答えてきた。
「やってみろ」。
「抵抗しても無駄です。皇帝から、あなたを討つ命令が出ている」。
「討つだと? そう簡単にやられるとでも思っているのか?」
「なるべくなら穏便に済ませたい」。
私は続けた。
「できれは、剣を捨て降伏を」。
「地位を捨て、降伏するぐらいなら、死を選ぶ」。
「私の後には、一万七千の兵がいます。抵抗は無駄です。私は、これ以上の犠牲者を出したくありません」。
「何を言っても無駄だ」。
ソローキンは剣を抜いた。やむを得ない。私も剣を抜いた。それを見た遊撃部隊の全員が剣を抜いた。
ソローキンの旅団は、まだすべてが渡河しきっておらず、まだ数十騎しか岸にいないが、彼らも剣を抜いて、遊撃部隊に対峙した。
ソフィアは念動魔術で上空に舞い上がった。旅団の後方に飛んで行き魔術で稲妻を放ち、渡河中の残りの重装騎士団に攻撃を開始し始めた。遊撃部隊が不利にならないように、続く兵士達を岸に上がって来させないようにしているのだ。
ソフィアを見た歩兵達は対岸で留まったままで、渡河してくる様子がなかった。さらに彼らは遠征の疲れか、抵抗する力はほとんど無く、戦意を喪失しているようだ。
それを見たソフィアは、渡河している重装騎士団を狙うべく遊撃部隊の方へ向かった。
遊撃部隊は渡河してきた重装騎士団に襲い掛かる。
歩兵を除いた重装騎士と騎兵は総数で四~五百と言ったところだが、まだほとんどが渡河中だ。当初の考え通り、渡河した者だけを順次攻撃すれば優勢に戦えるだろう。
私とソローキンは鍔迫り合いを続けている。
私は剣を振り抜くが、剣は鈍い音を立ててソローキンの盾にはじき返された。次は、ソローキンの剣が私に襲い掛かる。私は素早く左手でもう一本の剣を抜きそれで相手の剣を防いだ。
次に素早く右手の剣を突きだした。しかし、鎧を貫通することなく、鈍い音を立ててはじき返した。噂通りの厚い鎧だ。鎧の継ぎ目を狙って攻撃するしかない。
ソローキンは上段から剣を振り下ろした。私は剣を十字にしてそれを防いだ。ソローキンは力を込めて剣で押さえつけて来る。こちらも力を籠め何とか耐えている。
しばらく膠着状態だったが、ソローキンが力を弱めたように見えた。
ソローキンの剣を押し戻すとそのまま、相手の首元を狙い左右の剣で突いた。しかし、首を守っている鎧に当たり弾き返された。
私は、一旦、後ろに下がり距離を保つ。
ソローキンは盾を掲げて、前に突き進んできた。
私は素早く呪文を唱え指先から稲妻を放った。稲妻が命中し盾が弾き飛ばされる。
私は、ソローキンがひるんだのを見逃さなかった。一気にソローキンに駆け寄った。
ソローキンは剣を振り下ろそうとしたが、わずかに私の方が早くソローキンに体当たりした。ソローキンは短く叫び声を上げ、その場に仰向け倒れた。
私は剣を捨て、代わりにナイフを取り出し、鎧頭部のバイザーの目の隙間からナイフを突き刺した。ソローキンはもう一度叫び声を上げた。
ナイフがソローキンの眉間に突き刺さった。致命傷だ。
ソローキンが倒されたのを見て、戦っていた残りの兵士達は抵抗を辞めた。遠征と戦闘で疲労が積み重なっていた兵士達の士気は低かった。
しばらく、兵士達が地面に剣や斧を捨てる音が続いた。
今回の狙いはソローキン一人のみで、一般の兵士達は抵抗さえしなければ、討ち取る必要がない。
私は遊撃部隊の被害状況を確認する。
死亡無し。負傷者が数名居るということだ。負傷者の中にマリア・リヒターがいると聞き負傷者が集められている場所まで向かった。
マリアは横になっている。見ると右腕から大量の出血をしているようだ。
「マリア、大丈夫か?」
私は声を掛けた。
「油断しました。でも大丈夫です」。
どうやら命に別状はないようで、安心した。
他の負傷者も重傷は居ないようだ。ソローキンとの決着が早めについたことが幸いしたようだった。
その後、ルツコイの指揮のもと、ソローキンの旅団の兵士達は、ペシェハノフの旅団に一時的に編入されプリブレジヌイに待機させられた。各旅団も兵士達をまとめ、プリブレジヌイを拠点としているペシェハノフの旅団以外は、一旦首都に戻ることになった。
首都への帰還の途中、私は今回の戦いについて考えていた。
命令違反をしていたとしても、ソローキンを打ち取る必要はあったのか? 本来は味方同士ということもあり無駄な戦いと感じた。もっといい方法がなかったのだろうか。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
あなたの花に名前を付けるなら
蜜咲
ファンタジー
魔女は様々な場所で生まれる。草原の真ん中、風がぶつかる谷底、湖の光が反射する森の中……。
魔女であるサラは色とりどりに咲き乱れる花畑の中で生まれた。
サラはあるモノを花に変える魔力が授けられていた。そして彼女は旅をしながら人々と接し変わっていく。
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?

戦いに行ったはずの騎士様は、女騎士を連れて帰ってきました。
新野乃花(大舟)
恋愛
健気にカサルの帰りを待ち続けていた、彼の婚約者のルミア。しかし帰還の日にカサルの隣にいたのは、同じ騎士であるミーナだった。親し気な様子をアピールしてくるミーナに加え、カサルもまた満更でもないような様子を見せ、ついにカサルはルミアに婚約破棄を告げてしまう。これで騎士としての真実の愛を手にすることができたと豪語するカサルであったものの、彼はその後すぐにあるきっかけから今夜破棄を大きく後悔することとなり…。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。

150年後の敵国に転生した大将軍
mio
ファンタジー
「大将軍は150年後の世界に再び生まれる」から少しタイトルを変更しました。
ツーラルク皇国大将軍『ラルヘ』。
彼は隣国アルフェスラン王国との戦いにおいて、その圧倒的な強さで多くの功績を残した。仲間を失い、部下を失い、家族を失っていくなか、それでも彼は主であり親友である皇帝のために戦い続けた。しかし、最後は皇帝の元を去ったのち、自宅にてその命を落とす。
それから約150年後。彼は何者かの意思により『アラミレーテ』として、自分が攻め入った国の辺境伯次男として新たに生まれ変わった。
『アラミレーテ』として生きていくこととなった彼には『ラルヘ』にあった剣の才は皆無だった。しかし、その代わりに与えられていたのはまた別の才能で……。
他サイトでも公開しています。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる