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ソローキン反乱
殿(しんがり)
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大陸歴1658年3月31日・公国首都ソントルヴィレ
殿《しんがり》を務めるキーシンの重装騎士団と騎兵、歩兵は陣地の前に整列している。
公国軍は一万以上の兵力が、残っているだろう。公国軍が出撃してきた際は、ソローキンの旅団を逃がすため、ここで可能な限り足止めをする。
当初、こちらは優勢に戦いを進めていた。それを途中で現れた三人の魔術師だけで形勢が逆転した。あの魔術師だけで数千の兵力の相当する、ということか。あのような魔術師が居たという情報がなかったことが、我々の敗因だ。
命令違反をしてまで越境し、結果的に敗北を喫した司令官であるソローキンとキーシンは、仮に生還しても処罰されるだろう。
ソローキンの旅団が陣地を去ってから一時間程度経っただろうか、首都の城門が開き公国軍の騎兵が出撃してきた。その後ろには歩兵が続く。上空には例の魔術師の三人が近づくのが見えた。
こちらは重装騎士団が約四百、騎兵が約五百、歩兵が約二千。公国軍は見たところ全部で一万は居るだろうか。こちらの三倍以上だ。
ソローキンの旅団を逃がすため、少しでも長く、ここで公国軍を足止めさせないといけない。
キーシンは、剣を抜いて号令を掛けた。
「突撃だ!」
重装騎士団と騎兵は丘を一気に駆け降りた。そして、帝国軍と公国軍が真正面から衝突した。
今日、四度目の戦闘だ。両軍とも兵は疲労の限界にそろそろ達するだろう。
キーシンも疲れを気力で振り払って、剣を振りぬき次々と敵を倒していく。
重装騎士団が公国軍の中央を攻撃し、序盤はわずかに優勢に見えた。しかし、上空からは公国軍の魔術師達の手から稲妻が放たれ、帝国軍を狙い撃ちしていく。
剣技は帝国軍の方が上であるが、三倍の兵力の差と魔術師の攻撃に徐々に帝国軍は押されていく。戦いの終盤は数で勝る公国軍が帝国軍を包囲するような状態となり、一方的な戦いになって来た。
そして、ついに旅団長キーシンも魔術師の放つ稲妻に撃たれ、落馬しその場で気絶した。
キーシンの旅団は良く戦ったが、強力な魔術師の存在と数に勝る公国軍には歯が立たなかった。
一時間ほどで、帝国軍の大多数が討ち取られ壊滅した。キーシンはじめ、生き残りの者は捕虜となり、街の中へと連行された。
殿《しんがり》を務めるキーシンの重装騎士団と騎兵、歩兵は陣地の前に整列している。
公国軍は一万以上の兵力が、残っているだろう。公国軍が出撃してきた際は、ソローキンの旅団を逃がすため、ここで可能な限り足止めをする。
当初、こちらは優勢に戦いを進めていた。それを途中で現れた三人の魔術師だけで形勢が逆転した。あの魔術師だけで数千の兵力の相当する、ということか。あのような魔術師が居たという情報がなかったことが、我々の敗因だ。
命令違反をしてまで越境し、結果的に敗北を喫した司令官であるソローキンとキーシンは、仮に生還しても処罰されるだろう。
ソローキンの旅団が陣地を去ってから一時間程度経っただろうか、首都の城門が開き公国軍の騎兵が出撃してきた。その後ろには歩兵が続く。上空には例の魔術師の三人が近づくのが見えた。
こちらは重装騎士団が約四百、騎兵が約五百、歩兵が約二千。公国軍は見たところ全部で一万は居るだろうか。こちらの三倍以上だ。
ソローキンの旅団を逃がすため、少しでも長く、ここで公国軍を足止めさせないといけない。
キーシンは、剣を抜いて号令を掛けた。
「突撃だ!」
重装騎士団と騎兵は丘を一気に駆け降りた。そして、帝国軍と公国軍が真正面から衝突した。
今日、四度目の戦闘だ。両軍とも兵は疲労の限界にそろそろ達するだろう。
キーシンも疲れを気力で振り払って、剣を振りぬき次々と敵を倒していく。
重装騎士団が公国軍の中央を攻撃し、序盤はわずかに優勢に見えた。しかし、上空からは公国軍の魔術師達の手から稲妻が放たれ、帝国軍を狙い撃ちしていく。
剣技は帝国軍の方が上であるが、三倍の兵力の差と魔術師の攻撃に徐々に帝国軍は押されていく。戦いの終盤は数で勝る公国軍が帝国軍を包囲するような状態となり、一方的な戦いになって来た。
そして、ついに旅団長キーシンも魔術師の放つ稲妻に撃たれ、落馬しその場で気絶した。
キーシンの旅団は良く戦ったが、強力な魔術師の存在と数に勝る公国軍には歯が立たなかった。
一時間ほどで、帝国軍の大多数が討ち取られ壊滅した。キーシンはじめ、生き残りの者は捕虜となり、街の中へと連行された。
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