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ソローキン反乱
ソントルヴィレの戦い1
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大陸歴1658年3月31日・公国首都ソントルヴィレ
早朝、公国の空気は北方にあるため、帝国のそれよりも冷たい。吐く息が白くなるほどの冷たさだった。
帝国軍全軍は整列し、攻撃の準備が整っていた。
今日は全面的な戦闘になる。このような本格的な戦闘は“イグナユグ戦争”以来、三年ぶりだ。ソローキンは、久しぶりの戦いに血が騒いでいた。ほかの士官、兵士達もおそらくそうだろう。
ソローキンは、馬上から全軍を見渡した。重装騎士団、騎兵団、歩兵すべてが整然と並んでいる。士気は決して低くない。さらに、我々は猛勇でその名をとどろかせている帝国軍だ、公国軍など取るに足らない。“イグナユグ戦争”でのモルデン攻城戦や、グロースアーテッヒ川の戦いなど、大きな戦闘でも勝利を獲得した。ソローキンが総司令官に就いてからは、これまで無敗だ。
しかし、食料不足に陥っている帝国軍にとって、公国軍を攻めるために残された時間は実質的に今日一日。一気に勝負を決める。
ソローキンは、もう一度そう自分に言い聞かせた。
ソローキンは剣を抜いて、叫んだ。
「全軍、突撃!」
上級士官によって号令が復唱されると、兵士達は鬨の声を上げて、前進を始めた。
重装騎士団と騎兵団が先頭を切って突き進む。
ソローキンの旅団は目標は敵の陣の西側の端、キーシンの旅団の目標は東側の端を目指して進撃する。その後、両旅団は中央に移動しながら攻撃を続ける作戦だ。
今のところ、公国軍に動きはない。
馬の蹄鉄の音があたりに響き渡る。湿った土を巻き上げながら重装騎士団は前進を続ける。
街壁の向こう側から巨大な岩が放たれるのが見えた。街壁の中にカタパルトが配置されているようだ。
次々と岩が落下し、大きな音と振動が伝わってくる。その都度、数騎が下敷きとなっていく。しかし、構わず帝国軍は進軍を続ける。
ソローキンは、敵の陣地の柵までもう少しと言うところで、突然、馬が倒れ、地面に体を叩き付けられた。ほかの重装騎士団の馬も前のめりに倒れ、体が放り投げられる。
ソローキンは、痛みをこらえて地面を振り返って見ると、そこに落とし穴が仕掛けられていた。穴に木の枝を支えに草や土が掛けられ、遠目にはそこが落とし穴だとは気が付かない。
穴は、さほど深くはないが、馬の脚を止めるのには十分だ。後に続く部隊もしばらくの間、落とし穴に躓き、どんどん騎兵が倒れていく。
さらに後ろの騎兵は、その場に停止した。それに続いて歩兵も後方に待機している。帝国全軍が停止した。
ソローキンは自分の体を確認した。痛みはあったが、大したけがをしていないようだ。立ち上がり、公国の陣を見た、その瞬間、陣地から大量の矢が放たれた。
帝国軍の兵士達は盾を構え矢を遮る。
幸い、カタパルトの攻撃はこの場所では近すぎて攻撃できないようだ。
しかし、このままでは、矢による被害が拡大してく。ソローキンは一旦撤退の命令を出した。
陣地の反対側で攻撃を仕掛けようとしていたキーシンの旅団も、落とし穴の罠にかかり同様に撤退を開始していた。
ソローキンは何とか馬にまたがり、元居た丘の方へ撤退を始めた。
それを見た公国軍は、陣の柵の門を開き、追撃を開始した。
陣の中央部、門の前に落とし穴が設置されていないところがあるらしい。そこを通過して公国軍は帝国軍を追う。
相撃ちを防ぐため公国軍の矢の攻撃が止んだ。
撤退するソローキンの背後から公国軍の騎兵部隊が襲い掛かる。ソローキンの部隊の兵士次々と討ち取っていく。追撃される帝国軍は、一方的に不利だ。
一方、キーシンの旅団も公国軍に追われていた。重装騎士団が落とし穴に落ち、矢とカタパルトの攻撃が始まった時、素早く撤退を命じたため、ソローキンの部隊よりは早く移動を開始していた。
キーシンは、後ろを振り返った。斜め後方から公国軍の騎兵団が突進してくるのが見えた。このままでは公国軍の餌食になってしまうだろう。少しでも抵抗しようとしてキーシンは公国軍の前に立ちはだかろうとした。後退する自らの重装騎士団に号令を掛け、反転させた。
突撃してくる公国軍の騎兵団とキーシンの重装騎士団が衝突した。
キーシンは何度も敵の剣を盾で躱し、剣を振り、敵を倒していく。
重装騎士団は八百、敵の騎兵は三千も居るだろうか。重装騎士団は善戦していたが、少しずつ押されていた。
キーシンの旅団の騎兵と歩兵も体勢を立て直し反転して、重装騎士団に加勢を始めた。そうなると、形勢は逆転となり、公国軍が押され始めてきた。
公国軍はその形勢を見ると、無理をせず撤退に転じた。
今度は帝国軍が、公国軍を追う。
公国軍が柵の内側に入り、帝国軍が陣の近くまで来ると、再び矢とカタパルトの攻撃が開始された。
キーシンは、盾を上にかざした。そして、全軍に急いで矢とカタパルトの攻撃が届かない距離に下がるように指示した。
キーシンはソローキンの旅団の方を見た。公国軍の別の部隊がソローキンの旅団を攻撃している。
キーシンは援護に入るため全軍に号令を掛け、ソローキンの旅団の方向に向かうように指示した。キーシンの旅団が突撃を開始した。
キーシンの重装騎士団と騎兵が公国軍と衝突した。重装騎士団が次々と公国軍を討ち取っていく。
それを見たソローキンの旅団は反転し、体勢を整えた後、反撃を開始した。
今度は公国軍が挟み撃ちとなり、こちらでも形勢は逆転した。
公国軍が劣勢になってしばらくすると、突然あたりを霧が覆ってきた。
辺りが白くなり視界が遮られる。
ソローキンとキーシンは狼狽した。この時間に霧が発生するような気象条件なのか。
敵味方がほとんど分からなくなり、戦闘が小康状態になった。
しばらくすると霧は晴れた。辺りに公国軍の姿が見えなくなっていた。この霧に紛れて公国軍は撤退したようだ。
ソローキンは馬を進め、キーシンの姿を探した。
旅団の先頭にいるキーシンを見つけた。
「キーシン、良く敵を足止めした。しかし、今の霧は一体何だ」。
ソローキンはそういうと馬をキーシンの隣に着けた。
「わかりません。あのような広範囲の霧は、水操魔術ではなく、ひょっとしたら、大気魔術かもしれません」。
「敵には、大気魔術を使える者がいるのか?」
「そうかもしれません。気を付けてかからないと」。
「なるほど、わかった」。
キーシンは公国軍の中央部にある門の方を指で差して言った。
「敵陣の前に落とし穴がないところがあります。敵兵が出撃してきた門の付近、陣の中央の近くです。そこを攻撃するのがよいでしょう」。
「よし、攻撃を再開しよう」。
そういうと、旅団を整列させた。食料が乏しい我々には、時間がない。間髪を入れずに攻撃を再開する必要がある。
しばらくして、ソローキンは整列した部隊に再び号令を掛けた。
「突撃!」
上級士官が号令を復唱して、全軍が動き出す。
ソローキンが先頭を切って敵陣に向かう。
先ほど敵が出撃してきた、落とし穴のない部分は、狭いわずかな部分だ。一度に攻撃するのは難しい。
陣地からは再び矢による攻撃が開始された。
そして、街壁の内側からは、カタパルトによる岩の攻撃も始まった。
帝国軍の兵が次々に撃たれていく。
ソローキンの馬が矢に当たり倒れ込んだ。ソローキンは地面に倒れ込んだ。
それに気付いた周りの兵が、盾を構えソローキンを囲み護衛する。
「このまま柵に進んで、縄を掛ける!」
ソローキンは大声で、命令を出す。ソローキンの周りに二十名が盾を隙間なく合わせ、少しずつ前進する。盾が矢を弾く金属音が響く。
柵のすぐ近くまで到達した、何人かの兵が鈎付きの縄を取り出した。これらを投げつけるために盾から頭を出した瞬間、矢で射抜かれたものが数名倒れた。残りの数名の縄が柵に掛かった。これを一気に引き、柵を倒した。
ソローキン達、先頭にいた重装兵が十名ほどが盾を構えたまま、柵の中に突入した。公国軍の兵士達も剣を抜き応戦を始めた。
剣と剣、剣と盾、剣と鎧のぶつかり合う音が、あちこちで響き渡る。
ソローキンは敵の兵士を次々に倒していく。重装騎士団は帝国の精鋭だ、鎧が厚いだけではない、剣や斧の腕は確かだ。
ソローキン達に続いて、他の重装騎士団が突入してきた。一気に公国軍の兵士を蹴散らし始めた。
このままいけば、公国軍をせん滅することができるだろう。と、ソローキンが思った瞬間だった。空から何筋のも稲妻が帝国軍に降りかかった。
腹に響くような大きな音が上空からする。そして、周りではバチバチと何かが弾ける音。
辺りにいた帝国軍兵士が稲妻に弾き飛ばされ、次々と倒れていく。
この稲妻は自然の物ではない。一体どうしたことだと、ソローキンは上空を見上げた。
早朝、公国の空気は北方にあるため、帝国のそれよりも冷たい。吐く息が白くなるほどの冷たさだった。
帝国軍全軍は整列し、攻撃の準備が整っていた。
今日は全面的な戦闘になる。このような本格的な戦闘は“イグナユグ戦争”以来、三年ぶりだ。ソローキンは、久しぶりの戦いに血が騒いでいた。ほかの士官、兵士達もおそらくそうだろう。
ソローキンは、馬上から全軍を見渡した。重装騎士団、騎兵団、歩兵すべてが整然と並んでいる。士気は決して低くない。さらに、我々は猛勇でその名をとどろかせている帝国軍だ、公国軍など取るに足らない。“イグナユグ戦争”でのモルデン攻城戦や、グロースアーテッヒ川の戦いなど、大きな戦闘でも勝利を獲得した。ソローキンが総司令官に就いてからは、これまで無敗だ。
しかし、食料不足に陥っている帝国軍にとって、公国軍を攻めるために残された時間は実質的に今日一日。一気に勝負を決める。
ソローキンは、もう一度そう自分に言い聞かせた。
ソローキンは剣を抜いて、叫んだ。
「全軍、突撃!」
上級士官によって号令が復唱されると、兵士達は鬨の声を上げて、前進を始めた。
重装騎士団と騎兵団が先頭を切って突き進む。
ソローキンの旅団は目標は敵の陣の西側の端、キーシンの旅団の目標は東側の端を目指して進撃する。その後、両旅団は中央に移動しながら攻撃を続ける作戦だ。
今のところ、公国軍に動きはない。
馬の蹄鉄の音があたりに響き渡る。湿った土を巻き上げながら重装騎士団は前進を続ける。
街壁の向こう側から巨大な岩が放たれるのが見えた。街壁の中にカタパルトが配置されているようだ。
次々と岩が落下し、大きな音と振動が伝わってくる。その都度、数騎が下敷きとなっていく。しかし、構わず帝国軍は進軍を続ける。
ソローキンは、敵の陣地の柵までもう少しと言うところで、突然、馬が倒れ、地面に体を叩き付けられた。ほかの重装騎士団の馬も前のめりに倒れ、体が放り投げられる。
ソローキンは、痛みをこらえて地面を振り返って見ると、そこに落とし穴が仕掛けられていた。穴に木の枝を支えに草や土が掛けられ、遠目にはそこが落とし穴だとは気が付かない。
穴は、さほど深くはないが、馬の脚を止めるのには十分だ。後に続く部隊もしばらくの間、落とし穴に躓き、どんどん騎兵が倒れていく。
さらに後ろの騎兵は、その場に停止した。それに続いて歩兵も後方に待機している。帝国全軍が停止した。
ソローキンは自分の体を確認した。痛みはあったが、大したけがをしていないようだ。立ち上がり、公国の陣を見た、その瞬間、陣地から大量の矢が放たれた。
帝国軍の兵士達は盾を構え矢を遮る。
幸い、カタパルトの攻撃はこの場所では近すぎて攻撃できないようだ。
しかし、このままでは、矢による被害が拡大してく。ソローキンは一旦撤退の命令を出した。
陣地の反対側で攻撃を仕掛けようとしていたキーシンの旅団も、落とし穴の罠にかかり同様に撤退を開始していた。
ソローキンは何とか馬にまたがり、元居た丘の方へ撤退を始めた。
それを見た公国軍は、陣の柵の門を開き、追撃を開始した。
陣の中央部、門の前に落とし穴が設置されていないところがあるらしい。そこを通過して公国軍は帝国軍を追う。
相撃ちを防ぐため公国軍の矢の攻撃が止んだ。
撤退するソローキンの背後から公国軍の騎兵部隊が襲い掛かる。ソローキンの部隊の兵士次々と討ち取っていく。追撃される帝国軍は、一方的に不利だ。
一方、キーシンの旅団も公国軍に追われていた。重装騎士団が落とし穴に落ち、矢とカタパルトの攻撃が始まった時、素早く撤退を命じたため、ソローキンの部隊よりは早く移動を開始していた。
キーシンは、後ろを振り返った。斜め後方から公国軍の騎兵団が突進してくるのが見えた。このままでは公国軍の餌食になってしまうだろう。少しでも抵抗しようとしてキーシンは公国軍の前に立ちはだかろうとした。後退する自らの重装騎士団に号令を掛け、反転させた。
突撃してくる公国軍の騎兵団とキーシンの重装騎士団が衝突した。
キーシンは何度も敵の剣を盾で躱し、剣を振り、敵を倒していく。
重装騎士団は八百、敵の騎兵は三千も居るだろうか。重装騎士団は善戦していたが、少しずつ押されていた。
キーシンの旅団の騎兵と歩兵も体勢を立て直し反転して、重装騎士団に加勢を始めた。そうなると、形勢は逆転となり、公国軍が押され始めてきた。
公国軍はその形勢を見ると、無理をせず撤退に転じた。
今度は帝国軍が、公国軍を追う。
公国軍が柵の内側に入り、帝国軍が陣の近くまで来ると、再び矢とカタパルトの攻撃が開始された。
キーシンは、盾を上にかざした。そして、全軍に急いで矢とカタパルトの攻撃が届かない距離に下がるように指示した。
キーシンはソローキンの旅団の方を見た。公国軍の別の部隊がソローキンの旅団を攻撃している。
キーシンは援護に入るため全軍に号令を掛け、ソローキンの旅団の方向に向かうように指示した。キーシンの旅団が突撃を開始した。
キーシンの重装騎士団と騎兵が公国軍と衝突した。重装騎士団が次々と公国軍を討ち取っていく。
それを見たソローキンの旅団は反転し、体勢を整えた後、反撃を開始した。
今度は公国軍が挟み撃ちとなり、こちらでも形勢は逆転した。
公国軍が劣勢になってしばらくすると、突然あたりを霧が覆ってきた。
辺りが白くなり視界が遮られる。
ソローキンとキーシンは狼狽した。この時間に霧が発生するような気象条件なのか。
敵味方がほとんど分からなくなり、戦闘が小康状態になった。
しばらくすると霧は晴れた。辺りに公国軍の姿が見えなくなっていた。この霧に紛れて公国軍は撤退したようだ。
ソローキンは馬を進め、キーシンの姿を探した。
旅団の先頭にいるキーシンを見つけた。
「キーシン、良く敵を足止めした。しかし、今の霧は一体何だ」。
ソローキンはそういうと馬をキーシンの隣に着けた。
「わかりません。あのような広範囲の霧は、水操魔術ではなく、ひょっとしたら、大気魔術かもしれません」。
「敵には、大気魔術を使える者がいるのか?」
「そうかもしれません。気を付けてかからないと」。
「なるほど、わかった」。
キーシンは公国軍の中央部にある門の方を指で差して言った。
「敵陣の前に落とし穴がないところがあります。敵兵が出撃してきた門の付近、陣の中央の近くです。そこを攻撃するのがよいでしょう」。
「よし、攻撃を再開しよう」。
そういうと、旅団を整列させた。食料が乏しい我々には、時間がない。間髪を入れずに攻撃を再開する必要がある。
しばらくして、ソローキンは整列した部隊に再び号令を掛けた。
「突撃!」
上級士官が号令を復唱して、全軍が動き出す。
ソローキンが先頭を切って敵陣に向かう。
先ほど敵が出撃してきた、落とし穴のない部分は、狭いわずかな部分だ。一度に攻撃するのは難しい。
陣地からは再び矢による攻撃が開始された。
そして、街壁の内側からは、カタパルトによる岩の攻撃も始まった。
帝国軍の兵が次々に撃たれていく。
ソローキンの馬が矢に当たり倒れ込んだ。ソローキンは地面に倒れ込んだ。
それに気付いた周りの兵が、盾を構えソローキンを囲み護衛する。
「このまま柵に進んで、縄を掛ける!」
ソローキンは大声で、命令を出す。ソローキンの周りに二十名が盾を隙間なく合わせ、少しずつ前進する。盾が矢を弾く金属音が響く。
柵のすぐ近くまで到達した、何人かの兵が鈎付きの縄を取り出した。これらを投げつけるために盾から頭を出した瞬間、矢で射抜かれたものが数名倒れた。残りの数名の縄が柵に掛かった。これを一気に引き、柵を倒した。
ソローキン達、先頭にいた重装兵が十名ほどが盾を構えたまま、柵の中に突入した。公国軍の兵士達も剣を抜き応戦を始めた。
剣と剣、剣と盾、剣と鎧のぶつかり合う音が、あちこちで響き渡る。
ソローキンは敵の兵士を次々に倒していく。重装騎士団は帝国の精鋭だ、鎧が厚いだけではない、剣や斧の腕は確かだ。
ソローキン達に続いて、他の重装騎士団が突入してきた。一気に公国軍の兵士を蹴散らし始めた。
このままいけば、公国軍をせん滅することができるだろう。と、ソローキンが思った瞬間だった。空から何筋のも稲妻が帝国軍に降りかかった。
腹に響くような大きな音が上空からする。そして、周りではバチバチと何かが弾ける音。
辺りにいた帝国軍兵士が稲妻に弾き飛ばされ、次々と倒れていく。
この稲妻は自然の物ではない。一体どうしたことだと、ソローキンは上空を見上げた。
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