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暁を覚えない春眠編
めんま1/2
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4度寝から目が覚める。
隣ではまだ、上杉先輩はエロマンガを熟読していた。
妹もさっき見た通り、床に座ってマンガを読んでいる。
時計を見ると、もう12時だ。
お腹が空いてきたので、昼ご飯を食べようと起き上がった。
「どこ行くの?」
起き上がった僕を見て、上杉先輩は訪ねた。
「お昼ご飯でも食べようかと」
「お母さんたちは出かけたから、自分で作らないとダメだよ」
妹が言う。
「そうなのか…」
そうなると、お昼ご飯は、インスタント麺かな。
僕は部屋を出ようとする。
「紗夜さん、私たちもお昼食べませんか?」
妹が、上杉先輩に提案する。
「そうだね。キミ、なんか作ってよ」
上杉先輩は、また僕に無茶ぶりをしてきた。
「今日は、もうインスタント麺にしようと思ったんですけど…」
「それでも良いけど、インスタントだけじゃあ栄養が足りないから、簡単なものでいいから何か追加で作ってよ」
上杉先輩はエロマンガを置いて起き上がり、ベッドに座った。
「わかりました…。冷蔵庫の中を確認して、それで何かできるか考えます」
僕ら3人はぞろぞろと1階に移動する。
僕はダイニングへ、上杉先輩と妹はリビングのソファに座る。
「じゃあ、よろしくねー」
上杉先輩はそういうと、TVの電源を入れて、妹と一緒にバラエティー番組を鑑賞し始めた。
もう、上杉先輩の家みたいだな。
僕は冷蔵庫を開ける。
中身は余りないが、キャベツ1/4と玉ねぎ1個と豚肉を発見した。
そして、メンマの入った瓶を見つけた。中を確認すると少しだけ残っている。
ラーメンにちょうどいいだろう。
念のため上杉先輩にお伺いを立てる。
「野菜炒めでいいですか?」
「いいよー」
上杉先輩はTVから目を外すことなく答えた。
というわけで、キャベツ、玉ねぎ、豚肉で簡単に豚野菜炒めを作る。
キャベツ、玉ねぎ、豚肉を包丁で切って細かくする。
フライパンに油をひいて、それらを炒める。醤油で味付け。
と、同時に大きな鍋にインスタント麺用にお湯を沸かす。
面倒なので、袋からインスタント麺を取り出して、3人分の麺を同時に放り込んだ。
ダイニングテーブルの上に、どんぶりと皿を3つ用意。
手際よく、豚野菜炒めをフライパンから皿に盛る。
どんぶりにスープの素の粉を入れて、お湯を注ぎ、麺を大鍋から菜箸で適当に分ける。
最後に、めんまを瓶から小皿に移して、完了。
かなり適当だが、こんなもんで勘弁してもらおう。
僕は上杉先輩と妹に声をかける。
「出来ました」
「おおっ! ご苦労」
上杉先輩はソファからダイニングに来て椅子に座った。
そして、豚野菜炒めを見る。
「美味しそうだね」
「あとは、味だね」
妹が一言言う。
「まあ…、食べてみ」
「「いただきまーす」」
上杉先輩と妹は豚野菜炒めを食べる。
「美味しいよ」
上杉先輩は褒めてくれた。
「お兄ちゃんのくせにやるじゃん」
妹が言う。
“お兄ちゃんのくせに”は余計だけどな。
「まあな」
僕は答えた。
キャベツ、玉ねぎ、豚肉を炒めただけだ。
これを、不味く作る方が特殊な才能がいるのでは?
僕も席に座り、豚野菜炒めとラーメンを食べ始める。
食べている途中、
「キミ、やっぱり料理人とか、やったらいいんじゃない?」
上杉先輩が適当なことを言い出した。
「いや、それは検討していませんね」
「でも、才能ありそうじゃん?」
「うーん…」
まあ、将来、何かやりたいことがあるわけでないのだが、料理人の世界って厳しそうだしな。
怠惰な僕には合わないような気がする。
「紗夜さんの奴隷になって、一生、料理作ってあげなよ」
今度は、妹が妙なことを言い出した。
「なんで奴隷なんだよ」
「アタシがさあ、将来、金持ちイケメンと結婚したら、料理人として屋敷で
雇ってあげるよ」
上杉先輩も妹に合わせて、変なことを言う。
でも、奴隷から料理人に格上げされたな。
「何もしなかったら、お兄ちゃんの将来は引きニートなんだから、紗夜さんに雇ってもらいな」
将来、引きニートにならない自信はないのだが、上杉先輩に雇われるのは嫌だな。
などと考えていると、上杉先輩は小皿のメンマを箸でつまんだ。
「半分、ちょうだいよ」
それを見て、妹もメンマを残り半分を箸でつまんだ。
「私も、もらうー」
2人で1/2ずつ食べたら、僕の分、ないじゃないか…。
2人へのツッコミが面倒なので、心の中で呟くだけで、残りのラーメンをすする。
食事が終わって、3人でまどろんでいると、上杉先輩が思い出したように言う。
「そうそう、明日、恵梨香が部室に来てって言ってたよ」
「え? なんの用でしょう?」
「さあ。明日、わかるからいいじゃん」
「はあ…」
呼び出しを無視すると後々面倒だし、気は進まないが明日は部室に行くことにする。
隣ではまだ、上杉先輩はエロマンガを熟読していた。
妹もさっき見た通り、床に座ってマンガを読んでいる。
時計を見ると、もう12時だ。
お腹が空いてきたので、昼ご飯を食べようと起き上がった。
「どこ行くの?」
起き上がった僕を見て、上杉先輩は訪ねた。
「お昼ご飯でも食べようかと」
「お母さんたちは出かけたから、自分で作らないとダメだよ」
妹が言う。
「そうなのか…」
そうなると、お昼ご飯は、インスタント麺かな。
僕は部屋を出ようとする。
「紗夜さん、私たちもお昼食べませんか?」
妹が、上杉先輩に提案する。
「そうだね。キミ、なんか作ってよ」
上杉先輩は、また僕に無茶ぶりをしてきた。
「今日は、もうインスタント麺にしようと思ったんですけど…」
「それでも良いけど、インスタントだけじゃあ栄養が足りないから、簡単なものでいいから何か追加で作ってよ」
上杉先輩はエロマンガを置いて起き上がり、ベッドに座った。
「わかりました…。冷蔵庫の中を確認して、それで何かできるか考えます」
僕ら3人はぞろぞろと1階に移動する。
僕はダイニングへ、上杉先輩と妹はリビングのソファに座る。
「じゃあ、よろしくねー」
上杉先輩はそういうと、TVの電源を入れて、妹と一緒にバラエティー番組を鑑賞し始めた。
もう、上杉先輩の家みたいだな。
僕は冷蔵庫を開ける。
中身は余りないが、キャベツ1/4と玉ねぎ1個と豚肉を発見した。
そして、メンマの入った瓶を見つけた。中を確認すると少しだけ残っている。
ラーメンにちょうどいいだろう。
念のため上杉先輩にお伺いを立てる。
「野菜炒めでいいですか?」
「いいよー」
上杉先輩はTVから目を外すことなく答えた。
というわけで、キャベツ、玉ねぎ、豚肉で簡単に豚野菜炒めを作る。
キャベツ、玉ねぎ、豚肉を包丁で切って細かくする。
フライパンに油をひいて、それらを炒める。醤油で味付け。
と、同時に大きな鍋にインスタント麺用にお湯を沸かす。
面倒なので、袋からインスタント麺を取り出して、3人分の麺を同時に放り込んだ。
ダイニングテーブルの上に、どんぶりと皿を3つ用意。
手際よく、豚野菜炒めをフライパンから皿に盛る。
どんぶりにスープの素の粉を入れて、お湯を注ぎ、麺を大鍋から菜箸で適当に分ける。
最後に、めんまを瓶から小皿に移して、完了。
かなり適当だが、こんなもんで勘弁してもらおう。
僕は上杉先輩と妹に声をかける。
「出来ました」
「おおっ! ご苦労」
上杉先輩はソファからダイニングに来て椅子に座った。
そして、豚野菜炒めを見る。
「美味しそうだね」
「あとは、味だね」
妹が一言言う。
「まあ…、食べてみ」
「「いただきまーす」」
上杉先輩と妹は豚野菜炒めを食べる。
「美味しいよ」
上杉先輩は褒めてくれた。
「お兄ちゃんのくせにやるじゃん」
妹が言う。
“お兄ちゃんのくせに”は余計だけどな。
「まあな」
僕は答えた。
キャベツ、玉ねぎ、豚肉を炒めただけだ。
これを、不味く作る方が特殊な才能がいるのでは?
僕も席に座り、豚野菜炒めとラーメンを食べ始める。
食べている途中、
「キミ、やっぱり料理人とか、やったらいいんじゃない?」
上杉先輩が適当なことを言い出した。
「いや、それは検討していませんね」
「でも、才能ありそうじゃん?」
「うーん…」
まあ、将来、何かやりたいことがあるわけでないのだが、料理人の世界って厳しそうだしな。
怠惰な僕には合わないような気がする。
「紗夜さんの奴隷になって、一生、料理作ってあげなよ」
今度は、妹が妙なことを言い出した。
「なんで奴隷なんだよ」
「アタシがさあ、将来、金持ちイケメンと結婚したら、料理人として屋敷で
雇ってあげるよ」
上杉先輩も妹に合わせて、変なことを言う。
でも、奴隷から料理人に格上げされたな。
「何もしなかったら、お兄ちゃんの将来は引きニートなんだから、紗夜さんに雇ってもらいな」
将来、引きニートにならない自信はないのだが、上杉先輩に雇われるのは嫌だな。
などと考えていると、上杉先輩は小皿のメンマを箸でつまんだ。
「半分、ちょうだいよ」
それを見て、妹もメンマを残り半分を箸でつまんだ。
「私も、もらうー」
2人で1/2ずつ食べたら、僕の分、ないじゃないか…。
2人へのツッコミが面倒なので、心の中で呟くだけで、残りのラーメンをすする。
食事が終わって、3人でまどろんでいると、上杉先輩が思い出したように言う。
「そうそう、明日、恵梨香が部室に来てって言ってたよ」
「え? なんの用でしょう?」
「さあ。明日、わかるからいいじゃん」
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