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暁を覚えない春眠編
したいんだけど
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僕は毛利さんを自室に招き入れる。
ジュースを出してあげて、いつものようにローテーブルを挟んで少し世間話をして過ごす。
会話がひと段落したところで、毛利さんは尋ねた。
「それで、相談したいことってなに?」
僕はおもむろに立ち上がり、ベッドに腰かけた。
そして、毛利さんに言う。
「毛利さんも、こっちに座りなよ」
そう言って、ベッドの僕が座っている隣をポンポンと叩いた。
毛利さんは立ち上がり、言われた通り僕の隣に座った。
僕は毛利さんを見つめて言う。
「両親はいつものように夕方遅い時間に帰るし、妹も今日は前田さんに家に遊びに行って帰りが遅くなるのが確実なんだよね。だから、しばらく家に誰もいないんだ」
「うん…」
「それでさ…、したいんだけど」
「えっ?」
毛利さんは驚いた。
「えー、ダメだよ…」
「いいじゃん、いいじゃん」
僕はそう言って、毛利さんをゆっくりとベッドに押し倒した。
そして、毛利さんを見下ろすように見つめる。
「えっ? えっ? ダメだったら」
毛利さんは顔を真っ赤にして、視線をそらした。
「なんでダメなの?」
「だって…、キスもしてないのに…」
「そんなの関係ないじゃん!」
「あるよ!」
「いいから、いいから、しようよ」
「ダメだよ…」
「どうして?」
「今日の下着は…、可愛くないやつだから」
「そんなの問題ないから!」
「ダメだって!」
「じゃあ…、キスすれば、してもいいの?」
毛利さんは少し考えてから答えた。
「今日は、キスだけならいいよ…」
そして、毛利さんは目を閉じてキス待ちの状態。
部屋の中は、静寂。
しばらく、そのままの状態で時間が過ぎる。
キスをしない僕に毛利さんは目を開けて訪ねた。
「どうしたの…?」
「え…、いや…」
そこへ突然、部屋の扉が開いた。
「誕生日おめでとうございまーす!」
部屋に入ってきたのは妹の美咲。
「えっ!?」
毛利さんは驚いて身を起こした。
ゴチン!!
毛利さんの頭が僕の頭に直撃した。
「「痛たたた…」」
僕と毛利さんは2人して、自分の額をさすった。
妹に続いて、伊達先輩、上杉先輩、雪乃、前田さんが部屋に雪崩れ込んできた。
前田さんはバースデーケーキを手にしている。
そして、みんなで唱和する。
「毛利さん、ハッピーバースデー!!」
「えっ? えっ? えーっ?!」
毛利さんは困惑している。
そんな毛利さんに僕は弁明をする。
「ごめん、ごめん。“したい”っていうのは、誕生日パーティーをしたいって意味だよ」
「あ…、そう…」
毛利さんは、少々不満そうに答えた。
前田さんはケーキをローテーブルに置く。
とりあえず、僕と毛利さんは並んでローテーブルの側に座り、他のみんなもローテーブルを囲むように床に座った。
「美咲ちゃん、フライングだよ! これから面白いシーンが見れるというのに」
上杉先輩が、妹に文句を言いだした。
「だって、あのままじゃあ、よからぬことが始まりそうだったから」
妹が答えた。
「いや」
次に、僕が上杉先輩に文句を言う。
「台本じゃあ、もう少し早く入って来てくれる話だったじゃあないですか?」
「あのままにしたら、いいものが見れたかもしれないから、そのまま見届けようと思ってじらしたんだよ」
上杉先輩はニヤつきながら答えた。
「やめてくださいよ、そういうの…」
ギャラリーがいなければ、そのまま進展してもよかったのだが、皆がいるとわかっているところで出来るわけない。
「早くロウソクに火をつけましょう」
そういうと伊達先輩は、いちごホールショートケーキに上に毛利さんの年齢と同じ数のロウソクを刺していく。
「何歳になるんですかー?」
前田さんが訪ねた。
「16」
毛利さんは静かに答える。
続けて伊達先輩は、ロウソクに灯を点す。
そして、皆でハッピーバースデーが歌われると、伊達先輩が毛利さんに吹き消すように促す。
毛利さんは一息にロウソクの火を吹き消した。
そこから、皆でワイワイ言いながらケーキ食べ始める。
部屋には、毛利さん、雪乃、伊達先輩、上杉先輩、前田さんに妹と僕。
今日はいつもより女子の人口密度が多い。そして、狭い。
今回、あらかじめ妹にもこのサプライズをやると、上杉先輩から伝えてあった。
そうしないと、不用意に部屋に乱入してくるかもしれないからだ。
話の流れで、妹も誕生パーティーに参加することになり、そして、なぜか前田さんもパーティーに参加している。
僕は毛利さんを見ると、少々不機嫌な様子だったので、僕は責任転嫁を図る。
「今日のサプライズは、雪乃が考えたんだよ」
「どう? 私の台本は?」
雪乃が毛利さんに尋ねた。
「えー…?」
毛利さんは答えに困っている。
「でもさ」
雪乃が続ける。
「歩美が早く純也とヤってくれないと、私に順番が回ってこないじゃん?」
「なにそれ?」
上杉先輩が割り込んできた。
「純也のドーテーは歩美に譲るって言ってるんだけど、2人がなかなか進展しないから、後がつかえているんです」
雪乃が解説をする。
「何、言ってるんですか!」
妹が叫ぶ。
「高校生はそういうことしたらダメだよ、お兄ちゃん!」
「いいじゃん、ヤっちゃえば」
上杉先輩は笑いながら言う。
上杉先輩、絶対に面白がっているだけだな。
そして、皆から毛利さんに誕生日プレゼントが渡される。
僕の買っておいたSF小説も無事手渡された。
「歩美、そういえば、さっき下着がどうとか言ってたじゃん?」
雪乃は毛利さんに再び話を振る。
「いつも勝負下着をちゃんと履いてないとダメだよ」
「だって…」
毛利さんは恥ずかしそうにうつむいた。
「織田ちゃんは、いつも勝負下着なの?」
上杉先輩が興味津々で訪ねた。
「そうですよ。いつも臨戦態勢です」
いや、僕と毛利さんの後でいいって言いながら、いつも臨戦態勢って矛盾してないか?
そうか、他の男ともヤるかもしれないということか。
「どんなの付けてるんだっけ?」
上杉先輩は興味津々で訪ねる。
「どうぞ」
そういって、雪乃はブラウスのボタンを外してブラをチラリと見えるようにした。
「ほほう」
上杉先輩は感心している。
前田さんも体を傾けて、それを覗き込む。そして感嘆の声を上げる。
「おおー。大人だー」
「上杉さんは、どんなの付けてるんですか?」
雪乃は訪ねた。
「私のは安物だよ。ほら」
そういって、上杉先輩もブラウスのボタンを外してブラを見せる。
なんかブラ見せ大会が始まった。
妹が僕に近づいて、手で僕の目を覆う。
「お兄ちゃん、見ちゃダメ」
雪乃のブラは、以前、何度か見たことがあるが、たしかにちょっと高そうなやつだった。
「歩美、今度、一緒に下着買いに行こう」
雪乃が提案する。
「うん」
毛利さんは恥ずかしそうにうなずいた。
「私も大人な下着買いたいですー。一緒に行ってもいいですかー?」
前田さんが手を挙げて発言した。
「私も行く!」
妹も手を挙げた。
「純也も一緒に行く?」
雪乃は僕の方を向いて尋ねた。
「純也が、どういうのが好きなのか知りたいし」
「お兄ちゃんは行かなくていいよ!」
妹が、僕の答えを待たず怒りながら叫んだ。
「私も行くよ」
上杉先輩も割り込んで言う。
「恵梨香も行こうよ」
「いいわね」
伊達先輩も賛成した。
女子たち全員で下着買いに行く約束が成立した。
その後も、穏やかな(?)時間が過ぎ、2時間程度でサプライズ誕生パーティーは終了となった。
途中、僕は何度も毛利さんに腕をつねられた。
ジュースを出してあげて、いつものようにローテーブルを挟んで少し世間話をして過ごす。
会話がひと段落したところで、毛利さんは尋ねた。
「それで、相談したいことってなに?」
僕はおもむろに立ち上がり、ベッドに腰かけた。
そして、毛利さんに言う。
「毛利さんも、こっちに座りなよ」
そう言って、ベッドの僕が座っている隣をポンポンと叩いた。
毛利さんは立ち上がり、言われた通り僕の隣に座った。
僕は毛利さんを見つめて言う。
「両親はいつものように夕方遅い時間に帰るし、妹も今日は前田さんに家に遊びに行って帰りが遅くなるのが確実なんだよね。だから、しばらく家に誰もいないんだ」
「うん…」
「それでさ…、したいんだけど」
「えっ?」
毛利さんは驚いた。
「えー、ダメだよ…」
「いいじゃん、いいじゃん」
僕はそう言って、毛利さんをゆっくりとベッドに押し倒した。
そして、毛利さんを見下ろすように見つめる。
「えっ? えっ? ダメだったら」
毛利さんは顔を真っ赤にして、視線をそらした。
「なんでダメなの?」
「だって…、キスもしてないのに…」
「そんなの関係ないじゃん!」
「あるよ!」
「いいから、いいから、しようよ」
「ダメだよ…」
「どうして?」
「今日の下着は…、可愛くないやつだから」
「そんなの問題ないから!」
「ダメだって!」
「じゃあ…、キスすれば、してもいいの?」
毛利さんは少し考えてから答えた。
「今日は、キスだけならいいよ…」
そして、毛利さんは目を閉じてキス待ちの状態。
部屋の中は、静寂。
しばらく、そのままの状態で時間が過ぎる。
キスをしない僕に毛利さんは目を開けて訪ねた。
「どうしたの…?」
「え…、いや…」
そこへ突然、部屋の扉が開いた。
「誕生日おめでとうございまーす!」
部屋に入ってきたのは妹の美咲。
「えっ!?」
毛利さんは驚いて身を起こした。
ゴチン!!
毛利さんの頭が僕の頭に直撃した。
「「痛たたた…」」
僕と毛利さんは2人して、自分の額をさすった。
妹に続いて、伊達先輩、上杉先輩、雪乃、前田さんが部屋に雪崩れ込んできた。
前田さんはバースデーケーキを手にしている。
そして、みんなで唱和する。
「毛利さん、ハッピーバースデー!!」
「えっ? えっ? えーっ?!」
毛利さんは困惑している。
そんな毛利さんに僕は弁明をする。
「ごめん、ごめん。“したい”っていうのは、誕生日パーティーをしたいって意味だよ」
「あ…、そう…」
毛利さんは、少々不満そうに答えた。
前田さんはケーキをローテーブルに置く。
とりあえず、僕と毛利さんは並んでローテーブルの側に座り、他のみんなもローテーブルを囲むように床に座った。
「美咲ちゃん、フライングだよ! これから面白いシーンが見れるというのに」
上杉先輩が、妹に文句を言いだした。
「だって、あのままじゃあ、よからぬことが始まりそうだったから」
妹が答えた。
「いや」
次に、僕が上杉先輩に文句を言う。
「台本じゃあ、もう少し早く入って来てくれる話だったじゃあないですか?」
「あのままにしたら、いいものが見れたかもしれないから、そのまま見届けようと思ってじらしたんだよ」
上杉先輩はニヤつきながら答えた。
「やめてくださいよ、そういうの…」
ギャラリーがいなければ、そのまま進展してもよかったのだが、皆がいるとわかっているところで出来るわけない。
「早くロウソクに火をつけましょう」
そういうと伊達先輩は、いちごホールショートケーキに上に毛利さんの年齢と同じ数のロウソクを刺していく。
「何歳になるんですかー?」
前田さんが訪ねた。
「16」
毛利さんは静かに答える。
続けて伊達先輩は、ロウソクに灯を点す。
そして、皆でハッピーバースデーが歌われると、伊達先輩が毛利さんに吹き消すように促す。
毛利さんは一息にロウソクの火を吹き消した。
そこから、皆でワイワイ言いながらケーキ食べ始める。
部屋には、毛利さん、雪乃、伊達先輩、上杉先輩、前田さんに妹と僕。
今日はいつもより女子の人口密度が多い。そして、狭い。
今回、あらかじめ妹にもこのサプライズをやると、上杉先輩から伝えてあった。
そうしないと、不用意に部屋に乱入してくるかもしれないからだ。
話の流れで、妹も誕生パーティーに参加することになり、そして、なぜか前田さんもパーティーに参加している。
僕は毛利さんを見ると、少々不機嫌な様子だったので、僕は責任転嫁を図る。
「今日のサプライズは、雪乃が考えたんだよ」
「どう? 私の台本は?」
雪乃が毛利さんに尋ねた。
「えー…?」
毛利さんは答えに困っている。
「でもさ」
雪乃が続ける。
「歩美が早く純也とヤってくれないと、私に順番が回ってこないじゃん?」
「なにそれ?」
上杉先輩が割り込んできた。
「純也のドーテーは歩美に譲るって言ってるんだけど、2人がなかなか進展しないから、後がつかえているんです」
雪乃が解説をする。
「何、言ってるんですか!」
妹が叫ぶ。
「高校生はそういうことしたらダメだよ、お兄ちゃん!」
「いいじゃん、ヤっちゃえば」
上杉先輩は笑いながら言う。
上杉先輩、絶対に面白がっているだけだな。
そして、皆から毛利さんに誕生日プレゼントが渡される。
僕の買っておいたSF小説も無事手渡された。
「歩美、そういえば、さっき下着がどうとか言ってたじゃん?」
雪乃は毛利さんに再び話を振る。
「いつも勝負下着をちゃんと履いてないとダメだよ」
「だって…」
毛利さんは恥ずかしそうにうつむいた。
「織田ちゃんは、いつも勝負下着なの?」
上杉先輩が興味津々で訪ねた。
「そうですよ。いつも臨戦態勢です」
いや、僕と毛利さんの後でいいって言いながら、いつも臨戦態勢って矛盾してないか?
そうか、他の男ともヤるかもしれないということか。
「どんなの付けてるんだっけ?」
上杉先輩は興味津々で訪ねる。
「どうぞ」
そういって、雪乃はブラウスのボタンを外してブラをチラリと見えるようにした。
「ほほう」
上杉先輩は感心している。
前田さんも体を傾けて、それを覗き込む。そして感嘆の声を上げる。
「おおー。大人だー」
「上杉さんは、どんなの付けてるんですか?」
雪乃は訪ねた。
「私のは安物だよ。ほら」
そういって、上杉先輩もブラウスのボタンを外してブラを見せる。
なんかブラ見せ大会が始まった。
妹が僕に近づいて、手で僕の目を覆う。
「お兄ちゃん、見ちゃダメ」
雪乃のブラは、以前、何度か見たことがあるが、たしかにちょっと高そうなやつだった。
「歩美、今度、一緒に下着買いに行こう」
雪乃が提案する。
「うん」
毛利さんは恥ずかしそうにうなずいた。
「私も大人な下着買いたいですー。一緒に行ってもいいですかー?」
前田さんが手を挙げて発言した。
「私も行く!」
妹も手を挙げた。
「純也も一緒に行く?」
雪乃は僕の方を向いて尋ねた。
「純也が、どういうのが好きなのか知りたいし」
「お兄ちゃんは行かなくていいよ!」
妹が、僕の答えを待たず怒りながら叫んだ。
「私も行くよ」
上杉先輩も割り込んで言う。
「恵梨香も行こうよ」
「いいわね」
伊達先輩も賛成した。
女子たち全員で下着買いに行く約束が成立した。
その後も、穏やかな(?)時間が過ぎ、2時間程度でサプライズ誕生パーティーは終了となった。
途中、僕は何度も毛利さんに腕をつねられた。
応援ありがとうございます!
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