315 / 421
チョコレート狂騒曲編
噓八百再び
しおりを挟む
勉強会が終わり、夕食を食べて、諸々の用事を済ませる。
夜は、悠斗と一緒にVRMMORPG“色彩の大陸”をプレイすることになっている。
すっかり忘れていたのだが、今日は建国記念日で、明日は振替休日で休みとなっている。そのことを、夕食時に妹の美咲に言われて気が付いて、妹にバカにされた。
そんなこんなで、今夜は少々遅くまで、悠斗と一緒にVRゲームプレイすることになった。
今回は、以前合コンで一緒だった、六角雄一君も一緒にプレイすることになっている。
約束の時間になったら、VRゴーグルを装着してゲームにログインする。
目の前に広がるのは、いつもの初めの街の広場。中世ヨーロッパ風の街並みが見える。
広場は、多くのプレイヤーが参加して混雑しているが、しばらくして、悠斗のキャラクター“ジス”がチャットで声を掛けて来た。
『やあ、純也、来たね』
『やあ、六角君は?』
『そこにいるよ』
近づいてきた男性キャラクター。
見ると、剣士じゃあないか。彼も剣士を選ぶとは。
人のことは言えないが、3人とも剣士でパーティ組むのってバランス悪すぎないか…?
しかし、悠斗と六角君はそんなことは気にしていない様子。
『よろしく』
六角君のキャラが話しかけて来た。
ステータスを見る。
キャラ名は“ヘクサ”
攻撃力を強めにステ振りしているようだ。
悠斗が提案する。
『一雄は、まだレベルが低いから、街の近くを中心に回って経験値を稼いでいこう』
僕と六角君はそれに賛成して、移動開始。
雑魚敵が出て来る街の近くをウロウロ。
敵を倒したり、休んだりを繰り返して1時間半ほどだっただろうか、少し六角君のレベルも上がったところで、悠斗が別の提案をする。
『初心者向けのクエストで凶暴な熊“USO800”を倒すというのがあるけど、やってみる? 俺もまだやってないから』
『まだ、ちょっと、不安だなあ』
六角君が言う。
彼は、まだ初めて日にちが経ってないそうだからな。初心者向けクエストとはいえ、1人だとしたら難しいだろう。
しかし、今回はそれなりにレベルが上がっている悠斗と僕がいる。
『大丈夫でしょ? 俺たちがフォローするよ』
悠斗が言うので、皆でUSO800が居る森に向かう。
先日、このクエストで僕は1人で森に向かったが、途中、上杉先輩に邪魔されて、クエストは終えることをせずに、そのままとなっていた。
改めての挑戦だ。そして、今回は3人だ。楽勝だろう、多分。
森の中で出会うモンスターは、ちょっと手強い。
僕と悠斗は、六角君をフォローしながらモンスターを倒しつつ森の中を徘徊する。
30分以上うろうろしただろうか、突然、森の中で黒い影が立ち上がる。
『えっ?!』
僕は驚いた。
巨大な熊がそこにいた。
そして、その予想以上の巨大さにかなり驚いた。
先日は、上杉先輩しか、この巨大熊を見ていない。
熊というから、リアルな熊を想定していたが、ここはファンタジーの架空の世界だ。USO800は、リアル熊の2倍は巨大だった。
かなり見上げないと頭が見えない。
『なんだこれ、めっちゃデカイ!』
六角君が狼狽した。
『ともかく攻撃だ!』
悠斗が合図すると共に、3人は剣でUSO800に切りつける。
六角君が熊のパンチを食らった。
HPが一気に80%近く削られてしまった。
『まずい!』
『いったん下がって、ポーションで回復を!』
悠斗が指示する。
僕は、素早さに極振りしたおかげで、USO800の攻撃は当たってない。しかし、僕が攻撃して与えるダメージは少ないのだが。
悠斗はダメージを食らいながらも効果的にUSO800のHPを削っている。
その後も、3人でギャーギャー言いながら攻撃する。そして、しばらくして何とかUSO800を倒すことができた。
そして、経験値を得てレベルアップした。なんかのアイテムも入手した。
元々レベルが低かった六角君は、これで何段階もレベルアップしたようだ。
しかし、今回は何とかクエストをクリアしたが、HP減るたびに回復の為に一旦戦闘から離脱するということになるのは問題あるのでは?
今後はパーティにヒーラーや魔術師がいないと進めるのは難しいのではないだろうか?
『これ、初心者向けクエストじゃあないでしょ?』
悠斗が文句を言っている。
『あとで運営にクレームのメールを入れておくよ』
そこで、ゴーグルを誰かに外された。
正面に妹が、また怒り顔で立っていた。
「うるさいよ!! 何時だと思ってるの?! 近所迷惑でしょ!!」
怒られた。
時計をみたら23時。
「悪い。今、悠斗たちと一緒にやってたんだ」
「えっ? 悠斗さんがいるの?」
そう言うと、妹は僕からVRゴーグル奪い取ると、それをかぶって悠斗と会話しだした。
小学生の頃は、悠斗と妹と僕の3人でよく遊んでいたので、妹と悠斗はよく知っている関係だ。
「こんばんは、美咲です」
「悠斗さん、久しぶりです」
「あっ、六角さん…、はい、合コンにいた冴えない男の妹です」
などと、妹は僕のキャラクターを使って、彼らと親し気に会話している。
しばらく会話した後、もう満足したのかゴーグルを手渡してきた。
僕はちょっと嫌味を言う。
「イケメンは、めんどくさいとか言いながら、悠斗が気になるのかよ?」
「違うよ! 悠斗さんとは、今年はまだ話してないから、挨拶したかったの!」
まあ、妹が悠斗のことが好きだろうが何だろうが、別に構わないけどな。
妹は怒りながら部屋を出て行った。
夜も遅くなったので、3人で話し合って今日のところはゲーム終了とした。
夜は、悠斗と一緒にVRMMORPG“色彩の大陸”をプレイすることになっている。
すっかり忘れていたのだが、今日は建国記念日で、明日は振替休日で休みとなっている。そのことを、夕食時に妹の美咲に言われて気が付いて、妹にバカにされた。
そんなこんなで、今夜は少々遅くまで、悠斗と一緒にVRゲームプレイすることになった。
今回は、以前合コンで一緒だった、六角雄一君も一緒にプレイすることになっている。
約束の時間になったら、VRゴーグルを装着してゲームにログインする。
目の前に広がるのは、いつもの初めの街の広場。中世ヨーロッパ風の街並みが見える。
広場は、多くのプレイヤーが参加して混雑しているが、しばらくして、悠斗のキャラクター“ジス”がチャットで声を掛けて来た。
『やあ、純也、来たね』
『やあ、六角君は?』
『そこにいるよ』
近づいてきた男性キャラクター。
見ると、剣士じゃあないか。彼も剣士を選ぶとは。
人のことは言えないが、3人とも剣士でパーティ組むのってバランス悪すぎないか…?
しかし、悠斗と六角君はそんなことは気にしていない様子。
『よろしく』
六角君のキャラが話しかけて来た。
ステータスを見る。
キャラ名は“ヘクサ”
攻撃力を強めにステ振りしているようだ。
悠斗が提案する。
『一雄は、まだレベルが低いから、街の近くを中心に回って経験値を稼いでいこう』
僕と六角君はそれに賛成して、移動開始。
雑魚敵が出て来る街の近くをウロウロ。
敵を倒したり、休んだりを繰り返して1時間半ほどだっただろうか、少し六角君のレベルも上がったところで、悠斗が別の提案をする。
『初心者向けのクエストで凶暴な熊“USO800”を倒すというのがあるけど、やってみる? 俺もまだやってないから』
『まだ、ちょっと、不安だなあ』
六角君が言う。
彼は、まだ初めて日にちが経ってないそうだからな。初心者向けクエストとはいえ、1人だとしたら難しいだろう。
しかし、今回はそれなりにレベルが上がっている悠斗と僕がいる。
『大丈夫でしょ? 俺たちがフォローするよ』
悠斗が言うので、皆でUSO800が居る森に向かう。
先日、このクエストで僕は1人で森に向かったが、途中、上杉先輩に邪魔されて、クエストは終えることをせずに、そのままとなっていた。
改めての挑戦だ。そして、今回は3人だ。楽勝だろう、多分。
森の中で出会うモンスターは、ちょっと手強い。
僕と悠斗は、六角君をフォローしながらモンスターを倒しつつ森の中を徘徊する。
30分以上うろうろしただろうか、突然、森の中で黒い影が立ち上がる。
『えっ?!』
僕は驚いた。
巨大な熊がそこにいた。
そして、その予想以上の巨大さにかなり驚いた。
先日は、上杉先輩しか、この巨大熊を見ていない。
熊というから、リアルな熊を想定していたが、ここはファンタジーの架空の世界だ。USO800は、リアル熊の2倍は巨大だった。
かなり見上げないと頭が見えない。
『なんだこれ、めっちゃデカイ!』
六角君が狼狽した。
『ともかく攻撃だ!』
悠斗が合図すると共に、3人は剣でUSO800に切りつける。
六角君が熊のパンチを食らった。
HPが一気に80%近く削られてしまった。
『まずい!』
『いったん下がって、ポーションで回復を!』
悠斗が指示する。
僕は、素早さに極振りしたおかげで、USO800の攻撃は当たってない。しかし、僕が攻撃して与えるダメージは少ないのだが。
悠斗はダメージを食らいながらも効果的にUSO800のHPを削っている。
その後も、3人でギャーギャー言いながら攻撃する。そして、しばらくして何とかUSO800を倒すことができた。
そして、経験値を得てレベルアップした。なんかのアイテムも入手した。
元々レベルが低かった六角君は、これで何段階もレベルアップしたようだ。
しかし、今回は何とかクエストをクリアしたが、HP減るたびに回復の為に一旦戦闘から離脱するということになるのは問題あるのでは?
今後はパーティにヒーラーや魔術師がいないと進めるのは難しいのではないだろうか?
『これ、初心者向けクエストじゃあないでしょ?』
悠斗が文句を言っている。
『あとで運営にクレームのメールを入れておくよ』
そこで、ゴーグルを誰かに外された。
正面に妹が、また怒り顔で立っていた。
「うるさいよ!! 何時だと思ってるの?! 近所迷惑でしょ!!」
怒られた。
時計をみたら23時。
「悪い。今、悠斗たちと一緒にやってたんだ」
「えっ? 悠斗さんがいるの?」
そう言うと、妹は僕からVRゴーグル奪い取ると、それをかぶって悠斗と会話しだした。
小学生の頃は、悠斗と妹と僕の3人でよく遊んでいたので、妹と悠斗はよく知っている関係だ。
「こんばんは、美咲です」
「悠斗さん、久しぶりです」
「あっ、六角さん…、はい、合コンにいた冴えない男の妹です」
などと、妹は僕のキャラクターを使って、彼らと親し気に会話している。
しばらく会話した後、もう満足したのかゴーグルを手渡してきた。
僕はちょっと嫌味を言う。
「イケメンは、めんどくさいとか言いながら、悠斗が気になるのかよ?」
「違うよ! 悠斗さんとは、今年はまだ話してないから、挨拶したかったの!」
まあ、妹が悠斗のことが好きだろうが何だろうが、別に構わないけどな。
妹は怒りながら部屋を出て行った。
夜も遅くなったので、3人で話し合って今日のところはゲーム終了とした。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる