267 / 409
悪夢の奴隷生活編
SPICE×FAMILY
しおりを挟む
僕らは西早稲田駅で地下鉄を降りた。
雪乃と毛利さん、妹は、織田邸がある駅近くのマンションへ。
僕は晩ごはんにカレーを作らなければいけないということで、材料を買いに1人で近くのスーパーマーケットへ向かう。
今日は前回のように牛肉ではなく、豚肉にした。ちょっと安上がり。
その他の材料も購入して。織田邸に向かう。
織田邸に着くと、雪乃に案内されて奥へ。女子3人はリビングルームでソファに座ってテレビを見ながらくつろいでいた。
前回来た時は、雪乃の部屋だけしか入らなかったので、他の部屋は始めてだ。どこも綺麗に掃除されているようだった。
僕は、さらに奥へ導かれて台所へ。
そんなわけで、料理開始。
ご飯を炊くところから開始しなければならなかった。無洗米があったので、それと水を炊飯器に入れる。
料理の途中、毛利さんが「手伝う?」と尋ねて来たが、1人で問題なさそうなので、「TVでも見てて」と言って、追い返した。
なんやかんやで、大体完成、しばらくカレーをとろ火で15分ばかり煮込むので、僕は台所を離れてリビングルームに行った。
妹が、雪乃や毛利さんと仲良くやっているか不安だった。
理由はわからないが、妹は雪乃と毛利さんを敵視しているみたいだからな。
とりあえず、仲良く(?)TVで流行のドラマを見ているようで、ちょっと安心した。
僕も彼女たちに混ざってソファに座って15分間TVを見る。そろそろ、カレーも出来たようだ。
ご飯も焚けているので、雪乃に皿を出してもらい、ご飯とカレーを盛って完成。
みんなダイニングテーブルを囲んで座って、カレーを食べ始める。
1口食べた雪乃が感想を言う。
「美味しいね」
「それは、良かった」
「前と、ちょっと味が違くない? ルーが違うの?」
妹が言う。
「ルーは同じだよ。違う点と言えば、前回は牛肉だったけど、今日は豚肉。あとは、風味づけに香辛料を入れた」
「へー。そうなんだ」
妹は感心したように言うと、もう一口食べる。
「香辛料って何?」
毛利さんが尋ねる。
「ガラムマサラだよ」
僕はさっきスーパーマーケットで、たまたま見かけて買って来た香辛料の入った小瓶を手にして、みんなに見せた。
「130円。前と同じだと、ダメ出しが来そうだったから」
毛利さんと妹は以前、僕のカレーを食べている。全く同じだと、特に妹がなんか言って来そうだしな。
「ふーん。私も今度やってみよう」
毛利さんは感心したようだ。
「お兄ちゃんのくせに、やるじゃん」
珍しく妹に褒められた。
「『お兄ちゃんくせに』は、余計だ」
この点は言い返しておかないと。
僕は続ける。
「カレーは中辛なんだけど、もっと辛くしたかったらこのスパイス使って」
取り出したのは、レッドペパーの小瓶。
「ちょうだい」
そう言って、妹は僕の腕から取り上げた、レッドペパーを自分のカレーに掛ける。
僕は注意する。
「あんまり入れすぎるなよ」
「辛い!」
入れすぎたらしい。
慌てて水を飲む妹。
そうこうしてカレーを食べ終え、しばらくその場で会話をする。
「こうやっていると、家族みたいだね」
雪乃が唐突に言う。
「私と、お兄ちゃんは本物の家族ですけど?」
妹が少々不満気味に言った。
「わからないわよ、将来、私も本物の家族になるかもしれないじゃん?」
雪乃は不敵に笑いながら言い放った。
「そうですか?」
妹はやはり不満そうだ。
何これ? 妹vs雪乃のバトルが始まってる?
そして、雪乃は遠回しにプロポーズみたいになっているけど…?
「後片付けするよ」
何か面倒なことに巻き込まれそうなので、僕はそう言ってみんなの皿を集めて台所に向かった。
後片付けが終わり、リビングルームへ行くと、雪乃が尋ねた。
「お風呂入るでしょ? 順番どうする?」
それに妹が、すぐに反応する。
「お兄ちゃん、一番最初に入りなよ」
「え? 皆がそれでよければ、最初でいいけど?」
「お兄ちゃん、みんなの後だと、みんなが入ったお湯飲むでしょ?」
「はあ?! そんなことするわけないだろ!」
まったく、妹はどういう目で僕を見ているんだ。
ともかく一番湯を頂くことになった。
風呂に入って、上がった後は、雪乃に借りた、雪乃のお父さんのトレーナーに着替える。
女子たちも次々に風呂に入る。
風呂上りは一同は、雪乃の部屋に行って、くつろいでいる。
女子たちは、全員パジャマ姿なのでちょっと気になるな。
女子だけのお泊り会であれば、恋バナをするのだろうが、今日は僕が居るし、このメンツだと修羅場っぽくなりそうなのだが…。
雪乃と毛利さんは、それぞれ僕のことが好きなようだが、なぜか2人の間で対立はなさそうで、逆に仲は良いみたいだ。
一方、妹は、なぜだか雪乃にも毛利さんにも敵対心を持っている様子。
雪乃はそのことは全然気にしていないようだが。
その事を証明するように雪乃は妹に普通に話しかけている。
「美咲ちゃんって、彼氏いないの?」
やっぱり、恋バナするんだ。
妹は不満げに答える。
「いないです」
「同級生とかに、気になる男子とかは?」
「同年代の男子って、ガキっぽくて」
「じゃあ、年上が好みなんだ?」
僕も話に加わる。
「じゃあ、悠斗とかいいんじゃないか?」
「悠斗って、足利君の事?」
雪乃は尋ねる。
「そう。あいつは幼馴染だから、小学校の頃は、美咲も一緒に遊んでたんだよ」
「そっか。彼は、イケメンでサッカーも上手いし、良いんじゃない?」
「えー」
妹はやはり不満そうだ。
「イケメンって、ライバルが多そうだから、めんどくさい」
『めんどくさい』とか、僕みたいなこと言ってるな。
「じゃあ、年上で、それ程イケメンじゃあない男って言ったら、お兄さん?」
雪乃は、いたずらっぽく笑いながら言った。
「えっ? お兄ちゃんは嫌いです」
そもそも、実の兄妹だぞ。論外だ。
そして、妹よ、僕のことを嫌いとか言うな。
さらに言えば、雪乃、“それ程イケメンでない男”で僕のことを言うなよ。まあ、その通りなのだが。
「優しいお兄さんじゃん?」
雪乃は言う。
「全然。意地悪だし」
「意地悪してないだろ」
僕は反論した。
しばらく、僕と妹を肴に話が盛り上がる。
その後は、雪乃を中心とした陽キャグループ内での学校の話とか、僕の知らないことを聞かされた。
いろいろあるんだなあ。面倒だから関わらないようにする。
後、生徒会長選挙の話題が出て、雪乃は立候補するつもりなのだが、当選の暁には僕だけでなく、毛利さんにも役員に入ってほしいとのことで依頼していた。
毛利さんは、OKのようだ。
そんなこんなで、夜も更けて来たので、もう寝ようということになる。
女子たちは雪乃の部屋で、僕はリビングルームのソファで寝ることになった。
雪乃と毛利さん、妹は、織田邸がある駅近くのマンションへ。
僕は晩ごはんにカレーを作らなければいけないということで、材料を買いに1人で近くのスーパーマーケットへ向かう。
今日は前回のように牛肉ではなく、豚肉にした。ちょっと安上がり。
その他の材料も購入して。織田邸に向かう。
織田邸に着くと、雪乃に案内されて奥へ。女子3人はリビングルームでソファに座ってテレビを見ながらくつろいでいた。
前回来た時は、雪乃の部屋だけしか入らなかったので、他の部屋は始めてだ。どこも綺麗に掃除されているようだった。
僕は、さらに奥へ導かれて台所へ。
そんなわけで、料理開始。
ご飯を炊くところから開始しなければならなかった。無洗米があったので、それと水を炊飯器に入れる。
料理の途中、毛利さんが「手伝う?」と尋ねて来たが、1人で問題なさそうなので、「TVでも見てて」と言って、追い返した。
なんやかんやで、大体完成、しばらくカレーをとろ火で15分ばかり煮込むので、僕は台所を離れてリビングルームに行った。
妹が、雪乃や毛利さんと仲良くやっているか不安だった。
理由はわからないが、妹は雪乃と毛利さんを敵視しているみたいだからな。
とりあえず、仲良く(?)TVで流行のドラマを見ているようで、ちょっと安心した。
僕も彼女たちに混ざってソファに座って15分間TVを見る。そろそろ、カレーも出来たようだ。
ご飯も焚けているので、雪乃に皿を出してもらい、ご飯とカレーを盛って完成。
みんなダイニングテーブルを囲んで座って、カレーを食べ始める。
1口食べた雪乃が感想を言う。
「美味しいね」
「それは、良かった」
「前と、ちょっと味が違くない? ルーが違うの?」
妹が言う。
「ルーは同じだよ。違う点と言えば、前回は牛肉だったけど、今日は豚肉。あとは、風味づけに香辛料を入れた」
「へー。そうなんだ」
妹は感心したように言うと、もう一口食べる。
「香辛料って何?」
毛利さんが尋ねる。
「ガラムマサラだよ」
僕はさっきスーパーマーケットで、たまたま見かけて買って来た香辛料の入った小瓶を手にして、みんなに見せた。
「130円。前と同じだと、ダメ出しが来そうだったから」
毛利さんと妹は以前、僕のカレーを食べている。全く同じだと、特に妹がなんか言って来そうだしな。
「ふーん。私も今度やってみよう」
毛利さんは感心したようだ。
「お兄ちゃんのくせに、やるじゃん」
珍しく妹に褒められた。
「『お兄ちゃんくせに』は、余計だ」
この点は言い返しておかないと。
僕は続ける。
「カレーは中辛なんだけど、もっと辛くしたかったらこのスパイス使って」
取り出したのは、レッドペパーの小瓶。
「ちょうだい」
そう言って、妹は僕の腕から取り上げた、レッドペパーを自分のカレーに掛ける。
僕は注意する。
「あんまり入れすぎるなよ」
「辛い!」
入れすぎたらしい。
慌てて水を飲む妹。
そうこうしてカレーを食べ終え、しばらくその場で会話をする。
「こうやっていると、家族みたいだね」
雪乃が唐突に言う。
「私と、お兄ちゃんは本物の家族ですけど?」
妹が少々不満気味に言った。
「わからないわよ、将来、私も本物の家族になるかもしれないじゃん?」
雪乃は不敵に笑いながら言い放った。
「そうですか?」
妹はやはり不満そうだ。
何これ? 妹vs雪乃のバトルが始まってる?
そして、雪乃は遠回しにプロポーズみたいになっているけど…?
「後片付けするよ」
何か面倒なことに巻き込まれそうなので、僕はそう言ってみんなの皿を集めて台所に向かった。
後片付けが終わり、リビングルームへ行くと、雪乃が尋ねた。
「お風呂入るでしょ? 順番どうする?」
それに妹が、すぐに反応する。
「お兄ちゃん、一番最初に入りなよ」
「え? 皆がそれでよければ、最初でいいけど?」
「お兄ちゃん、みんなの後だと、みんなが入ったお湯飲むでしょ?」
「はあ?! そんなことするわけないだろ!」
まったく、妹はどういう目で僕を見ているんだ。
ともかく一番湯を頂くことになった。
風呂に入って、上がった後は、雪乃に借りた、雪乃のお父さんのトレーナーに着替える。
女子たちも次々に風呂に入る。
風呂上りは一同は、雪乃の部屋に行って、くつろいでいる。
女子たちは、全員パジャマ姿なのでちょっと気になるな。
女子だけのお泊り会であれば、恋バナをするのだろうが、今日は僕が居るし、このメンツだと修羅場っぽくなりそうなのだが…。
雪乃と毛利さんは、それぞれ僕のことが好きなようだが、なぜか2人の間で対立はなさそうで、逆に仲は良いみたいだ。
一方、妹は、なぜだか雪乃にも毛利さんにも敵対心を持っている様子。
雪乃はそのことは全然気にしていないようだが。
その事を証明するように雪乃は妹に普通に話しかけている。
「美咲ちゃんって、彼氏いないの?」
やっぱり、恋バナするんだ。
妹は不満げに答える。
「いないです」
「同級生とかに、気になる男子とかは?」
「同年代の男子って、ガキっぽくて」
「じゃあ、年上が好みなんだ?」
僕も話に加わる。
「じゃあ、悠斗とかいいんじゃないか?」
「悠斗って、足利君の事?」
雪乃は尋ねる。
「そう。あいつは幼馴染だから、小学校の頃は、美咲も一緒に遊んでたんだよ」
「そっか。彼は、イケメンでサッカーも上手いし、良いんじゃない?」
「えー」
妹はやはり不満そうだ。
「イケメンって、ライバルが多そうだから、めんどくさい」
『めんどくさい』とか、僕みたいなこと言ってるな。
「じゃあ、年上で、それ程イケメンじゃあない男って言ったら、お兄さん?」
雪乃は、いたずらっぽく笑いながら言った。
「えっ? お兄ちゃんは嫌いです」
そもそも、実の兄妹だぞ。論外だ。
そして、妹よ、僕のことを嫌いとか言うな。
さらに言えば、雪乃、“それ程イケメンでない男”で僕のことを言うなよ。まあ、その通りなのだが。
「優しいお兄さんじゃん?」
雪乃は言う。
「全然。意地悪だし」
「意地悪してないだろ」
僕は反論した。
しばらく、僕と妹を肴に話が盛り上がる。
その後は、雪乃を中心とした陽キャグループ内での学校の話とか、僕の知らないことを聞かされた。
いろいろあるんだなあ。面倒だから関わらないようにする。
後、生徒会長選挙の話題が出て、雪乃は立候補するつもりなのだが、当選の暁には僕だけでなく、毛利さんにも役員に入ってほしいとのことで依頼していた。
毛利さんは、OKのようだ。
そんなこんなで、夜も更けて来たので、もう寝ようということになる。
女子たちは雪乃の部屋で、僕はリビングルームのソファで寝ることになった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
お兄ちゃんは今日からいもうと!
沼米 さくら
ライト文芸
大倉京介、十八歳、高卒。女子小学生始めました。
親の再婚で新しくできた妹。けれど、彼女のせいで僕は、体はそのまま、他者から「女子小学生」と認識されるようになってしまった。
トイレに行けないからおもらししちゃったり、おむつをさせられたり、友達を作ったり。
身の回りで少しずつ不可思議な出来事が巻き起こっていくなか、僕は少女に染まっていく。
果たして男に戻る日はやってくるのだろうか。
強制女児女装万歳。
毎週木曜と日曜更新です。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
「学校でトイレは1日2回まで」という校則がある女子校の話
赤髪命
大衆娯楽
とある地方の私立女子校、御清水学園には、ある変わった校則があった。
「校内のトイレを使うには、毎朝各個人に2枚ずつ配られるコインを使用しなければならない」
そんな校則の中で生活する少女たちの、おしがまと助け合いの物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる