256 / 433
悪夢の奴隷生活編
添い寝
しおりを挟む
旅館で睡眠中。
僕は体に重さを感じたので目を開けた。
えっ! 右側で誰か僕に寄りかかって寝てる?!
いつもの夢か?
いや。部屋は真っ暗で、誰が寝てるか分からなかったが、これは夢じゃあないぞ!
僕は、顔をそちらに向けた。
ほのかに髪からの香りがする…、この香りは…
「ええっ!? 雪乃?!」
僕は驚いて声を上げた。
「(しっ! みんな起きちゃうよ)」
この声は雪乃で間違いなかった。彼女は小声で僕を制する。
それに合わせる様に、僕も小声で返事をする。
「(ゴメン…、ってか、なんで僕の布団に入って来てるの?!)」
「(えっ? えーと…、夜這い?)」
「(いやいやいやいや、付き合ってもいないのに、イカンでしょ?)」
「(冗談、冗談。添い寝だけだから)」
「(いや、だから、なんで添い寝を?)」
「(付き合ってるときには、こういう事ほとんどできなかったじゃん? だから)
」
まあ、付き合っている間のほうが、あまりいちゃついたりしなかったからな。
それは、雪乃が演劇部で忙しかったからだ。
正式に(いや(仮)だっだか…)付き合う前の方が、キスとかしてたよな。
しかし、理由はともかく、一緒に寝てるのが歴史研のメンバーにばれると、いろいろ面倒なことになりそうなので、雪乃の自分の布団に戻ってほしいのだが…。
「(そうだけど…、みんな居るし、まずいよ)」
「(みんなが居ないところだと、いいの?)」
「(えっ…? いや、もう付き合ってないんだから、それも良くないのでしょ?)」
「(まあまあ…。折角、純也の目が覚めたんだったら、少し話そうよ)」
「(話って、何を?)」
「(最近、歩美とはどうなの?)」
「(え? いや。べ、別に何もないよ…)」
「(ふーん。2人、なんか旅行の間、全然話してないから)」
昨日、上杉先輩にも指摘されたが、確かにクリスマスイブの一件以来、気まずくてほとんど話をしていない。
しかし、イブのことを話すこともないだろうと思い誤魔化す。
「(本当に、何もないって)」
「(そうなの? てっきり、歩美が告白したけど、純也が振ったのかと)」
「(ええっ!?)」
エスパーかよ。
「(やっぱり、そうなんだ。歩美も純也のことが好きみたいだったから)」
「(なんで、わかるの?)」
「(見てればわかるじゃん。逆にわからなかったら、何でわからないの?って思うよ。この前、一緒に服を買いに行ったじゃん? あれ、純也に見せるために買ったみたいだし)」
クリスマスイブに着てた、あのスカート丈の短いやつか。
「(そうか…)」
「(で、なんで、振ったの?)」
「(い、いや…、別に彼女に対して恋愛感情がなかったから)」
「(ふーん…。なんか、純也って、お堅いよね)」
「(それが、当たり前じゃあ?)」
「(私が以前、付き合ってた男どもは、そうじゃあなかったから)」
「(そうなの?)」
うーん…? 僕がおかしいのか?
「(そうだよ)」
会話が途切れた。
これ以上、長話をしていると、小声といえども誰かに気付かれるかもしれないし、女子が横で寝てると落ち着いていられない。
丁度良いので、僕は話をそろそろ切り上げたいと思った。
「(雪乃、そろそろ自分の布団にもどったら?)」
「(えーっ、まだいいじゃん。純也も、私と一緒に居たいんじゃないの?)」
「(そんなことないよ…)」
まあ、みんなが居なかったら別にいいのだけど、今日のところはお引き取り願いたい。
「(純也、そんなこと言って…)」
雪乃は布団のなかで、ごそごそし始めた。
「(そんなこと言って…、ガチガチになってるけど? お堅いのはここだけにすればいいのに)」
「(さ、さ、さわるなよ!)」
女子が横に添い寝してて、平常心でいられるはずがない。
僕は慌てて、雪乃に背を向ける様に横向きになった。
「(いいから、自分の布団に戻りなよ)」
「(うん、戻るけど、もう少しだけ…)」
しょうがないなあ。
付き合ってても、別れても、変わりなく雪乃のグイグイくる感じには困惑しかないな。毛利さんとは大違いだ。
そんなことを思いつつ、目を閉じた。
僕は体に重さを感じたので目を開けた。
えっ! 右側で誰か僕に寄りかかって寝てる?!
いつもの夢か?
いや。部屋は真っ暗で、誰が寝てるか分からなかったが、これは夢じゃあないぞ!
僕は、顔をそちらに向けた。
ほのかに髪からの香りがする…、この香りは…
「ええっ!? 雪乃?!」
僕は驚いて声を上げた。
「(しっ! みんな起きちゃうよ)」
この声は雪乃で間違いなかった。彼女は小声で僕を制する。
それに合わせる様に、僕も小声で返事をする。
「(ゴメン…、ってか、なんで僕の布団に入って来てるの?!)」
「(えっ? えーと…、夜這い?)」
「(いやいやいやいや、付き合ってもいないのに、イカンでしょ?)」
「(冗談、冗談。添い寝だけだから)」
「(いや、だから、なんで添い寝を?)」
「(付き合ってるときには、こういう事ほとんどできなかったじゃん? だから)
」
まあ、付き合っている間のほうが、あまりいちゃついたりしなかったからな。
それは、雪乃が演劇部で忙しかったからだ。
正式に(いや(仮)だっだか…)付き合う前の方が、キスとかしてたよな。
しかし、理由はともかく、一緒に寝てるのが歴史研のメンバーにばれると、いろいろ面倒なことになりそうなので、雪乃の自分の布団に戻ってほしいのだが…。
「(そうだけど…、みんな居るし、まずいよ)」
「(みんなが居ないところだと、いいの?)」
「(えっ…? いや、もう付き合ってないんだから、それも良くないのでしょ?)」
「(まあまあ…。折角、純也の目が覚めたんだったら、少し話そうよ)」
「(話って、何を?)」
「(最近、歩美とはどうなの?)」
「(え? いや。べ、別に何もないよ…)」
「(ふーん。2人、なんか旅行の間、全然話してないから)」
昨日、上杉先輩にも指摘されたが、確かにクリスマスイブの一件以来、気まずくてほとんど話をしていない。
しかし、イブのことを話すこともないだろうと思い誤魔化す。
「(本当に、何もないって)」
「(そうなの? てっきり、歩美が告白したけど、純也が振ったのかと)」
「(ええっ!?)」
エスパーかよ。
「(やっぱり、そうなんだ。歩美も純也のことが好きみたいだったから)」
「(なんで、わかるの?)」
「(見てればわかるじゃん。逆にわからなかったら、何でわからないの?って思うよ。この前、一緒に服を買いに行ったじゃん? あれ、純也に見せるために買ったみたいだし)」
クリスマスイブに着てた、あのスカート丈の短いやつか。
「(そうか…)」
「(で、なんで、振ったの?)」
「(い、いや…、別に彼女に対して恋愛感情がなかったから)」
「(ふーん…。なんか、純也って、お堅いよね)」
「(それが、当たり前じゃあ?)」
「(私が以前、付き合ってた男どもは、そうじゃあなかったから)」
「(そうなの?)」
うーん…? 僕がおかしいのか?
「(そうだよ)」
会話が途切れた。
これ以上、長話をしていると、小声といえども誰かに気付かれるかもしれないし、女子が横で寝てると落ち着いていられない。
丁度良いので、僕は話をそろそろ切り上げたいと思った。
「(雪乃、そろそろ自分の布団にもどったら?)」
「(えーっ、まだいいじゃん。純也も、私と一緒に居たいんじゃないの?)」
「(そんなことないよ…)」
まあ、みんなが居なかったら別にいいのだけど、今日のところはお引き取り願いたい。
「(純也、そんなこと言って…)」
雪乃は布団のなかで、ごそごそし始めた。
「(そんなこと言って…、ガチガチになってるけど? お堅いのはここだけにすればいいのに)」
「(さ、さ、さわるなよ!)」
女子が横に添い寝してて、平常心でいられるはずがない。
僕は慌てて、雪乃に背を向ける様に横向きになった。
「(いいから、自分の布団に戻りなよ)」
「(うん、戻るけど、もう少しだけ…)」
しょうがないなあ。
付き合ってても、別れても、変わりなく雪乃のグイグイくる感じには困惑しかないな。毛利さんとは大違いだ。
そんなことを思いつつ、目を閉じた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/light_novel.png?id=7e51c3283133586a6f12)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
如月さんは なびかない。~クラスで一番の美少女に、何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる