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悪夢の奴隷生活編

和歌山城(日本100名城 No.62)

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 河内長野駅から再び移動を開始する。
 まずは、南海電鉄で橋本駅(和歌山県)まで移動。橋本駅からはJRを使うので、青春18きっぷを利用。
 橋本駅から和歌山駅までは、1時間と少しの移動。
 電車の中では、女子4人は仲良く会話している。
 僕はスマホいじりをしながら、和歌山城の情報を読んでいた。

 和歌山駅に到着。そこからはバスに乗って数分で和歌山城。
 僕らは入場料410円を支払って、お城の中の展示などを見学する。

 和歌山城。
 1585年、羽柴秀吉が弟の秀長に命じた築城させたのが、和歌山城の始まりである。秀長の後は、家臣の桑山重晴が和歌山城代となった。
 1600年の関ヶ原の戦いの後、浅野幸長が和歌山城主となる。浅野氏によって連立式天守、本丸などを建てられ、城下町も整備した。
 1619年、徳川家康の10男の頼宣の入城以降、紀州徳川家と呼ばれる。後に8代将軍吉宗、14代将軍家茂を輩出。
 明治維新後も天守閣などは残されたが、太平洋戦争の和歌山大空襲で焼失する。
 戦後、1958年に天守などが再建された。鉄筋コンクリート製。

 天守閣のてっぺんからは、和歌山市街を望むことが出来る。良い景色。
 天守閣を降りて、近くの「わかやま歴史館 歴史展示室」も見学。さらに、お土産売り場も少しだけ見る。

 和歌山城を後に、バスで駅まで移動。少し早いが和歌山駅付近で夕飯を取る。
 皆で相談して、和歌山ラーメンを食べることになった。

 そして、食事を終え、和歌山駅から電車と地下鉄を使って1時間半と少しで旅館に戻ることになる。
 途中、なんば駅のコインロッカーで雪乃の荷物を取るのは忘れない。

 そこで、上杉先輩が話しかけて来た。
「ねえ、織田さんの荷物持ってあげなよ」

「え? ええ、そうですね」
 上杉先輩からの指令は聞かないといけない。

 というわけで、雪乃から彼女のボストンバッグを受け取って、それを肩から担ぐ。

「ありがとう」
 雪乃は礼を言う。

「カバン開けて、パンツ漁ったらだめだよ」
 上杉先輩が、また下らないことを言ってきた。

「漁りませんよ」

「純也、パンツ欲しいの?」
 雪乃が話に食いついてきた。

 ちょっと興味あるが…。さすがに変態だ。この場では否定する。
「欲しくない」

「欲しかったら、今度、1枚あげるけど」

「えっ…? いや、いらない」
 雪乃、何を言い出すんだ。

 などと、アホなことを話しつつ地下鉄で移動。
 旅館に到着した。
 部屋では雪乃も加わったので、女子トークがさらに姦しいことになっている。

 ちなみに、僕らが宿泊している旅館の和室は6人まで利用可能の広さ。
 なので、雪乃の参加で5人になっても、広さは、とりあえず楽勝だ。
 いつものことだが、布団は女子達とは少々距離を置いて敷かれる。

 女子トークがどうしても耳に入って来るので、少々居づらい。
 そういうわけで、僕は、大浴場(混浴ではない)で風呂に入った後は、旅館の入り口のソファで1人でしばらく休んでいる。

 ソファで、スポーツドリンクを飲みながらスマホをイジっていると、上杉先輩が突然やって来て、となりのソファに座った。

「ねえ、キミ」

「なんでしょう?」

「毛利ちゃんと何かあったの?」

「え? いえ、別に…。何でですか?」

「なんか、よそよそしいから。ケンカでもしたの?」

 上杉先輩、鋭いな。
 毛利さんとは、ケンカではない。
 クリスマスイブに彼女の告白を断ってから、どう接して良いか、ちょっとわからなくて、昨日からほとんど口を利いていない。
 多分、彼女も同様なのだろう、あちらから話しかけてくることもない。

 僕は、適当なことを言ってごまかしてみる。
「気のせいですよ。毛利さんは織田さんと話をするのが忙しいのでは? あの2人、最近、仲いいみたいですから」

「ふーん」
 上杉先輩は僕の答えに、少々、疑問を感じているようだった。
「まあ、仲良くしなよ」

 今日も疲れたので、そろそろ眠くなってきた。部屋に戻って布団に横になる。
 明日は、奈良県にある高取城に向かうことになっているが、こちらも山城らしく、徒歩が大変だと聞いている。
 ただ、その1つだけという事なので、少しゆっくりした出発となっていた。

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 和歌山城の情報
 http://wakayamajo.jp/index.html
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