193 / 441
逡巡する初冬編
球技大会の打ち合わせ
しおりを挟む
週末は、雪乃は演劇部と自分の用事があるとのことでデートもなく、歴史研のお城巡りもなく、久しぶりに自室でゴロゴロすることができた。
マンガ(エロも含む)を読んだり、ネットを見たり、将棋の本を読んだり、少しだけだが勉強もした。
やっぱり、自分の部屋でゆっくりするのが一番いいよな。
そして、週が明けて月曜日。
先週、雪乃にもらったネクタイピンをちゃんとして登校。
いつもの様に、雪乃とげた箱付近で出会うと、雪乃はそれに気付く。
「付けてくれてるのね」
「うん」
ハートが入っているのがちょっと恥ずかしいが、小さいし、だれも気付かないだろう。
その日の放課後、事前に連絡があって、生徒会に呼び出されていた。
月末に球技大会をやるので、その打ち合わせということだ。
今日は教室を使う。
各クラスのクラス委員が集められ、大会の準備の振り分けと当日の競技の内容が伝えられる。
生徒会は、伊達、松前、津軽、佐竹、織田、武田のフルメンバーの参加。
僕は一応、顔を出すだけで、何もしない。“居るだけ副会長”だからな。
伊達先輩は会議を主導してどんどん説明をしていく。
大会は毎年同じように開催しているから、その手順を踏襲すれば良いだけなので、伊達先輩には簡単な仕事だろう。
僕も安心して聞いているだけで居られる。
球技大会は、校庭の広さにも限度があるので、競技は限られる。
校庭でソフトボールとサッカー。体育館でバスケと卓球をやる。
話を聞くと、クラス対抗になるので、試合のない時は休んでいてもいいとのこと。競技をしている時間より、休んでいる時間のほうが長くなるとのことだった。
まあ、それのほうがいい。ずっと運動していると疲れるからな。
つつがなく会議は終わる。
後は各クラスのホームルームで、誰がどの競技に出るか決めて当日に臨むことになる。
生徒会役員共は生徒会室に戻る。
会議の資料をまとめて片づける。
それが終わって、皆が椅子に座って落ちついたところで、伊達先輩が話しかけてきた。
「武田君、卓球と言えば、あれから卓球部からのお誘いは無いの?」
「ええと…。学園祭の時に少し言われましたが、それっきりです。何で、僕を誘って来るのかは謎ですね」
「スジが良さそうって、島津先生や羽柴君が言ってるみたいね」
「いや、と言っても僕みたいなド素人を引き込んでも、部にプラスは無いのでは?」
勧誘はいい迷惑だからやめてほしいのだが。
「純也、卓球できるんだ?」
僕の隣に座っている雪乃が尋ねた。
「できると言っても、人並みぐらいだよ」
「球技大会では卓球を選ぶの?」
「うーん。どうしようかな」
ソフトボール、サッカー、バスケ、卓球の中で一番楽そうなのはなんだろう?
やっぱりあまり走り回ったりしない卓球なんだろうか?
ソフトボールも打順待ちがあったりして、楽かもしれないな。
うーむ。明日のホームルームの時までゆっくり考えるとしよう。
「雪乃は?」
「私はバスケかな」
「スポーツ得意なんだっけ?」
「まあまあ」
じゃあ、球技大会の当日は、雪乃がバスケやっている様子を拝見させてもらおうかな。
その後も生徒会役員共は下校時間まで雑談をして過ごした。
僕は、生徒会室のコルクボードに貼られている怪文書が気になったので、もう一度見てみることにした。
学園祭の時に届いたという謎の文章。
僕がなぜ気になっているかと言うと、報酬が1.57M(157万円?)というところだ。大金は欲しい。
◇◇◇
今年の雑司祭も上手くいった。
来年も上手くいくだろう。
来年は、
1.CROWNから奪う
2.F(人生、宇宙、すべての答え/3)に通う者への手紙を見ろ
もし、私を捕まえることができた者には報酬を与える。
報酬は1.57M。
Р
◇◇◇
怪文書で今のところ分かっているのは、「2」の部分。
『F(人生、宇宙、すべての答え/3)に通う者への手紙を見ろ』
は、
『F14に通う者への手紙を見ろ』
ということだけ。
僕が怪文書を見ていると、伊達先輩が話しかけてきた。
「これについて、何かわかったの?」
「いえ、全然」
「わかったら、教えてね」
伊達先輩はそう言うも、謎は全然解けそうにない。
生徒会役員共は生徒会室を後にした。
校門までの帰り道、雪乃が尋ねて来た。
「水曜日の放課後、空いてる?」
歴史研があるけど、まあ、行かなくてもよいかな。何もしてないし。
「空いてるけど」
と返事をする。
「そう。空けといて」
「いいけど。なんで?」
「いいから、いいから」
といって微笑んだ。
なんだろう?
まあ、いいか。
そして、僕は、雪乃や他の生徒会役員たちと別れ帰宅した。
マンガ(エロも含む)を読んだり、ネットを見たり、将棋の本を読んだり、少しだけだが勉強もした。
やっぱり、自分の部屋でゆっくりするのが一番いいよな。
そして、週が明けて月曜日。
先週、雪乃にもらったネクタイピンをちゃんとして登校。
いつもの様に、雪乃とげた箱付近で出会うと、雪乃はそれに気付く。
「付けてくれてるのね」
「うん」
ハートが入っているのがちょっと恥ずかしいが、小さいし、だれも気付かないだろう。
その日の放課後、事前に連絡があって、生徒会に呼び出されていた。
月末に球技大会をやるので、その打ち合わせということだ。
今日は教室を使う。
各クラスのクラス委員が集められ、大会の準備の振り分けと当日の競技の内容が伝えられる。
生徒会は、伊達、松前、津軽、佐竹、織田、武田のフルメンバーの参加。
僕は一応、顔を出すだけで、何もしない。“居るだけ副会長”だからな。
伊達先輩は会議を主導してどんどん説明をしていく。
大会は毎年同じように開催しているから、その手順を踏襲すれば良いだけなので、伊達先輩には簡単な仕事だろう。
僕も安心して聞いているだけで居られる。
球技大会は、校庭の広さにも限度があるので、競技は限られる。
校庭でソフトボールとサッカー。体育館でバスケと卓球をやる。
話を聞くと、クラス対抗になるので、試合のない時は休んでいてもいいとのこと。競技をしている時間より、休んでいる時間のほうが長くなるとのことだった。
まあ、それのほうがいい。ずっと運動していると疲れるからな。
つつがなく会議は終わる。
後は各クラスのホームルームで、誰がどの競技に出るか決めて当日に臨むことになる。
生徒会役員共は生徒会室に戻る。
会議の資料をまとめて片づける。
それが終わって、皆が椅子に座って落ちついたところで、伊達先輩が話しかけてきた。
「武田君、卓球と言えば、あれから卓球部からのお誘いは無いの?」
「ええと…。学園祭の時に少し言われましたが、それっきりです。何で、僕を誘って来るのかは謎ですね」
「スジが良さそうって、島津先生や羽柴君が言ってるみたいね」
「いや、と言っても僕みたいなド素人を引き込んでも、部にプラスは無いのでは?」
勧誘はいい迷惑だからやめてほしいのだが。
「純也、卓球できるんだ?」
僕の隣に座っている雪乃が尋ねた。
「できると言っても、人並みぐらいだよ」
「球技大会では卓球を選ぶの?」
「うーん。どうしようかな」
ソフトボール、サッカー、バスケ、卓球の中で一番楽そうなのはなんだろう?
やっぱりあまり走り回ったりしない卓球なんだろうか?
ソフトボールも打順待ちがあったりして、楽かもしれないな。
うーむ。明日のホームルームの時までゆっくり考えるとしよう。
「雪乃は?」
「私はバスケかな」
「スポーツ得意なんだっけ?」
「まあまあ」
じゃあ、球技大会の当日は、雪乃がバスケやっている様子を拝見させてもらおうかな。
その後も生徒会役員共は下校時間まで雑談をして過ごした。
僕は、生徒会室のコルクボードに貼られている怪文書が気になったので、もう一度見てみることにした。
学園祭の時に届いたという謎の文章。
僕がなぜ気になっているかと言うと、報酬が1.57M(157万円?)というところだ。大金は欲しい。
◇◇◇
今年の雑司祭も上手くいった。
来年も上手くいくだろう。
来年は、
1.CROWNから奪う
2.F(人生、宇宙、すべての答え/3)に通う者への手紙を見ろ
もし、私を捕まえることができた者には報酬を与える。
報酬は1.57M。
Р
◇◇◇
怪文書で今のところ分かっているのは、「2」の部分。
『F(人生、宇宙、すべての答え/3)に通う者への手紙を見ろ』
は、
『F14に通う者への手紙を見ろ』
ということだけ。
僕が怪文書を見ていると、伊達先輩が話しかけてきた。
「これについて、何かわかったの?」
「いえ、全然」
「わかったら、教えてね」
伊達先輩はそう言うも、謎は全然解けそうにない。
生徒会役員共は生徒会室を後にした。
校門までの帰り道、雪乃が尋ねて来た。
「水曜日の放課後、空いてる?」
歴史研があるけど、まあ、行かなくてもよいかな。何もしてないし。
「空いてるけど」
と返事をする。
「そう。空けといて」
「いいけど。なんで?」
「いいから、いいから」
といって微笑んだ。
なんだろう?
まあ、いいか。
そして、僕は、雪乃や他の生徒会役員たちと別れ帰宅した。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり

男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる