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眩暈する秋涼編
小梁川さんと図書室で…~その1
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次の日。
僕と織田さんの噂は相変わらず流れている。
織田さんの陽キャの仲間の間では、織田さん自身の説明で噂が嘘だということで鎮火すればいいだろう。
しかし、彼女とつながりのない人やグループなどでは、それは無理。
なので、僕らに向けてのヒソヒソ話が花盛りだ。
まあ、僕は今回の噂はどうでもいいと思っているから、“エロマンガ伯爵”の時と比べると、ほぼノーダメージだ。
あっという間に放課後。
火曜日なので、毛利さんは図書委員で図書室、伊達先輩は生徒会室に居る。
部室で上杉先輩と2人きりになるのを避けるため、この日も図書室で勉強でもすることにした。
図書室は相変わらず空いている。
しばらく勉強していると、前髪に赤いヘヤピンの眼鏡女子=新聞部の小梁川さんが近くに居るのを見つけた。
おそらく、記事のための資料を探しているのだろう。
僕は、聞きたいことがあったので彼女に近くまで歩み寄って、声を掛けた。
「小梁川さん」
「あら、武田君、こんにちは。今日も勉強?」
「そうだよ。ところで、ツイッターについてなんだけど…」
「武田君と織田さんの噂の事?」
「いや、それじゃない」
「え? そうなの?」
小梁川さんは、僕が、織田さんとの噂を流している新聞部のツイートに文句でも言うと思ったのだろう。
しかし、その予想が外れて驚いているようだった。
今回の僕らの噂については、あまり気にしていない。
“エロマンガ伯爵”の時の一件では、少しムカついてるけど。
「ツイッターの運用について、アドバイスが欲しいんだ」
僕は、東池女子校の生徒会長である宇喜多さんから、『SNSの運用について教えてほしい』と頼まれていたので、それに応えたいと思っていた。
なにせ、宇喜多さんとも、もっとお近づきになりたいという下心もある。
「例えば?」
「情報を上手く拡散する方法とか、バズらせる方法とか、そういうの」
「あのアカウントは、今は片倉部長の個人のものだから、部長に聞いてみたら?」
「そうか……、小梁川さんは、そういうことは知らないの?」
僕は片倉部長が少々苦手、というかムカついているので、まだ、苦手かどうかわからない関係性の小梁川さんにお願いしたいと考えた。
「ちょっとはわかるよ」
「じゃあ、小梁川さんに教えてほしいんだ」
「良いけど、今日は無理かな」
「いつがいい?」
「明日は?」
「いいよ、明日ね」
「じゃあ、放課後、新聞部の部室に来てよ」
部室だと、片倉部長がいるからなあ…
「いや。図書室では、どう?」
「どうして?」
ここは正直に話す。
「片倉部長が苦手なんだよ」
「そうなの?」
そう言って小梁川さんはクスっと笑った。
「本人に言わないで」
「わかったわよ。でも、明日も時間はあまりとれないよ」
「それでも、いいよ。ありがとう」
約束を決めると僕は机にもどって、勉強を再開する。
下校時間になって、勉強道具を片付ける。
図書室で受付をやっていた、今日は図書委員の毛利さんが近づいてきた。
「さっき、小梁川さんと話してたね」
「ちょっと頼みたいことがあってね」
「そう」
「一緒に帰る? 校門までだけど」
「うん。少し待って」
僕は、毛利さんが後片付けを済ませるのを待って、僕らは一緒に図書室を後にした。
僕と織田さんの噂は相変わらず流れている。
織田さんの陽キャの仲間の間では、織田さん自身の説明で噂が嘘だということで鎮火すればいいだろう。
しかし、彼女とつながりのない人やグループなどでは、それは無理。
なので、僕らに向けてのヒソヒソ話が花盛りだ。
まあ、僕は今回の噂はどうでもいいと思っているから、“エロマンガ伯爵”の時と比べると、ほぼノーダメージだ。
あっという間に放課後。
火曜日なので、毛利さんは図書委員で図書室、伊達先輩は生徒会室に居る。
部室で上杉先輩と2人きりになるのを避けるため、この日も図書室で勉強でもすることにした。
図書室は相変わらず空いている。
しばらく勉強していると、前髪に赤いヘヤピンの眼鏡女子=新聞部の小梁川さんが近くに居るのを見つけた。
おそらく、記事のための資料を探しているのだろう。
僕は、聞きたいことがあったので彼女に近くまで歩み寄って、声を掛けた。
「小梁川さん」
「あら、武田君、こんにちは。今日も勉強?」
「そうだよ。ところで、ツイッターについてなんだけど…」
「武田君と織田さんの噂の事?」
「いや、それじゃない」
「え? そうなの?」
小梁川さんは、僕が、織田さんとの噂を流している新聞部のツイートに文句でも言うと思ったのだろう。
しかし、その予想が外れて驚いているようだった。
今回の僕らの噂については、あまり気にしていない。
“エロマンガ伯爵”の時の一件では、少しムカついてるけど。
「ツイッターの運用について、アドバイスが欲しいんだ」
僕は、東池女子校の生徒会長である宇喜多さんから、『SNSの運用について教えてほしい』と頼まれていたので、それに応えたいと思っていた。
なにせ、宇喜多さんとも、もっとお近づきになりたいという下心もある。
「例えば?」
「情報を上手く拡散する方法とか、バズらせる方法とか、そういうの」
「あのアカウントは、今は片倉部長の個人のものだから、部長に聞いてみたら?」
「そうか……、小梁川さんは、そういうことは知らないの?」
僕は片倉部長が少々苦手、というかムカついているので、まだ、苦手かどうかわからない関係性の小梁川さんにお願いしたいと考えた。
「ちょっとはわかるよ」
「じゃあ、小梁川さんに教えてほしいんだ」
「良いけど、今日は無理かな」
「いつがいい?」
「明日は?」
「いいよ、明日ね」
「じゃあ、放課後、新聞部の部室に来てよ」
部室だと、片倉部長がいるからなあ…
「いや。図書室では、どう?」
「どうして?」
ここは正直に話す。
「片倉部長が苦手なんだよ」
「そうなの?」
そう言って小梁川さんはクスっと笑った。
「本人に言わないで」
「わかったわよ。でも、明日も時間はあまりとれないよ」
「それでも、いいよ。ありがとう」
約束を決めると僕は机にもどって、勉強を再開する。
下校時間になって、勉強道具を片付ける。
図書室で受付をやっていた、今日は図書委員の毛利さんが近づいてきた。
「さっき、小梁川さんと話してたね」
「ちょっと頼みたいことがあってね」
「そう」
「一緒に帰る? 校門までだけど」
「うん。少し待って」
僕は、毛利さんが後片付けを済ませるのを待って、僕らは一緒に図書室を後にした。
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