雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

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眩暈する秋涼編

山形城(日本100名城 No.10)

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 仙台~山形は仙山線快速に乗って、乗り換えなしで約1時間15分。
 ここまで、スムーズに移動できているので、まだ午後の1時過ぎだ。

 山形城の前に駅と直結している霞城セントラルというビルがあって、そこに展望室があるというので登ってみることにした。
 24階の展望室からは山形市街が一望できた。なかなかいい景色。

 そこで上杉先輩が、また絡んできた。
「ねえねえ、吊り橋効果ってあるじゃん?」

「ええと…。吊り橋とか高いところで恐怖を感じた時、一緒に居る人を好きなる、ってやつでしたっけ?」

「そうそう。それを狙って、イケメンをゲットしようと思っているんだけど、そもそも、高いところまで一緒に行ってくれるイケメンがいなくて詰んでるのよ」

「そうですか」
 無駄な会話だった。

 そう言えば、歴史研の城巡りで三島で吊り橋に行ったよな。確か“三島スカイウォーク”だったか。
 そもそも歴史研の面子は高いところが苦手な人がいないようだから、そういった効果も起こりそうもない。

「高いところだけじゃなくて遊園地のジェットコースターとか、お化け屋敷でも同じ効果があるそうよ」
 伊達先輩が割り込んで来た。

 ジェットコースターとか、お化け屋敷とか、そもそも行かないな…。
 待てよ、学園祭で毛利さんと一緒にお化け屋敷に入ったな。僕は、特に感情は動かなかったが…。毛利さんはどうだったんだろう、と考えてしまった。
 あの時、毛利さん、僕の手を握っていたよな。しかも、恋人つなぎ。
 しかし、毛利さんは伊達先輩と、よろしくやってるだろうから、あれは、たまたまだったのかもしれん。

 そんなこんなで、展望室を後にする。
 地上に降りて、山形城までは徒歩10分ほど。
 山形城のあった一帯は現在は、霞城公園と呼ばれている。

 山形城は1357年に斯波兼頼によって築城される。その後、その子孫は最上氏を名乗る。山形藩初代藩主となった最上義光によって城下町も整備されたという。
 最上義光の妹が伊達家に嫁ぎ政宗を生んだので縁戚関係にあったそうだ。

 僕らは、お堀の内側にある土塁の上の通路に沿って移動して二ノ丸東大手門櫓まで。

 東大手門櫓は復元されたもので、櫓の中には山形城についての展示があって見学する。
 櫓の近くには最上義光の銅像なんかもある。

 小梁川さんは、ここでも熱心に東大手門、櫓、銅像を写真撮影していた。

 そんなこんなで、1時間半ほどの滞在で再び山形駅からJRで移動。
 やっぱり今回も忙しない。
 この後は、山形~米沢~坂町~新潟と乗り換えて移動する。(※注)
 4時間ほどかかった。

 新潟では駅チカの安いホテルに宿泊して、明日に備えて早めに就寝する。
 やっぱり1日にお城3つ回るのはキツイなあ。

(※注)
 大雨災害の影響で今泉~坂町間は代行輸送を行っています(2022年8月31日現在)

 ===============================
 山形城の情報
 https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kakuka/machizukuri/koen/sogo/yamagatajo/
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