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混沌の学園祭編
出し物見学
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執事をやるまでの時間潰し。
特に見たい出し物があったわけでない。それに、あまりうろうろするもの疲れるので、自分が参加する“占いメイドカフェ”の近くの教室でやっているものを見ようと思った。
というわけで、占いメイドカフェの教室のある2階の出し物を少しめぐることにした。
一番奥には、お化け屋敷があった。ホラーは苦手なのでスルーした。
その隣には、将棋部の“HISHA Cafe”があった。
コーヒーなどを飲みながら将棋が指せるようだ。
今日は空いているようだが、扉にあった張り紙によると、明日、プロ棋士がゲストで来るらしい。
まあ、僕は将棋の小学校の時、親と少しやったぐらいなので今日のところはスルー。
その隣は、マンガ研究部の出展。
部員が描いたと思われる萌絵が、扉や壁に何枚も張られていた。
同人マンガを買って行こうと思い入る。結構、お客さんが居て混雑している。
漫研の部員に気付かれたようだ。
「エロ伯爵だ」
と、ヒソヒソ声がする。有名人も大変だな。
机の上に並べられている同人マンガを物色していると、部員が話しかけてきた。
「エロは無いよ」
学校の学園祭だから、さすがにエロの販売は無いだろう。その辺はハナから期待していない。
「でも…」部員は続ける。「この作品はギリギリを追及したので、楽しめると思うよ」
と、ある作品を指さした。
僕は迷わず、それを購入した。500円。
階段をはさんで、我らが“占いメイドカフェ”。
一応、中の様子を見ると、結構混んでいるようだ。廊下に待ちの行列が少しできていた。すごいな。
さらにその隣、鉄道研究部の展示があった。
中を覗くと、教室の真ん中で鉄道模型を走らせていた。
壁一面には列車の写真とその説明文。あとは、部として訪問したのであろう旅先の写真なども掲載してあった。
「やあ、エロ伯爵さん」
展示を見ていると、また部員に声を掛けられた。
しかし、誰も名前で呼んでくれないな。
「どうも…」
「鉄道に興味あるのかい?」
「えーと、部で旅に出ることが多いので、少し…」
本当はあまり興味ない。
「ああ、そう言えば、君は歴史研だったね」
「なんか、歴史研の旅のルートを作ったのは鉄道研と聞いたことがあります」
何か月か前に伊達先輩が、そう言っていたのを覚えていた。
「うん。昔、アドバイスしたようだね」
「最近は?」
「最近は交流はないなあ…」
「そうですか」
「機会があったら、仲良くしたいね」
「部長にそう言っておきますよ」
そして、200円の旅行記みたいなのを買って、鉄道研の教室を出た。
その隣には、言語研究部の“インターナショナル・カフェ”があった。
言語研究部は、元々、英語研究部やハングル研究部など、いくつかの語学系の部に別れていたが、生徒の減少と共に部員も減って来たので、それらが統合されて出来たと学園祭パンフレットで紹介されていた。
なので、言語研では、英語、韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語、ロシア語をやっているメンバーが集まって、雑多な感じとなっている。
やはり人気は英語、韓国語のようで、それをやっている部員が多く、他の言語は1~数人ほどらしい。
扉に貼ってあるメニューを見ると、それぞれ国の軽食やスイーツなども出て多国籍な感じ。
そろそろ、時間なので“インターナショナル・カフェ”には入らず、執事の衣装に着替えるため男子トイレに向かう。
特に見たい出し物があったわけでない。それに、あまりうろうろするもの疲れるので、自分が参加する“占いメイドカフェ”の近くの教室でやっているものを見ようと思った。
というわけで、占いメイドカフェの教室のある2階の出し物を少しめぐることにした。
一番奥には、お化け屋敷があった。ホラーは苦手なのでスルーした。
その隣には、将棋部の“HISHA Cafe”があった。
コーヒーなどを飲みながら将棋が指せるようだ。
今日は空いているようだが、扉にあった張り紙によると、明日、プロ棋士がゲストで来るらしい。
まあ、僕は将棋の小学校の時、親と少しやったぐらいなので今日のところはスルー。
その隣は、マンガ研究部の出展。
部員が描いたと思われる萌絵が、扉や壁に何枚も張られていた。
同人マンガを買って行こうと思い入る。結構、お客さんが居て混雑している。
漫研の部員に気付かれたようだ。
「エロ伯爵だ」
と、ヒソヒソ声がする。有名人も大変だな。
机の上に並べられている同人マンガを物色していると、部員が話しかけてきた。
「エロは無いよ」
学校の学園祭だから、さすがにエロの販売は無いだろう。その辺はハナから期待していない。
「でも…」部員は続ける。「この作品はギリギリを追及したので、楽しめると思うよ」
と、ある作品を指さした。
僕は迷わず、それを購入した。500円。
階段をはさんで、我らが“占いメイドカフェ”。
一応、中の様子を見ると、結構混んでいるようだ。廊下に待ちの行列が少しできていた。すごいな。
さらにその隣、鉄道研究部の展示があった。
中を覗くと、教室の真ん中で鉄道模型を走らせていた。
壁一面には列車の写真とその説明文。あとは、部として訪問したのであろう旅先の写真なども掲載してあった。
「やあ、エロ伯爵さん」
展示を見ていると、また部員に声を掛けられた。
しかし、誰も名前で呼んでくれないな。
「どうも…」
「鉄道に興味あるのかい?」
「えーと、部で旅に出ることが多いので、少し…」
本当はあまり興味ない。
「ああ、そう言えば、君は歴史研だったね」
「なんか、歴史研の旅のルートを作ったのは鉄道研と聞いたことがあります」
何か月か前に伊達先輩が、そう言っていたのを覚えていた。
「うん。昔、アドバイスしたようだね」
「最近は?」
「最近は交流はないなあ…」
「そうですか」
「機会があったら、仲良くしたいね」
「部長にそう言っておきますよ」
そして、200円の旅行記みたいなのを買って、鉄道研の教室を出た。
その隣には、言語研究部の“インターナショナル・カフェ”があった。
言語研究部は、元々、英語研究部やハングル研究部など、いくつかの語学系の部に別れていたが、生徒の減少と共に部員も減って来たので、それらが統合されて出来たと学園祭パンフレットで紹介されていた。
なので、言語研では、英語、韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語、ロシア語をやっているメンバーが集まって、雑多な感じとなっている。
やはり人気は英語、韓国語のようで、それをやっている部員が多く、他の言語は1~数人ほどらしい。
扉に貼ってあるメニューを見ると、それぞれ国の軽食やスイーツなども出て多国籍な感じ。
そろそろ、時間なので“インターナショナル・カフェ”には入らず、執事の衣装に着替えるため男子トイレに向かう。
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