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波乱の夏休み編
小指
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僕らはナンジャタウンを後にした。
そして、ナンジャタウン内で食べた餃子だけでは小腹が空いたので、地下のマックでハンバーガーを食べた。
マックで少しまったりしていると、毛利さんが静かなところに行きたいと言い出した。
さて、この辺ではどこが静かかな…。
サンシャインシティの屋上にあるサンシャイン広場に行ってみようということで再びエスカレーターで登る。
サンシャイン広場は建物の屋上、ベンチが幾つかあって、意外にもあまり人が来ないところ。
時間は夕方6時半近く、日没近い夕暮れ時、空はオレンジ色だった。
そして、もうすぐ、9月ということもあってか、この時間になると少し涼しく感じられた。
僕と毛利さんとベンチに並んで座った。
話の内容は、いつしか進路の話になった。
本好きの彼女は図書館司書になりたいと言う。その資格を取るための大学の学部に進みたいとのことだ。
僕は…、特にやりたいことも無いな。一応、大学進学は漠然と考えているのだが。
「進学はしようと思っているよ。でも、文系理系の選択もまだ決めてない」
「2学期に入るとすぐに、進路希望を聞かれるみたいね」
「それは…、困ったな」
僕は思わず苦笑する。
「でも…、大学も一緒のところに行けるといいな」
「え? 僕と?」
「うん」
そう言って毛利さんは微笑んだ。
どういうことだ?
僕は困惑したが、それがばれないように目線を前に向けた。
しばらく沈黙。
そして、ベンチの座面に手を置いていたのだが、不意に毛利さんが僕の小指に彼女の小指を絡めてきた。
これは…?
え? え?
どういうこと?
僕は、心の中でつぶやく。
毛利さんは、ひょっとして僕のことが好きなのか?
いや、思い当たるフシは、いくつもあるのだが。
でも、もしそうなら、僕のどこが気に入ったんだろう?
しかも今日のこれ、どう考えても、“デート”だよな。
もし、毛利さんと付き合うことになったらどうなる?
最近の彼女は、笑顔が多くて、可愛いと思う。柔らかい性格で、一緒にいて落ち着くところもある。
しかし、少し前に僕には理由もわからず、不機嫌になっていた時期があって、ああいうのがあると、ちょっとどうしていいものか、わからなくなって困る。
待て、待て、毛利さんに告白もされてないし、たまたま小指が触れているだけかもしれん、勝手な妄想の先走りは禁物だ。
僕は一旦、脳内をリセットした
さらに沈黙が続く。
このまま黙っているのもつらくなってきたので、思い切って口を開いた。
「そろそろ、帰ろうか」
「うん」
毛利さんは静かに返事をする。
僕らは立ち上がり、歩いて東池袋駅へ向かう。
そして、そこで別れた。
「じゃあ、学校で」
次に彼女に会えるのは、すぐ明日の新学期だ。
僕は夕暮れの涼しい秋風を受けながら雑司ヶ谷の自宅へ向かって歩いた。
≪雑司ヶ谷高校 歴史研究部!! 波乱の夏休み編 完≫
そして、ナンジャタウン内で食べた餃子だけでは小腹が空いたので、地下のマックでハンバーガーを食べた。
マックで少しまったりしていると、毛利さんが静かなところに行きたいと言い出した。
さて、この辺ではどこが静かかな…。
サンシャインシティの屋上にあるサンシャイン広場に行ってみようということで再びエスカレーターで登る。
サンシャイン広場は建物の屋上、ベンチが幾つかあって、意外にもあまり人が来ないところ。
時間は夕方6時半近く、日没近い夕暮れ時、空はオレンジ色だった。
そして、もうすぐ、9月ということもあってか、この時間になると少し涼しく感じられた。
僕と毛利さんとベンチに並んで座った。
話の内容は、いつしか進路の話になった。
本好きの彼女は図書館司書になりたいと言う。その資格を取るための大学の学部に進みたいとのことだ。
僕は…、特にやりたいことも無いな。一応、大学進学は漠然と考えているのだが。
「進学はしようと思っているよ。でも、文系理系の選択もまだ決めてない」
「2学期に入るとすぐに、進路希望を聞かれるみたいね」
「それは…、困ったな」
僕は思わず苦笑する。
「でも…、大学も一緒のところに行けるといいな」
「え? 僕と?」
「うん」
そう言って毛利さんは微笑んだ。
どういうことだ?
僕は困惑したが、それがばれないように目線を前に向けた。
しばらく沈黙。
そして、ベンチの座面に手を置いていたのだが、不意に毛利さんが僕の小指に彼女の小指を絡めてきた。
これは…?
え? え?
どういうこと?
僕は、心の中でつぶやく。
毛利さんは、ひょっとして僕のことが好きなのか?
いや、思い当たるフシは、いくつもあるのだが。
でも、もしそうなら、僕のどこが気に入ったんだろう?
しかも今日のこれ、どう考えても、“デート”だよな。
もし、毛利さんと付き合うことになったらどうなる?
最近の彼女は、笑顔が多くて、可愛いと思う。柔らかい性格で、一緒にいて落ち着くところもある。
しかし、少し前に僕には理由もわからず、不機嫌になっていた時期があって、ああいうのがあると、ちょっとどうしていいものか、わからなくなって困る。
待て、待て、毛利さんに告白もされてないし、たまたま小指が触れているだけかもしれん、勝手な妄想の先走りは禁物だ。
僕は一旦、脳内をリセットした
さらに沈黙が続く。
このまま黙っているのもつらくなってきたので、思い切って口を開いた。
「そろそろ、帰ろうか」
「うん」
毛利さんは静かに返事をする。
僕らは立ち上がり、歩いて東池袋駅へ向かう。
そして、そこで別れた。
「じゃあ、学校で」
次に彼女に会えるのは、すぐ明日の新学期だ。
僕は夕暮れの涼しい秋風を受けながら雑司ヶ谷の自宅へ向かって歩いた。
≪雑司ヶ谷高校 歴史研究部!! 波乱の夏休み編 完≫
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