雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

文字の大きさ
上 下
63 / 433
波乱の夏休み編

新聞部部長

しおりを挟む
 結局、歴史研一行は海でさんざん遊んだ。
 しかし、泳ぐのは疲れるな。

 陽も暮れる頃、旅館に到着したが皆、畳の上でぐったりとしている。
 今回は旅館で、先生含め5人で和室となっている。

 海に来たことで知ったのは、歴史研の女子達は、泳げないというわけではないが、さほど上手くないということだ。他の運動もさほど得意ではないらしい。

 伊達先輩も、そうだったので少し安心した。
 生徒会長で、勉強ができて、スポーツもできる完璧女子だとしたら、一体どこのマンガのキャラだよ、と言うことだ。現実はマンガのようにはいかないのだ。

 僕は、すごく出来るわけではないが、泳げるし、体育の授業でやるような種目であれば平均ぐらいはできる。ちょっと優越感を感じた。

 少し休んでから夕食を取ることになった。
 食事は旅館のを食べることにしてあり、皆、食堂に移動した。

 席について、ご飯を食べ始めた時、だれが近くから声を掛けて来た。

「あれ? 伊達さんじゃないか?」

 歴史研一行がそちらの方を向くと、ちょっと小太りで良く日焼けしている若い男が立っていた。

「あら、片倉君。どうしてここに?」
 伊達さんが返事をする。

「部の合宿で来たんだよ」

「それは偶然ね、私たちも合宿なのよ」

 なんか伊達先輩と親しそうだ。
 誰だ? と疑問に思っていると、伊達先輩が紹介してくれた。

「彼は新聞部部長の片倉君よ。生徒会長選挙の時は色々協力してくれたのよ」

「協力?」
 僕は繰り返した。

「そう。私が当選するように、それとなく私の良いところを学校新聞に書いてくれたり」

 それ、ダメでしょ。

「あとは、噂を流したりね」
 片倉という男子が話を続ける。

「噂?」

「エロマンガ伯爵の噂を流すのを協力したんだ」

 あんたも共犯かよ。

「メディアの協力を得ることは選挙で勝つには必須ね。彼は個人のツイッターでも面白いことをつぶやいているから、校内で評判なのよ。そちらでも協力してもらったし」
 伊達先輩が解説する。

 そうですか。
 生徒会長選挙のことは、もう思い出したくない話なので、聞こえないふりをする。

 片倉先輩は伊達先輩と、もう少し話しをして食堂の別のテーブルに戻って行った。そこには、おそらく新聞部員であろう7~8名の男女が談笑していた。

 僕らも夕食を食べる。そして、食べ終えると、部屋に戻った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【声劇台本】恋愛実況中継

茶屋
ライト文芸
街角で見かける男女の恋愛を実況と解説でお送りする。 実況が花形となる台本になっていると思います。 是非、使っていただけたら嬉しいです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

如月さんは なびかない。~クラスで一番の美少女に、何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

処理中です...