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生徒会長選挙編
都立雑司ヶ谷高校生徒会執行部
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金曜日。今日は、生徒会長選挙の結果が分かる。
結果は、昼休みに校舎入り口の掲示板に掲載されるという。
なんか、ドキドキするな。自分の選挙じゃあないのに。
僕は応援演説をやった。しかし、エロマンガの一件もあるし、落選したら若干の責任を感じる。
伊達先輩はここ数日の様子からして、ちょっと余裕があるっぽいが。
そして、昼休み。弁当を食べるのを後回しにして、悠斗と毛利さんと三人で連れ立って、掲示板まで選挙結果を見に行く。
掲示板の前は、人だかりができていた。皆、選挙結果が気になる人たちだろう。
その人だかりに隙間から、何とか掲示板に貼られている、選挙結果を覗き込む。
当選 伊達恵梨香
とあった!
「「「おおっ!」」」
僕ら三人は同時に声を上げた。
よかった。僕は安堵のため息をついた。何か、肩の荷が下りたような気がした。
選挙結果の張り紙をさらに見ると、得票数も書いてあった。
伊達先輩は7割近い得票だった。圧勝だ。
「すごいな」
僕は思わず、つぶやいた。
ともかくエロマンガの一件が悪影響を及ぼさなかったようだから、今日は心の底から喜べる。
選挙結果を見終わった、僕、悠斗、毛利さんは教室に戻り、一緒に弁当を食べることにした。
僕と悠斗は以前から良く一緒に弁当を食べていたが、ここ数日から毛利さんも加わるようになった。
僕らは、今回の選挙結果と今後の伊達先輩の生徒会の運営について予想したりした。
「そう言えば、伊達先輩の公約で『部費を増やす』ってあったよね」
悠斗が尋ねてきた。
「あったね」
「どれぐらい増えるんだろう? 何か聞いてないかい?」
「いや、細かい金額とかは聞いてないな。まあ、学校側との交渉もあるだろうし、そんな大幅には増えないんじゃないかな?」
「そこは伊達先輩が強権を発動して、無理やり学校からもぎ取るとか」
悠斗はちょっと笑いながら言う。
「さすがにそれは無理だろ」
「いや、よくマンガであるじゃん、強権を持っている生徒会。でもって、伊達独裁政権の誕生」
悠斗が面白がって言う。
「独裁政権って、何だよ?」
僕は、悠斗のアホみたいな発言に、あきれて言った。
「そんな、マンガみたいなことある訳ないだろ」
毛利さんも失笑している。
悠斗は目線を少し天井の方に向けてつぶやくように言う。
「そうだよなあ」
「伊達先輩はそんな感じの人じゃあないから、多分、独裁なんかにはならないよ。それに校則を厳しくするって言っていたのは北条先輩の方だし」
「そうか。北条先輩が当選していたら、マンガみたいになったのか?」
「どうだろうね」
僕はいい加減あきれてきた。なぜ、マンガ展開にしたがる?
「それに、万一、独裁政権みたいになって、校則が厳しくなったら僕らが困るじゃん?」
「まあ、そうだね」
「でも、伊達先輩がどういう生徒会運営をしていくか、ちょっと楽しみだわ」
毛利さんが口をはさんだ。
「確かに」
僕は弁当のおかずの唐揚げを頬張りながら答えた。
しかし、そうはいっても生徒会の運営がどうなるとか、正直、興味なかった。優等生の伊達先輩のことだから、優等生的な無難な運営になるんじゃないだろうか。
「そういえば、伊達先輩、生徒会の仕事があるから、もう部室には来ないのかしら?」
毛利さんが再び口をはさむ。
「どうだろう? 放課後、部室に寄って聞いてみよう」
「私、今日は図書委員でいけないから、武田君、聞いておいて」
「いいよ」
ほどなくして、僕らは弁当を食べ終わり、昼休みも終了となった。
結果は、昼休みに校舎入り口の掲示板に掲載されるという。
なんか、ドキドキするな。自分の選挙じゃあないのに。
僕は応援演説をやった。しかし、エロマンガの一件もあるし、落選したら若干の責任を感じる。
伊達先輩はここ数日の様子からして、ちょっと余裕があるっぽいが。
そして、昼休み。弁当を食べるのを後回しにして、悠斗と毛利さんと三人で連れ立って、掲示板まで選挙結果を見に行く。
掲示板の前は、人だかりができていた。皆、選挙結果が気になる人たちだろう。
その人だかりに隙間から、何とか掲示板に貼られている、選挙結果を覗き込む。
当選 伊達恵梨香
とあった!
「「「おおっ!」」」
僕ら三人は同時に声を上げた。
よかった。僕は安堵のため息をついた。何か、肩の荷が下りたような気がした。
選挙結果の張り紙をさらに見ると、得票数も書いてあった。
伊達先輩は7割近い得票だった。圧勝だ。
「すごいな」
僕は思わず、つぶやいた。
ともかくエロマンガの一件が悪影響を及ぼさなかったようだから、今日は心の底から喜べる。
選挙結果を見終わった、僕、悠斗、毛利さんは教室に戻り、一緒に弁当を食べることにした。
僕と悠斗は以前から良く一緒に弁当を食べていたが、ここ数日から毛利さんも加わるようになった。
僕らは、今回の選挙結果と今後の伊達先輩の生徒会の運営について予想したりした。
「そう言えば、伊達先輩の公約で『部費を増やす』ってあったよね」
悠斗が尋ねてきた。
「あったね」
「どれぐらい増えるんだろう? 何か聞いてないかい?」
「いや、細かい金額とかは聞いてないな。まあ、学校側との交渉もあるだろうし、そんな大幅には増えないんじゃないかな?」
「そこは伊達先輩が強権を発動して、無理やり学校からもぎ取るとか」
悠斗はちょっと笑いながら言う。
「さすがにそれは無理だろ」
「いや、よくマンガであるじゃん、強権を持っている生徒会。でもって、伊達独裁政権の誕生」
悠斗が面白がって言う。
「独裁政権って、何だよ?」
僕は、悠斗のアホみたいな発言に、あきれて言った。
「そんな、マンガみたいなことある訳ないだろ」
毛利さんも失笑している。
悠斗は目線を少し天井の方に向けてつぶやくように言う。
「そうだよなあ」
「伊達先輩はそんな感じの人じゃあないから、多分、独裁なんかにはならないよ。それに校則を厳しくするって言っていたのは北条先輩の方だし」
「そうか。北条先輩が当選していたら、マンガみたいになったのか?」
「どうだろうね」
僕はいい加減あきれてきた。なぜ、マンガ展開にしたがる?
「それに、万一、独裁政権みたいになって、校則が厳しくなったら僕らが困るじゃん?」
「まあ、そうだね」
「でも、伊達先輩がどういう生徒会運営をしていくか、ちょっと楽しみだわ」
毛利さんが口をはさんだ。
「確かに」
僕は弁当のおかずの唐揚げを頬張りながら答えた。
しかし、そうはいっても生徒会の運営がどうなるとか、正直、興味なかった。優等生の伊達先輩のことだから、優等生的な無難な運営になるんじゃないだろうか。
「そういえば、伊達先輩、生徒会の仕事があるから、もう部室には来ないのかしら?」
毛利さんが再び口をはさむ。
「どうだろう? 放課後、部室に寄って聞いてみよう」
「私、今日は図書委員でいけないから、武田君、聞いておいて」
「いいよ」
ほどなくして、僕らは弁当を食べ終わり、昼休みも終了となった。
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