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グロースアーテッヒ川の戦い
第11話・共和国軍壊滅
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大陸歴1655年3月5日・正午過ぎ
一旦、後ろに引いていたキーシンの部隊が再び動き出した。
戦場の中央で最後まで戦っていた総司令官ウォルフガング・エッケナー率いる共和国軍は、東側からソローキン、中央からスミルノワ、西側からキーシンの旅団に三方から攻撃される形になった。
後のないエッケナーの兵士達は死に物狂いで戦い、激しく抵抗した。しかし、最終的には数に勝る帝国軍によって壊滅させられ、エッケナー自身も打ち取られた。
開戦から約六時間、ここに共和国軍と帝国軍による最終決戦が終結した。
帝国軍ソローキンの旅団は、早朝からの休みない戦いで、かなり多くの犠牲者を出していた。
キーシンの旅団は一旦、後ろに引いていたが、やはり早朝から戦っていたため、ソローキンの旅団の次に犠牲者が多かった。
スミルノワの部隊は後から参戦したが、エッケナーの最後の抵抗で、多くの犠牲者を出していた。
イェブツシェンコの旅団は、メルテンスの旅団を一方的に攻撃し、被害は少ない。
ルツコイの旅団では、わずかに重装騎士団が打ち取られたが、旅団全体で見れば一般兵を動かすことが無かったため、被害はほとんどなかった。
後日、両軍の戦死者の数を聞いたところ、共和国軍一万八千がほぼ全滅。帝国軍は二万五千が犠牲となったという。
その後、帝国軍は各旅団の指揮官が集まり、今後の方針を検討した。
帝国軍の残りは約二万。
首都を守る共和国軍は五千ほどいるという情報だ。
まず、首都を攻撃するとなった場合。この場所から河を渡らなければならない。しかし、川には共和国軍の海軍がいるので、渡河は容易ではないだろう。
もともと、帝国には海が無いため、海軍が無いどころか船を扱える者がいない。
すると、グロースアーテッヒ川を徒歩でも渡れるぐらいの深さと幅になるまで上流へ上るしかない。そうなると、ズーデハーフェンシュタットへ戻るまで、また二週間程度も時間がかかってしまうだろう。
その上で、城攻めとなると、兵士たちの疲労は限界を超える。
一旦、モルデンまで引き、兵を休ませ数週間後に再び進軍し、首都を攻略する案も出たが、これは再度首都に戻って来る時間が長くなればなるほど、共和国軍の防衛のための準備の時間を与えることになるので採用されなかった。
イワノフは、ここは戦わず、共和国に降伏勧告を出すことを提案した。
主戦派であるソローキンとキーシンの旅団はこの戦いで大きな犠牲者を出している。彼らが無理を言って、彼らだけで戦うと言っても、首都陥落は難しいと思われた。さすがのソローキンもそれを理解できたようだ。
イワノフは会議の結果を元にして、共和国に対し無条件降伏勧告を出す許可を得るための伝令を帝国皇帝スタニフラフ四世に対し出した。返事が来るのに一週間とかからないだろう。
そしておそらく、これは許可を得ることができるだろうとイワノフは予想していた。
一旦、後ろに引いていたキーシンの部隊が再び動き出した。
戦場の中央で最後まで戦っていた総司令官ウォルフガング・エッケナー率いる共和国軍は、東側からソローキン、中央からスミルノワ、西側からキーシンの旅団に三方から攻撃される形になった。
後のないエッケナーの兵士達は死に物狂いで戦い、激しく抵抗した。しかし、最終的には数に勝る帝国軍によって壊滅させられ、エッケナー自身も打ち取られた。
開戦から約六時間、ここに共和国軍と帝国軍による最終決戦が終結した。
帝国軍ソローキンの旅団は、早朝からの休みない戦いで、かなり多くの犠牲者を出していた。
キーシンの旅団は一旦、後ろに引いていたが、やはり早朝から戦っていたため、ソローキンの旅団の次に犠牲者が多かった。
スミルノワの部隊は後から参戦したが、エッケナーの最後の抵抗で、多くの犠牲者を出していた。
イェブツシェンコの旅団は、メルテンスの旅団を一方的に攻撃し、被害は少ない。
ルツコイの旅団では、わずかに重装騎士団が打ち取られたが、旅団全体で見れば一般兵を動かすことが無かったため、被害はほとんどなかった。
後日、両軍の戦死者の数を聞いたところ、共和国軍一万八千がほぼ全滅。帝国軍は二万五千が犠牲となったという。
その後、帝国軍は各旅団の指揮官が集まり、今後の方針を検討した。
帝国軍の残りは約二万。
首都を守る共和国軍は五千ほどいるという情報だ。
まず、首都を攻撃するとなった場合。この場所から河を渡らなければならない。しかし、川には共和国軍の海軍がいるので、渡河は容易ではないだろう。
もともと、帝国には海が無いため、海軍が無いどころか船を扱える者がいない。
すると、グロースアーテッヒ川を徒歩でも渡れるぐらいの深さと幅になるまで上流へ上るしかない。そうなると、ズーデハーフェンシュタットへ戻るまで、また二週間程度も時間がかかってしまうだろう。
その上で、城攻めとなると、兵士たちの疲労は限界を超える。
一旦、モルデンまで引き、兵を休ませ数週間後に再び進軍し、首都を攻略する案も出たが、これは再度首都に戻って来る時間が長くなればなるほど、共和国軍の防衛のための準備の時間を与えることになるので採用されなかった。
イワノフは、ここは戦わず、共和国に降伏勧告を出すことを提案した。
主戦派であるソローキンとキーシンの旅団はこの戦いで大きな犠牲者を出している。彼らが無理を言って、彼らだけで戦うと言っても、首都陥落は難しいと思われた。さすがのソローキンもそれを理解できたようだ。
イワノフは会議の結果を元にして、共和国に対し無条件降伏勧告を出す許可を得るための伝令を帝国皇帝スタニフラフ四世に対し出した。返事が来るのに一週間とかからないだろう。
そしておそらく、これは許可を得ることができるだろうとイワノフは予想していた。
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