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証言者たち
新聞社 “ブラウグルン・ツワィトゥング”
しおりを挟む 大陸歴1710年5月20日・ブラウグルン共和国・モルデン
翌朝、イリーナはちょっと早く目が覚めて、昨日のオレガ・ジベリゴワのインタビューをもう一度見直していた。
隣のベッドでクララがもぞもぞ動き出した。どうやら目が覚めたらしい。
「そろそろ起きてよ。昨日、言っていた新聞社に行ってみよう」。
返事がない。聞こえていないのか、と思ったら、「うーん。もう少し寝る」と返事があった。
そして、シーツをかぶって二度寝を始めた。
「仕方ないなあ。あなたが行きたいっていったんでしょう?」。
イリーナはそう言うが、身動き一つしないクララに諦めて、街へ食料の買い出しに出かけることにした。
宿屋から近い市場で朝市をやっていたので、食べ物や果物を買って宿屋に戻って来た。
部屋ではクララがようやくベッドから起き出していた。彼女はイリーナの姿を見つけると抱き着いてきた。
「一人で行っちゃったのかと思ったよ」。
「あなたを置いて行く訳ないでしょう。そこまで薄情じゃないわよ」。そして、手に持っている食料をテーブルの上に置く。「食べ物を買ってきたのよ」。
「おお、気が利くねえ」。
「お金は半分出してよ」。
「はーい」。
クララは、明るく答えた。
二人は遅めの朝食を取り、荷物をまとめて、宿屋を後にする。
目的の新聞社の場所も港に近いところにあるというので、さほど距離は無かった。
四階建ての大きな建物の入り口の扉に“プラウグルン・ツワィトゥング”という看板がかかっている。
イリーナとクララは恐る恐る扉を開けて中に入った。中では大勢の人があわただしく仕事をしているようだった。
イリーナは近くにいた事務員の女性に声を掛けてみる。
「おはようございます」。
「はい? どちら様ですか?」
「ええと…、私はイリーナ・ガラバルスコワ。こっちはクララ・クリーガーと言います。新聞記者のブリュンヒルデ・ヴィルトさんはいらっしゃいますか?」
「お約束ですか?」
「いえ、約束はしていないんですが…」。
「そうですか…、もう一度お名前を」。
「イリーナ・ガラバルスコワとクララ・クリーガーです」。
「少し待ってください」。
事務員の女性は部屋の奥に行き、別の女性に声を掛けたよだ。こちらのほうを指さして何やら話している。彼女は長い黒髪を真ん中で分け、黒い瞳に透き通るような白い肌が印象的だったが、事務員と話してすぐにその女性が慌てた様子でイリーナとクララに歩み寄って来た。
「クララ・クリーガーさん?!」
彼女は興奮気味に少々大きめの声で確認した。
「あっ、はい!」
自分の名前が呼ばれると思っていなかったクララは、驚いて自然と大きな声で返事をしてしまった。
「あのユルゲン・クリーガーの親族の方?」
「ユルゲンはわたしの祖父です」。
「親族の方とお会いできるなんて、とても、うれしいわ」。
彼女は二人に握手を求めて来た。「どうぞ奥へ」。そういって、彼女は二人を建物の奥の応接室に案内した。
三人がソファに座ると、女性はようやく落ち着いたようで自己紹介をする。
「私は、ブリュンヒルデ・ヴィルト。ここの記者よ。どうしてここに?」。
「私は、イリーナ・ガラバルスコワと言います」。イリーナが答える。「私たちはユルゲンさんの事を調べるためにここに来ました。それで、オットー・クラクスさんとソフィア・タウゼントシュタインさんに会って話をしんたんですが、その時、あなたのことを教えてもらいました」。
「なるほどね。私も先月、彼らに会って話を聞いてきました」。
ブリュンヒルデは前のめりになって質問をしてきた。
「あなたたちは、何故、ユルゲンの事を調べているの?」
「革命の前後にいろいろ矛盾にあることに気が付いて、それについて調べています」。
「あなたたちは、ジャーナリストじゃあないでしょう?」
「はい、学生です。歴史を学んでいます」。
「なるほど、そういうことね」。
「ところで、ブリュンヒルデさんはなぜ、ユルゲンさんの事を?」
「共和国ではユルゲン・クリーガーの歴史的評価が悪いのだけれど、私もいろいろ調べてみて、やっぱり歴史におかしいところがあると思ったのよ。それで、オットー・クラクスさんとソフィア・タウゼントシュタインさんに裏話を聞いて、やっぱり知られていないことがたくさんあると知ったわ」。
「私たちもそう思いました。オットーさんとソフィアさんに会って、それで、あなたの事を聞きました。もし、私たちが知らないことを知っているなら、教えてほしいなと思って」。
「私が知っていることは、 “ブラウロット戦争” 前の共和国時代の資料と傭兵部隊の頃の資料がズーデハーフェンシュタットに残っているのが分かったからそれぐらい。読み物としては面白かったけど、あなた方が知りたい革命の頃の資料やユルゲンに関わる物はなかったわ」。
ブリュンヒルデは、はっきりとした口調で話を続けた。
「ユルゲン・クリーガーを再評価したい私としては、彼がモルデンを掌握し、それを切っ掛けにして再独立つながったということに一番関心があるわ。共和国再独立の本当の立役者がエリアス・コフではなくて、ユルゲン・クリーガーだったと」。
「ところで、今度、オレガ・ジベリゴワさんに会いに行くつもりなのですが、ブリュンヒルデさんもどうですか?」
クララは提案した。
「オレガさんはどちらにお住まい?」
「アリーグラードです」。
ブリュンヒルデは残念そうに首を振った。
「私も行きたいけど、他の仕事もあるから、今ここを長期間離れるわけにはいかないのよ」。
「そうですか」。
新聞記者としては、ユルゲン・クリーガーの調査ばかりでなく、ほかの仕事もたくさんあるのだろう。
「この街に傭兵部隊の所属者のリストが残っていたのを最近見つけたのよ」。ブリュンヒルデは服の胸ポケットから一枚紙を取り出した。「このリストを元にほかの隊員達全員の消息を調べたわ。それで、副隊長を務めていたフリードリヒ・プロブストは高齢だけどまだ存命よ。私はすでに会って来たわ。残念ながら彼からは弟子だった二人以上の話は聞けなかったわ」。
「そうでしたか」
イリーナは肩をおとした。
「あと、気になるのはヴィット王国にいるアグネッタ・ヴィクストレームね」。
「それは確か…」
イリーナは記憶をたどる。イリーナが思い出す前に、ブリュンヒルデが答えを言う。
「傭兵部隊に一年間在籍していた魔術師よ」。
そうだ、“回想録”にその名前の記載があったような気がする。確か “透明な悪魔” と “チューリン事件” の章に何度も名前が出て来たのを記憶している。
「年齢的にもまだ存命の可能性があるから、消息を調べてみようと思っているわ。でも、外国の人だからちょっと難航しそうだけど」。
三人はそれぞれが調査した内容を確認するため、オットーとソフィアの証言などでわかった新事実を羅列してみた。
【分かったこと】
・ブラミア帝国の皇帝スタニスラフ四世が殺され魔術師アーランドソンに体を乗っ取られていたこと。
・その魔術師アーランドソンを倒したのはユルゲン・クリーガーであったこと。
・“チューリン事件”のチューリンや怪物はアーランドソンに魔術で操られた傀儡だったこと。
・“ソローキン反乱”は皇帝がソローキンを排除するための謀略であったこと
・ソローキンを倒したのはユルゲンだった。
・ユルゲンが率いる遊撃部隊が共和国の反乱に加担してモルデンを掌握したこと。
・そもそもユルゲンは、かなり前から共和国の独立派と内通していたこと。
・ユルゲンは一人で降伏し、軍法会議において反逆罪で死刑宣告を受けるが恩赦されたこと。
【謎】
・モルデン掌握、死刑宣告と恩赦について秘密にされている理由は不明。
・ユルゲンが裁かれた軍法会議の記録が残っているか確認する。
リストを見て、ブリュンヒルデはため息をついた。
「でも、どれも証言を裏付ける資料が無くて、困っているのよ」。
「必要ですか?」
「もちろん、必要よ、新聞社としてはね。でも、これらの資料ほとんどは、おそらくパルラメンスカヤ人民共和国にあると思うのよ。さっきも言ったけど、私はここを長期間離れることができなくて」。
確かに、ユルゲンが共和国の反乱に加担したこと以外は、帝国に関連する内容だ。資料も当然、パルラメンスカヤ人民共和国にあるに違いない。
「私たちが調べてみます」。
イリーナはそういうと、ブリュンヒルデは微笑んだ。
「よろしくね。私もこちらで出来ることをやってみるわ」。
イリーナとクララはブリュンヒルデと別れ、新聞社を後にした。
そして、翌日、ズーデハーフェンシュタットを出発し、アリーグラードに戻る旅についた。
翌朝、イリーナはちょっと早く目が覚めて、昨日のオレガ・ジベリゴワのインタビューをもう一度見直していた。
隣のベッドでクララがもぞもぞ動き出した。どうやら目が覚めたらしい。
「そろそろ起きてよ。昨日、言っていた新聞社に行ってみよう」。
返事がない。聞こえていないのか、と思ったら、「うーん。もう少し寝る」と返事があった。
そして、シーツをかぶって二度寝を始めた。
「仕方ないなあ。あなたが行きたいっていったんでしょう?」。
イリーナはそう言うが、身動き一つしないクララに諦めて、街へ食料の買い出しに出かけることにした。
宿屋から近い市場で朝市をやっていたので、食べ物や果物を買って宿屋に戻って来た。
部屋ではクララがようやくベッドから起き出していた。彼女はイリーナの姿を見つけると抱き着いてきた。
「一人で行っちゃったのかと思ったよ」。
「あなたを置いて行く訳ないでしょう。そこまで薄情じゃないわよ」。そして、手に持っている食料をテーブルの上に置く。「食べ物を買ってきたのよ」。
「おお、気が利くねえ」。
「お金は半分出してよ」。
「はーい」。
クララは、明るく答えた。
二人は遅めの朝食を取り、荷物をまとめて、宿屋を後にする。
目的の新聞社の場所も港に近いところにあるというので、さほど距離は無かった。
四階建ての大きな建物の入り口の扉に“プラウグルン・ツワィトゥング”という看板がかかっている。
イリーナとクララは恐る恐る扉を開けて中に入った。中では大勢の人があわただしく仕事をしているようだった。
イリーナは近くにいた事務員の女性に声を掛けてみる。
「おはようございます」。
「はい? どちら様ですか?」
「ええと…、私はイリーナ・ガラバルスコワ。こっちはクララ・クリーガーと言います。新聞記者のブリュンヒルデ・ヴィルトさんはいらっしゃいますか?」
「お約束ですか?」
「いえ、約束はしていないんですが…」。
「そうですか…、もう一度お名前を」。
「イリーナ・ガラバルスコワとクララ・クリーガーです」。
「少し待ってください」。
事務員の女性は部屋の奥に行き、別の女性に声を掛けたよだ。こちらのほうを指さして何やら話している。彼女は長い黒髪を真ん中で分け、黒い瞳に透き通るような白い肌が印象的だったが、事務員と話してすぐにその女性が慌てた様子でイリーナとクララに歩み寄って来た。
「クララ・クリーガーさん?!」
彼女は興奮気味に少々大きめの声で確認した。
「あっ、はい!」
自分の名前が呼ばれると思っていなかったクララは、驚いて自然と大きな声で返事をしてしまった。
「あのユルゲン・クリーガーの親族の方?」
「ユルゲンはわたしの祖父です」。
「親族の方とお会いできるなんて、とても、うれしいわ」。
彼女は二人に握手を求めて来た。「どうぞ奥へ」。そういって、彼女は二人を建物の奥の応接室に案内した。
三人がソファに座ると、女性はようやく落ち着いたようで自己紹介をする。
「私は、ブリュンヒルデ・ヴィルト。ここの記者よ。どうしてここに?」。
「私は、イリーナ・ガラバルスコワと言います」。イリーナが答える。「私たちはユルゲンさんの事を調べるためにここに来ました。それで、オットー・クラクスさんとソフィア・タウゼントシュタインさんに会って話をしんたんですが、その時、あなたのことを教えてもらいました」。
「なるほどね。私も先月、彼らに会って話を聞いてきました」。
ブリュンヒルデは前のめりになって質問をしてきた。
「あなたたちは、何故、ユルゲンの事を調べているの?」
「革命の前後にいろいろ矛盾にあることに気が付いて、それについて調べています」。
「あなたたちは、ジャーナリストじゃあないでしょう?」
「はい、学生です。歴史を学んでいます」。
「なるほど、そういうことね」。
「ところで、ブリュンヒルデさんはなぜ、ユルゲンさんの事を?」
「共和国ではユルゲン・クリーガーの歴史的評価が悪いのだけれど、私もいろいろ調べてみて、やっぱり歴史におかしいところがあると思ったのよ。それで、オットー・クラクスさんとソフィア・タウゼントシュタインさんに裏話を聞いて、やっぱり知られていないことがたくさんあると知ったわ」。
「私たちもそう思いました。オットーさんとソフィアさんに会って、それで、あなたの事を聞きました。もし、私たちが知らないことを知っているなら、教えてほしいなと思って」。
「私が知っていることは、 “ブラウロット戦争” 前の共和国時代の資料と傭兵部隊の頃の資料がズーデハーフェンシュタットに残っているのが分かったからそれぐらい。読み物としては面白かったけど、あなた方が知りたい革命の頃の資料やユルゲンに関わる物はなかったわ」。
ブリュンヒルデは、はっきりとした口調で話を続けた。
「ユルゲン・クリーガーを再評価したい私としては、彼がモルデンを掌握し、それを切っ掛けにして再独立つながったということに一番関心があるわ。共和国再独立の本当の立役者がエリアス・コフではなくて、ユルゲン・クリーガーだったと」。
「ところで、今度、オレガ・ジベリゴワさんに会いに行くつもりなのですが、ブリュンヒルデさんもどうですか?」
クララは提案した。
「オレガさんはどちらにお住まい?」
「アリーグラードです」。
ブリュンヒルデは残念そうに首を振った。
「私も行きたいけど、他の仕事もあるから、今ここを長期間離れるわけにはいかないのよ」。
「そうですか」。
新聞記者としては、ユルゲン・クリーガーの調査ばかりでなく、ほかの仕事もたくさんあるのだろう。
「この街に傭兵部隊の所属者のリストが残っていたのを最近見つけたのよ」。ブリュンヒルデは服の胸ポケットから一枚紙を取り出した。「このリストを元にほかの隊員達全員の消息を調べたわ。それで、副隊長を務めていたフリードリヒ・プロブストは高齢だけどまだ存命よ。私はすでに会って来たわ。残念ながら彼からは弟子だった二人以上の話は聞けなかったわ」。
「そうでしたか」
イリーナは肩をおとした。
「あと、気になるのはヴィット王国にいるアグネッタ・ヴィクストレームね」。
「それは確か…」
イリーナは記憶をたどる。イリーナが思い出す前に、ブリュンヒルデが答えを言う。
「傭兵部隊に一年間在籍していた魔術師よ」。
そうだ、“回想録”にその名前の記載があったような気がする。確か “透明な悪魔” と “チューリン事件” の章に何度も名前が出て来たのを記憶している。
「年齢的にもまだ存命の可能性があるから、消息を調べてみようと思っているわ。でも、外国の人だからちょっと難航しそうだけど」。
三人はそれぞれが調査した内容を確認するため、オットーとソフィアの証言などでわかった新事実を羅列してみた。
【分かったこと】
・ブラミア帝国の皇帝スタニスラフ四世が殺され魔術師アーランドソンに体を乗っ取られていたこと。
・その魔術師アーランドソンを倒したのはユルゲン・クリーガーであったこと。
・“チューリン事件”のチューリンや怪物はアーランドソンに魔術で操られた傀儡だったこと。
・“ソローキン反乱”は皇帝がソローキンを排除するための謀略であったこと
・ソローキンを倒したのはユルゲンだった。
・ユルゲンが率いる遊撃部隊が共和国の反乱に加担してモルデンを掌握したこと。
・そもそもユルゲンは、かなり前から共和国の独立派と内通していたこと。
・ユルゲンは一人で降伏し、軍法会議において反逆罪で死刑宣告を受けるが恩赦されたこと。
【謎】
・モルデン掌握、死刑宣告と恩赦について秘密にされている理由は不明。
・ユルゲンが裁かれた軍法会議の記録が残っているか確認する。
リストを見て、ブリュンヒルデはため息をついた。
「でも、どれも証言を裏付ける資料が無くて、困っているのよ」。
「必要ですか?」
「もちろん、必要よ、新聞社としてはね。でも、これらの資料ほとんどは、おそらくパルラメンスカヤ人民共和国にあると思うのよ。さっきも言ったけど、私はここを長期間離れることができなくて」。
確かに、ユルゲンが共和国の反乱に加担したこと以外は、帝国に関連する内容だ。資料も当然、パルラメンスカヤ人民共和国にあるに違いない。
「私たちが調べてみます」。
イリーナはそういうと、ブリュンヒルデは微笑んだ。
「よろしくね。私もこちらで出来ることをやってみるわ」。
イリーナとクララはブリュンヒルデと別れ、新聞社を後にした。
そして、翌日、ズーデハーフェンシュタットを出発し、アリーグラードに戻る旅についた。
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