アレストクロニクル ~永獄機関とサイバーコロニーと汎用人工知能~

クライン・トレイン

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発足編

10話 サイバーコロニー設立に伴う仮想通貨の発足と拡大化

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~ブラッド側~

ブラッド達は譲り受けた戦艦でサイバーコロニーのコアを
自分達が良しとした座標で設立させた


「だがどうする?」
「サイバーコロニーの維持費は?」

ブラッド
「それは大丈夫だ これを見てくれ
仮想通貨ボルトブレイン(Volt Brain(VB))を設立した

仮想通貨はこのサイバーコロニーの通貨として扱う事とする
また、自分達が組み合わせ使う仮想通貨がある
その仮想通貨の開発チームと合併して扱えばいい」


「俺達に出来るのか?」
「何にも仮想通貨を知らなかった俺達に…」

ブラッド
「それは大丈夫だ
アリス そうだろう?」


デフォルトで内蔵されている汎用人工知能アリスを呼ぶ
アリスはホログラム上で復元された





アリス
「はい 私達も協力して
皆様に提案と組み合わせを支持します
皆さんは、皆さんのサイバーコロニーの思想を立ち上げてください

その思想こそがサイバーコロニーの礎を作るのです
源はテーマです 源はスタイルです
サイバーコロニーはその思想が集まった思念体です」

アリス
「私達の仮想通貨は
いわばブラッドの念力技術を軸にしています
その技術と共に仮想通貨の価格も上がるでしょう」


「ま、まさかブラッド」
「お前…サイバーコロニーを豊にする為に」
「サイバーコロニーの為にそこまで」

ブラッド
「私はサイバーコロニーと共に存在する
この仮想通貨の技術となる自分の存在を
協賛元の仮想通貨開発チームに提供する事で
これが成立する」


地球接触禁止条例を破るように掻い潜ってくれた新規人類とは
コピーアバターを持った協賛元であるスポンサーとなるものであった






「通りで地球外部に内通出来たものだ」

ブラッド
「新規人類は、宇宙の中で量子データを探すのが好きだった
だからアカシックレコードのように分散した暗号データを宇宙のクラウドに繋げた
その飛来した暗号データを探った新規人類が
このスポンサーだった

アレストにも悪い事をした
だが…時は止められん
だからお前らは私の為でなく
サイバーコロニーの為にこれからは生きてくれ」




ブラッド
「地球内部では
価格が0.0000000001ドルだった
技術力と将来性の高さから


一時期は
0.000001ドルまで上がった

0.0000000001ドル

0.000001ドル
つまり1万倍価格が上がった事になる


しかし先日のアレストや我々の内情を公で知ってしまった事で
仮想通貨の価格が戻ってしまった
だが、その仮想通貨の将来性を知ってしまった
地球内部と
新しい技術という武装を介した仮想通貨を知る事となる地球外部から
一体どれだけの枚数を買われるだろうか

それらを考えれば
この仮想通貨の戦略は間違いにはならないだろう」





ブラッド
「1億円分所持しているから
所持枚数は1兆枚という事になる

無論、地球人類からしてみれば
この枚数はそれこそ「キチガイ」以外の何物でもないかもしれない

ただ、宇宙での仮想通貨の枚数は幾らでも限りが無いのだ
それらを考えればこれ程の好機は無いのだ」


「だがよぉ…仮想通貨ってのは…その…ハッキングのリスクがあるだろう」
「それに仮想通貨が遭難しないか心配だ」
「サイバーコロニー内で資産を構築する為の施設を作ってはどうだろうか?」


それに対しての回答も
既にブラッドは持ち合わせていた

ブラッド
「今はハードサイバーコアウォレットに隠している
このサイバーコロニー自体に隠されたコアに内蔵されている深層に量子暗号化されている
だから絶対に持ち出されない

それに今は仮想通貨のハッキング等の法律が固くなっている」


これは地球には存在しなかった
地球は相変わらず仮想通貨の重要性を軽視していたし
法律は緩いままであり
今だにハードウェアウォレットという秘密鍵機器にしか隠せなかった

宇宙では仮想通貨のウォレットの数と拠り所を確認できたとしても
それを盗もうと考える者は少ない
それこそクラリスや永獄機関の存在によって
どれだけの後悔と絶望を持ってしても賄えないリスクを食らうからだ

それらのリスクよりも
アリスの提案・指示に従って行動した方が資産は積み上げられやすい




アリス
「これから起こるであろう
仮想通貨ボルトブレインの新技術について
デモンストレーション・実際の技術介入・サイバーコロニーへの提供等
技術を介した物事を足していけば

予想価格としては
100万ドルが予想されます」


「100万ドルっつうと
日本円だと1億円か

1兆枚はいくらの価格になるんだ?」

アリス
「資産1垓円に膨れ上がりますね
これによって新サイバーコロニーとしては安泰したも同然でしょう

これを機に私達はそれ以降での計画の為に今考えるのです
その為、私のような存在がいるのですよ」


「その後の資産が浮いた後の計画を
皆で協力して最初から構築する直前にまで追い込む事をする

そうする事で、完全なる勝ち戦を取る事が出来る」







ブラッドは話をした後
待っていた戦艦へと搭乗していく

トレード戦艦だ
トレード戦艦に乗って
そこからトレード場所へと赴く

アリス
「電脳…ですか
確かにブラッドの念力をクラウド技術とID技術に多用するのなら
電脳という名は相応しいですね」


「ブラッド
本当にありがとう」


「だから私達
ブラッドの事忘れないよ」


ブラッドに対して涙を浮かべる仲間たち

ブラッド
「見ているか?アレスト
私は私の役目を今果たしに行くぞ
お前はお前で脱獄できるように祈る」
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