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零地点航路編

130話 上位能力者の苦悩と運命

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~真実~

ラウドはそれから一つ気付いた事があった

ラウド
「俺はどうもこの空間は既視感があるんだ
仮想ポータルでも同じような空間の切り替えがあった

仮想ポータルと違うのはこの仮想空間のルールだろう
脱出する為のルールと言ってもいい

だから俺らはその対象者を倒していないから
多分ループしている」


既視感をラウドは察知していた
二人とも分からなかった
真空メイズによる察知能力

ラウド
「ループしている事に気付いた
それはイメージメイズの策略だろう?」


それに対応するようにイメージメイズ能力者が出ていた
イメージメイズ能力者のポプラこそがこの育成メイズプログラムの上位者なのだろう

ポプラ
「心象
印象
形象
着想想像
一般的印象
意味合い
感覚感じ
そうした言葉に置き換えられたものがイメージだ」


【イメージ能力の世界】
≪自分の遺伝子構造からの遺伝子幻像(イメージング)から能力を引き出す
架空のイメージも多い 本人も能力の範囲を分かっていない事が多い≫

その瞬間、雨が降る
それをラウドは回避していた
それが地上へ落下した瞬間
地面が割れていた





ラウド
「これは…一体いくらの重さの雨なのだろう
これがイメージ能力者の最終地点か
恐ろしいものだ」


次に出されたのは恐竜の大群だった
次々と出されていくイメージ能力にラウドは回避するだけで手一杯だった

それはラウドの策略でもあった
回避を続けられると誰でも疑心暗鬼になる
それをラウドは考えていたからだ

ラウド
「よしよし いいぞ
こちら側へ引き込ませろ!」

生存バイアスが負け方向へと傾けば
こちら側の考えがつまりは正当性となる


それがラウドの考えだ
つまり戦う事を止めた戦いをする
それがこのイメージメイズに勝つ結果を生み出していた

ポプラ
「長き時をやっと滅ぼしてくれる存在が見つかったのか
お前らにとっては些末だろうが…私は感謝しているぞ

お前らの目的がかなうといいな
この抜け出す事の出来ない隔離施設の楽園から抜け出せることを私は感動しているよ」

その意味が伝わるまでは
地上世界である零地点航路(電脳世界)に戻るまで分からなかった
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