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仮想メイズ10人斬り編

55話 命の天秤の崩壊

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「俺の…全てを破ったか…
だが…その先を行けるのがお前みたいな
心よりも選ばれた者でよかったよ…その天災の先を行け
それがお前の…運命だろうからな」


グロウベットは静かに息絶えた
そして転送ポータルの住人の全てが礼をした




「ありがとうよ」
「けど俺達は終わりだ」
「こいつを倒したことでな」
「こいつの形相メイズに憑依する事で俺達は生きていた」
「その全てのエネルギーが転送ポータル内部で暴発的に誤作動を起こしている」
「もうすぐだ…もうすぐこの転送ポータルは俺達のそのメイズ力の集合体で消滅爆発する」
「現実的な爆発は無く…ここに存在する仮想内の全てのメイズは駆逐されていく」
「それが運命だったんだ お前はその運命を逃れて先を行くんだ」




そしてそこにリリーナだけが待っていた
暗闇の中リリーナに手を触れた


「ラウド…ラウドごめん…!」

「いいんだよ俺は 俺は色んなメイズ能力者に出会った
世界にこれほどのメイズの探求があるなんてたった一つの村では知り得なかったんだ


それを知った時、俺はリリーナの心を許していた

その真実がどうであってもだよ



おかえりリリーナ」


リリーナから本心の笑顔と涙が零れ落ちる






「ただいまラウド」
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