上 下
8 / 152
メイズ狩り編

5話 空白の書籍

しおりを挟む
~図書館~

ラウド
「えっと…ここだよな?
グリザルから聞いて正解だったな」


グリザルから聞いていた情報を頼りに
図書館に来ていた
ここの図書館では町の歴史が見られる

エミナ町は九滅の願いを祈願しているらしい
そして、歴史の傍らに災害の減少を見た

ラウド
「有る時から災害が減少している
ここで何があったんだろう

九滅の願いが関係しているんだろうか
この本を借りたいな…」

ラウド
「本が貸し出されてた本があった」

ラウド
「あの…この本が欲しいんですけど」


「あぁ、それ
それは受け渡し式で貸し出してるんだよ
知りたい人限定でね

君も知りたいのかい?」


ラウドはそれを肯定して
その本を手にした そして図書館でその本を開けた

そのノートには真っ白な空白だけ広がっていた それを見ている内に視界が消えていった






ラウドの視界がおかしくなった
白い景色だ
白の空間に誘われたラウドは
直後に状況把握に真空ジャンプする

ラウド
「上空から見えるのは、白い景色と…向こう側に茶色い靄があるな
奥側に見える靄は何だ?」


その時、ラウドに風が飛んできた
突風のように鋭い風 こうした強風を受けるのは久々で
この町特有の風では無い事が分かった

その瞬間、町の光景では無いと感じた
着地すると、地上が柔らかかった

ラウド
「真空風をして状況を確認するか
この白い景色に何らかのものがあるだろう」


真空ジャンプしてはラウドはその白い景色に向かって
真空爆風をしていった
ラウドは白い景色がペラペラしているのを感じた

ラウド
「こいつはノートの上の世界か?
俺はそのノートの上でいるのか?」


そしてそれが知りたい人限定で受け渡し式の本である事
それは危険なシグナルだと明確に理解した

生物が飛んできたのを確認した
ラウドの真空メイズによる攻撃が効かない

ラウド
「物理的なサイズが大きすぎるな…
今の俺はメイズ力がどれだけあった所でサイズ補正で強さが劣る

つまりは…ただの人間だろうと
ただの生物であろうと殺されるというリスクが大きい訳だ

こいつはちょっとした恐怖だな…
しかしこのノートを差し出した奴が能力者だったのか?

何にしてもこの生物をどうにかしないとな」


ラウドは生物を真空爆風で攻撃する
しかしその生物は左右に動いて中々攻撃を受け取らない

ラウド
「メイズ生物…か
このメイズ生物、物理的な攻撃が通用しないな
俺の攻撃が当たらないというのなら…」


真空加速で近づいて
真空放出爆風で身体から爆風を放した

それでもメイズ生物は生きていた
そしてラウドの血を啜っていた

ラウド
「いつのまに俺の血が吸われたのだ?
奴の攻撃はまるで気が付かなかったぞ…
何故だ?残った解答は一つだな」


ラウドは真空強風でメイズ生物に向かって攻撃
しかしメイズ生物の左右にばかり攻撃していて
メイズ生物は回避する事も怠けた

何故ラウドがそれをするかメイズ生物には分からなかった
しかしそれはラウドが次の攻撃をする前にタイミング的に気付いた
しかしそれは遅かった

ラウド
「俺の真空強風は向かい風の風力をそらす為だ
そしてメイズ生物のメイズは毛糸メイズだ

凧のように浮かんでいるから攻撃がかわされているんだ
だったら回避出来ないように逆からの風で強制的に捉える事だ」


そしてラウドの真空爆風剣でメイズ生物は細くできた繊維の細胞を切り裂かれて死んでいった
ラウドから吸ったであろう血を噴き出しながら死んでいった

毛糸メイズ生物はノートの切れ端を使って生成されているのを確認した
寸前で攻撃をしてその存在を消滅させる

ラウド
「ノートの上に他にいるとしたらまずいよなこれ
メイズ生物を配置している時点で、
ノートにはメイズ能力者もしくは閉まった対象だけ存在する」


ラウドが気配を察して
その巨人が本へと視線を写す
しかし本にはラウドは写っていない
ノートに反映されていてもそれは能力者にしか見えない隠しノートのような作用が得られる

ラウド
「差し出してきた奴だな
声を出しても真空攻撃を向けても何も感じない

もしも小さな生物が風を人間に送っても気付かないのと同じだ
ノートを見つめてもラウドに気付かずにいる」

差出人
「この書籍、渡したものだ
もう帰ったのか?」


存在に気付かずに
ノートが閉められていく
片手で動かしただけの手軽な動作が
巨人になっている小さなラウドからは動いた光景だけで超攻撃に匹敵する

書籍ごと閉じられる動作だから風圧も加わっている
これだと自分自身の真空攻撃でも防ぎきれない

ラウドは寸前で風圧とノート地面からの隙間風に
自分自身を真空パック化で包み込む事で免れた

ラウド
「どうやら気付いていない素振りから見ると差出人は能力者ではないのか
誰かと話しているな…
その会話相手こそが貸出人という訳か」


貸出人は書籍を開けようとした
それは同時に貸出人が能力者だとするとバレるという事だ

バレてしまったらせっかく免れた命すらも危うくなるだろう
この差出人の動作は貸出人がいたからこその動作だ

書籍の確認を促した事で閉じられた状態でいる
自分からの行動で閉じる事は出来ない
開ける事は出来る

貸出人は、自分の書籍をそのまま持ち帰った
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰しのための奮闘が賞賛される流れに~

果 一
ファンタジー
リクスには、最強の姉がいる。  王国最強と唄われる勇者で、英雄学校の生徒会長。  類い希なる才能と美貌を持つ姉の威光を笠に着て、リクスはとある野望を遂行していた。 『ビバ☆姉さんのスネをかじって生きよう計画!』    何を隠そうリクスは、引きこもりのタダ飯喰らいを人生の目標とする、極めて怠惰な少年だったのだ。  そんな弟に嫌気がさした姉エルザは、ある日リクスに告げる。 「私の通う英雄学校の編入試験、リクスちゃんの名前で登録しておいたからぁ」  その時を境に、リクスの人生は大きく変化する。  英雄学校で様々な事件に巻き込まれ、誰もが舌を巻くほどの強さが露わになって――?  これは、怠惰でろくでなしで、でもちょっぴり心優しい少年が、姉を越える英雄へと駆け上がっていく物語。  ※本作はカクヨムでも公開しています。カクヨムでのタイトルは『姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰し生活のための奮闘が、なぜか賞賛される流れになった件~』となります。

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。 ※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。 ※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・) 更新はめっちゃ不定期です。 ※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む

家具屋ふふみに
ファンタジー
 この世界には魔法が存在する。  そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。  その属性は主に6つ。  火・水・風・土・雷・そして……無。    クーリアは伯爵令嬢として生まれた。  貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。  そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。    無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。  その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。      だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。    そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。    これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。  そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。 設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m ※←このマークがある話は大体一人称。

処理中です...