ブリキの兵隊達 ~ID人とST人~

クライン・トレイン

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ブリキの兵隊編

最終話 歴史の遥か傍らで

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~閉鎖娯楽室~

これにより
この娯楽室だけは閉鎖する形で無くなった
誰の利用者もいないこの部屋には誰も存在しないからだ

ID人
「この部屋は散乱していて汚いな
誰が使ったんだ

娯楽に一体どれだけの熱意を込めていたんだろうか…
ただの娯楽なのに哀れだな」

ID人
「まさかここって
度胸試しな奴らの溜まり場だったんじゃねえか?」

ID人
「それでもし玩具に全てを滅ぼされていたら笑えるぜ」

ID人
「はは ありえねぇよ そんなのは
だって俺達ID人だろ?
何だって出来る世界なんだ

そんな事を考えるのも
また酔狂な奴だぜ」


笑い合いながらID人は閉鎖された娯楽室を去って
そして娯楽室はデータごと消去された





~ST世界~

消去された娯楽室のデータによって
ST世界は完全に別居された存在となった

これによって全ての干渉から外れる事となる





その幾年後…

ID人
「全てを変えたはずなんだけどなぁ…」
「なーんでこいつらまだ戦場やってんの?病気?」


残ったID人達はST世界を変えた
望み通り変えようと奮闘したのだ

しかし結果はこの通り 戦場の真っ最中だ


戦場の隣で優雅にテーブルを囲んでは料理を飲み食いする3人
そこに戦場からの怒声が響く

ST兵
「おい!
そこ!
何3人でテーブル囲んで飲み食いしてんだ!戦えよ!」


そこに魔法が繰り出されるが
ID人は鍛えた魔法でバリアを張る

ID人
「お前ら魔法弱すぎ
ちっとは鍛えろ」


3人は料理を飲み食いしては語る

ID人
「あの時、俺らはマスタリオンによって滅ぼされた
でもさ、量子盤散布でこうして残ったエネルギーによって再生された」

ID人
「でも俺達の肉体って
あの時いたマリスやST兵の魂の意志だけを肉体化してるからね」

ID人
「確かに私達ではあるんだけど…
でも意志は確実に変わってるのよね
それでも紛れもなくID世界にいた3人だけどね」

ID人
「少しだけ世界を
このブリキの兵隊どものいる世界に興味は…あるさ」

ID人
「それは言えてるね」

ID人
「その世界が私達のいわゆる一つの生きる糧なのかもね
一緒になってこのST世界と歩いていきたいのかもしれないね」


ワインを飲み干しながら
戦場の砂塵と共に出る血みどろの景色に乾杯をする

ID人は乾杯をしてST世界へブリキの兵隊へと語った

ID人
「世界に幸あれ」

ID人
「もっとも
変えるのはソルジャートイならぬ
ブリキの兵隊だがな」

ID人
「ブリキは玩具なんかじゃない
ブリキの兵隊は一つの魂の在り方だ」


全てを知り尽くした
二度とID世界へと帰る事の出来ない
無限生命体の存在であるID人はそう語った

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