ブリキの兵隊達 ~ID人とST人~

クライン・トレイン

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ゼンマイの心臓編

10話 ブリキの盟約

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~ST世界~

そこに景色がある事に驚いた者達がいた

ゲノム
「何で…私は生きているんだ?
お前らが…?」


ID人のIDアイテムのおかげで生きていた

ID人
「勝手に起動したのだ
多分リスティが自動的に作動するように仕掛けたのだ

リスティはいつもそうだ
何か悪意があればそれに気づいて全てを制御しようとする」

ID人
「けど…それも今回ばかりは駄目だったらしいぜ」

その消滅するであろう存在を量子欠片によって察知する

ゲノム
「あぁそうだな
最後にリスティはマリスに会いに行ったようだ…」





~戦場~

マリス
「ん?お前…
俺がST堕ちした際に仕組んでいたID人の仲間じゃねえか

お前もST堕ちしたのか」


マリスがST堕ちした時
ID人がST兵を上手く操れなかった際
マリスをそのままST堕ちまで追いつめた

マリス
「あられもない事を言われて
俺がST世界へ行ってる最中に次にはリスティへと手を加えようとした

その時、俺は手を出したのだが
お前らID人は物質ダメージを防ぐIDアイテムを使っては
俺の攻撃とST世界への干渉を口にして
俺はST堕ちを余儀なくされた」


ID人の女は振り上げた手を見て目を閉じる
それでもマリスはその手は女の頭を撫でていた

マリス
「ま、それは俺が悪意を断ち切る為の伏線と成り得ると考えて
その行動に率直に従ってやっただけなんだけどな」


量子盤で過干渉されているST世界の見ながら
そして量子欠片によって死去廊下の効果によって
ID人の女はリスティのデータを読み取る リスティが一時的に体を乗り移るのを
マリスは頭で理解した

マリス
「ミゼルは悲劇を繰り返したがる
俺は悪意を断ち切る存在になりてぇ」

リスティ
「それでこそ…!それでこそマリスなのよ…!
あぁ…!私が愛して焦がれたマリス…!

一度でいい…あなたを感じさせて…」


マリスはその言葉に誓った
量子盤散布された量子欠片による過干渉でリスティを感じる
リスティを抱擁しながら

マリス
「その熱情と共鳴の在処を
俺は見つけたぞ」




~魔術研究所~

アリスト
「俺は一体…これでは何のために今まで戦ってきたんだこいつらとよ」


アリストはそう感じていた
氷漬けだったものの氷の欠片を見つめては涙する

そしてそれはウルフェミーに対立するように攻撃する

ウルフェミー
「俺も悪かった
だが、これも運命なんだよ
受け入れろ!」

アリスト
「だとして俺達に何が出来んだよ!
殺し合うだけだろうが!
戦場で何があるんだ!?
それは殺し合いだけだろう!?

それ以外のスパイスを!何かを!
俺は探して二人がいたんだよ!
それを俺は…!無くした!」

ウルフェミー
「それは俺もだ!
俺はもっとゲノムが戦場を変えてくれると信じていたんだ
けどそれは違うものだった

ゲノムは結局自分の都合の為に俺達を利用しただけだった
だから俺達は立ち上がってどうにかするんだよ!」


しかしその対立は終わらない
助けようとする者は木っ端みじんに殺されて
その二人の対立は血みどろだった

その血を流すように攻撃している所に光が差し込む

アリスト
「この光は…二人が生き返っている!?」


その光は二人を復活させていた
いや、魂だけである
ウルフェミーの友人もまた同じように魂として一時的に復活している


友人
「死去廊下の影響で少しだけ
氷の欠片から生き返っているだけさ」

イリカル
「アリスト
僕は満足だよ?
ゲノムがアンド隊長が分かったし
アンド隊長の糧になったんだから
それ以上に強みになる事は無い」

マイ
「アリストと私は一緒になって面白かったよ
私は魔女の始祖の魂をこの身に授かってからは戦場だけだったけど
気楽でいて狂気なパーティ それが結構ワイルドで面白かった

魔女の始祖の魂を持った私からあなたに贈り物」


イリカルからは感謝と
マイからは贈り物を受け取る
贈り物には量子盤欠片からの情報が入る

アリスト
「これは…ブリキの兵隊の心臓部分?
ゼンマイの心臓とは…マスタリオンという存在だったのか」

ウルフェミー
「マスタリオンか…話を聞いた事あるぜ
そいつは俺達の世界を戦場に巻き込んだと聞く」


マスタリオンは古くから戦場にいるとウルフェミーは噂話を口にする

マイ
「魔女の始祖の魂を操っているのもマスタリオン
私のように魔法を持った者達がいる

けどあなたは心配しないでぶち殺して
それが私との誓いだ」

アリスト
「ぶち殺してくれって?
マイと同じような子をか?それが俺が出来るとでも?」

マイ
「出来るよあなたなら
だってあなたは既に狂っているんだから
狂剣士だったあなたはそうして生きるしかないの

ブリキの兵隊だ」


ブリキの兵隊 そう言われてアリストは戸惑う事なく笑った
そしてマイの魂を剣で切り刻む

アリスト
「決して操縦者から抗う術を失った兵隊
そんなブリキの兵隊である俺は
自らを狂わせることで殺せる日々を手に入れる…か

おもしれぇな
仲間を失った時よりは楽だし…楽しいだろうな」





そしてアリストは全ての一時的に復活している魂を切り刻んだ
それにブちぎれた奴らはアリストに攻撃していく

その攻撃をアリストは全て肉体魔法を駆使しながら
全ての攻撃を受け止めた

荒い息を流す皆
そこに血だけが飛び交っている

アリスト
「もう諦めはついたか?
諦めた…失った魂を救える方法はあるぞ?」

残った兵隊達
「それは何だ?」
「教えろ!」
「俺達はそれが欲しいんだ!」

アリスト
「では勝ち取れ!
心臓を殺せ!

全ての操ったマリオネットな心臓部分をよ!」


アリストを支持する奴らだけが残った
ウルフェミーは感心していた

ウルフェミー
「すげぇな…あいつ
俺と対立してた直ぐ前までは子供のようだったのに」

友人
「それはあの子が狂ってるからだよ
ウルフェミーも狂えるはずだ
僕の様にね…」


ウルフェミーの友人が氷漬けにされたのは
ゲノムに対して攻撃をしたからだった
そしてゲノムは仲間を犠牲にしていった

その度にゲノムの仲間は死んでいったのだが
それでも攻撃を止めなかった

友人
「ゲノムは僕をスカウトしたかったのだろう
でも僕はそのスカウト先が暗殺家だと知ってやらなかった

僕はこれでもちゃっかりと悔いってのは無いんだよ
だからウルフェミーも闇を討って欲しい」

ウルフェミー
「闇を…?
そいつは俺にとってどういう関係になる?」

友人
「世界の在り方が変わる
戦場では無い そんな世界にだよ」

ウルフェミー
「戦場の無い世界?
ははは そんな世界あるのか?
だけどよ そんな世界も俺は見てぇかもな

あばよ 俺も悔いをしないようにするぜ」


ウルフェミーは友人の魂を斬った
そしてアリストの軍勢に加わった
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