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奴隷城編

8話 奴隷たちの嘆き

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アリア
「クレアンの部下の悲鳴が聞こえる…
それにクレアンの声がもう聞こえない
私は待てない!」

アリアが行こうとする



ノギア
「今行ったらクレアンの意志が潰える
生死をさまよった私の思考は魂寄りになった

だから聞こえるの…クレアンの意志が
私達の力になろうと指標になろうと
その意志が私に語り掛けているのよ

あなた達はまだ使うべきではないと」

アリア
「でも…黙ってみてろなんて
空中要塞都市の件以来はとても出来ないわ」

アリアとノギアが言い争う
それを通り過ぎるように

キャリィ
「私が行くしかない」




アリア
「あなたは駄目よ
奴隷から抜け出せたのだから
あなたもまた奴隷になるのは嫌でしょう
それに奴隷城で助けたいのは奴隷だから

あなたも奴隷だったんだ
だから私はノギアの件もあって、これ以上あなたに負担はさせられないのよ」

キャリィは精一杯表情筋を緩くして見せた
脳だけで動いている状態のようなものだ

四肢の無いキャリィでは脳で動かしている



キャリィ
「奴隷で無くなった日は少なかったけれど
それでも嬉しかったし、思い残す事はもう無い

それ程楽しかった 少しの間ではあったけれども
あなた達のぬくもりに触れることが出来て」

車椅子型に搭載されていたジェットを起動して向かうキャリィ

アリアが向かうがノギアに止められる
ノギアの身体を振り払う



アリア
「これ以上の葛藤は必要がないんだ
私もあれから何度も考えたし悩んだ
けど結局動いていくしかないって事が理解した

暴力介入しないと駄目なんだ」

アリアは覚悟して向かった

ジェシファー
「やれやれだなおい」

ノギア
「どうして…」

ノギアはアリアの行動が許せなかった

ジェシファー
「確かにノギアの言い分は分かる
でもアリアってさ、いっつも前のめりで正義に投じてきたじゃん
それは私達でいた生活でもう分かってるだろ?

だから私もついていくよ
ノギアは…もちろんついてくるだろ?」

ノギアは溜息をしながらアリアの思いを受け継いで付いていく




~奴隷城の橋~

キャリィは後ろから付いてきている音に敏感に反応した
脳型の奴隷となってからは、音に敏感だ
だから後ろにいることが分かる

キャリィ
「イーリル将軍とクレアンは任せたの」

キャリィは怨念に問いかける事にした




アリアはクレアンが倒れているのを見る

アリア
「クレアン!しっかりしなさい!」

クレアンは死んだ目で浮かんでいる
意識が無いのを分かり、起こさせようとする

ジェシファーはイーリル将軍のデカさに驚愕する

ジェシファー
「マジ?これを倒すの?」

ノギア
「だから言ったでしょ」

イーリル将軍
「こんな橋まで来たからには、殺されたいのか?
殺してやろう 望むならな」

イーリル将軍は怨念をぶっ飛ばす
ジェシファーは即効気絶した
ノギアは気絶しなかった




ノギア
「怨念は私に元々流れている
アリアへの憎しみとなってね」

アリアへの憎しみ
それはキャリィが助けてくれた事によっても
そしてその後のアリアのまだ正義を掴もうとする意志に対する憎しみも
そこには存在していた

ノギア
「私はこの考えと一緒に生きる事にしたから
今があるの…だから崩れないのよ心は」

怨念を飛ばされても、ノギアは反応しない




イーリル将軍
「俺の怨念能力に対して最も相性の悪い奴だ」

アリアへと移す
アリアは気絶しかける

ジェシファー
「あぁ、アリアは正義感が大きいから
怨念ぶつけられたら馬鹿正直だから抑えられないよ」

ノギアが焦り出すが
キャリィは怨念へと言葉を脳でかわしていた




キャリィ
「私はキャリィ」

怨念に問いかけていた
キャリィの周りに白い霧が包む
ジェシファーが止めに入ろうとするがノギアが防ぐ

ノギア
「信じるのよキャリィを」



「キャリィ?キャリィなの?」

怨念の中の声が木霊する
それはキャリィの奴隷の時の友達だった

キャリィ
「奴隷城に行く前に知り合った数少ない友達ね
私、奴隷から逃げ出したね あの時はごめん」

「何言ってるの
あの時誰かが逃げてくれれば私は良かったから」

キャリィ
「その後私は、逃げても奴隷として扱われていた
けどその町で、彼女たちに出会った
そして奴隷として生きることを抜け出せた」

彼女たち3人をキャリィは見せる
脳型共鳴で車椅子型のキャリィの脳内から発せられる
その発信によってキャリィの友達は、それまでの光景を魅せられる




キャリィ
「私の数少ない友達の為に抑えてほしい」

怨念達はそのまま抑える事にする

イーリル
「怨念の反応が変わった?」

イーリル将軍へと怨念の心が入って来るように感じた
そしてイーリル将軍は心の畏怖を感じた

イーリル
「何故だ?奴隷城へ幽閉されて
奴隷として怨念のまま成仏できなかったはずの魂だろう?」

アリア
「それは違うわ」




アリアが意識を起こしていた
襲っていた怨念がいなくなっていた

ジェシファー
「白い霧が…なくなっていく…!」

白い霧がイーリル将軍に集中して向かっていく
そしてクレアンも起き出す

アリア
「奴隷たちは気付いたの
奴隷解放する私達の意志と共鳴してね

だから次はあなたがその暴力的な共鳴に抑え込まれる番だ!」

イーリル将軍に怨念が食い止めていた





クレアンは少しだけ意識を取り戻してこう言った

クレアン
「奴隷城へ向かいなさい」

アリア
「それじゃあクレアンが」

クレアン
「大丈夫 イーリル将軍はああやって抑え込まれているから
私の部下が死んでいったからね せめてもの償いさこれは」

アリアは了解した
そしてそのまま奴隷城の門へと向かっていった
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