奴隷の為の楽園を夢見て

宣言編

５話 犠牲と感謝

喜びも束の間

ノギア
「四肢切断された私はこれから何を考えて生きて行けばいいの」

涙と怒りでいっぱいだった
キャリィは目の前に塞がる

キャリィ
「私が…ノギアの身体になる…」

キャリィは元は身体を提供する奴隷になる予定だったらしい
身体を差し替えれる人間を奴隷と呼んでいる

キャリィ
「私は命惜しさに逃げた…その後、追手から３人に助けられた…だから惜しくないよ…」

短い間の感謝
身体を差し出す覚悟がキャリィにあった

キャリィの身体がそのままキャリィの意志によって
身体がノギアへと移行されていく




キャリィは四肢切断の状態となっていた
ノギアは四肢がキャリィの身体だったが蘇ったので

嬉しそうに飛び上がりながら
涙しながら感謝した

キャリィ
「奴隷だから当然…」

アリア
「そうだね　奴隷だから当然よね」

ジェシファー
「そうそう　奴隷は尽くす種族って聞くし」

ノギア
「だよね」

３人も当然と認識していた
それが当たり前と思われるレベルの認識力が世界に存在していたからだ




クレアン
「やっぱり平和主義者は無知なんだな」

ジェシファー
「な…なにがさ…！」

クレアンの無知発言に怒る
３人は事の真相が分からない

クレアン
「けど、その光景を何も感じないのなら無知だろ」

クレアンは四肢切断状態のキャリィに指をさす

クレアン
「世界中でその概念が普通だと蔓延している

気付かせてくれたのも命を張った奴隷の数々
その犠牲でやっと分かったんだよアタシもな」

クレアンも元は同じように無知のままの認識だった
しかし、命を張り続ける奴隷へ
普通だと思っていた状態から次第にそれが普通では無いという認識に気付き始めたのだ




クレアン
「ノギアみたいに、自ら実験されなければ理解が出来ない」

ノギアの光景を思い出す
四肢切断されたノギアを見た時、２人は涙を流したはずだった
ノギアも涙を流していたはずだ
３人は涙を流して思い出してから、キャリィの光景を再度見てその現状をやっと認識として理解した

キャリィへと謝罪する３人
キャリィは笑った

キャリィ
「それは娘の人に言って…」

娘はパラシュートから姿を取り戻していた
しかしそれは、体が乖離した状態だ

娘
「店主は嫌いだった　いつも怒鳴ってばかりの嫌味な奴だった
それでも、まあまあ楽しかったの　あそこって

だから後悔はあるね
奴隷ってのが何なのか分かって、
私が話していた子が連れていかれる光景見て
そして空中要塞で分かった

成れの果てとして、最後に純情な心持った人救えて私は嬉しかったよ

じゃあね」

娘はそのまま消滅していった




アリアは一人風の靡きを感じながら佇む

アリア
「平和というのを履き違えてたのね」

クレアン
「じゃあどうするのさ」

アリアは振り返った

アリア
「奴隷を解放する！」

アリアはそう宣言した