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【人は語る】証言者:アラカンカップル。
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【証言:新井しのぶ】
俺、新井しのぶ(28)が、ミキに誘われて、やつが懇意にしていた女性(変な意味ではない)が経営するカフェの手伝いに行くのも、今回で2回目だ。
「しのぶさぁぁぁん!!合法ショタコスプレしましょっ!!」
相変わらず頭が緩い。これで営業成績トップなんだから、世界は不思議に満ち溢れてる。
用意された衣装はドラキュラ……なのだろうけど、何故か子どもが履くようなピタピタの黒い半ズボンにサスペンダー、白いシャツに蝶ネクタイ。おいおい、コレを俺が着ろと?まぁ、似合うだろうけどさ。
頭に帽子の機能を果たしてない小さなシルクハットも髪留め?みたいな器具で留める。
ミキは堂々と生足だ。
俺も別に足出しても良いんだが……
「ダメっ!しのぶさんの生足は僕だけのものです!」
足元に縋り付くミキにため息を吐きながら、これまたミキが用意した濃紺の分厚いタイツを履いた。
「これはこれで滾ります!しのぶさん可愛いっ!」
それは俺が良く知ってるし、
「ミキも可愛いよ」
そう、ミキも可愛いんだ。
そんな俺ら、ミニマムカップル。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
今回手伝ったカフェのイベントはハロウィン。
ほとんどミキの独壇場だった。すっげー活き活きしてて見てて楽しかった。本当に人と関わるのが好きなんだろう。営業向きだ。
イベント中、俺らが良く仕事で使ってるハンドサインを使って来た時は、流石に驚いたが、あの騒がしい中を滞りなく進行させるには良い選択だったと思う。てか、コレ営業以外に使われたのには笑った。だいぶ難読だったけどな。
「しのぶさんなら絶対分かってくれるって思ってましたもん!」
とムギュムギュ抱き着いて顔をグリグリ押し付けられたらドヤるしかないだろ。
怒涛の2日間のイベントを終え、店主の湯浅さん、アルバイトのゆう君、健人君、ミキと俺で少しお喋りをした。
最初から、ゆう君と健人君は年下だろうなとは思ってたけど、……まぁ、その通りだった。
若いねぇ。
ミキと健人君が同級生なのは偶然だったな。
ミキが一生懸命早生まれだのなんだの言って年上ぶろうとしてたのも面白い。
奴には、職場で同年代が殆ど居ないから、良い出会いになったのかな。
最後には4人で連絡先を交換し合ったし。
てか……聞いてないけど、ゆう君と健人君て付き合ってそう。
2人の空気感が、とても優しい雰囲気だった。
結局、2人の関係は特に深堀りせずに解散。
まぁ、一緒に遊んだ時にでも聞けばいいかなっと思っていたけど、俺が運転する帰りの車の中でミキが答え合わせをしてくれた。
「あの2人、付き合ってまだ間もないらしいですよ。ゆう君に聞きました。いいなぁぁぁー!!初々しくて!」
「お前……良くそんな事この2日間で突っ込めたな?」
「えー?そんな気を使う事ですかね?僕たちラブラブだよー!って教えたらすっごい食いつかれました。うふふ!弟が出来たみたいで嬉しいっ」
ミキは早々に俺らの関係をゆう君に教えたのだろう。に、してもやっぱり付き合っていたのか。
弟……確かに年下だし。
「けど弟にしてはデカ過ぎやしないか?」
「そうそれ!ね?弟のクセにゆう君は170超えだし健人に至っては180あるんだって!!」
同級生の健人君は呼び捨てか……次会った時2人のやり取りが楽しみだ。
「うん、あの2人本当に背が高かった。あとスタイルもいい。特にゆう君」
「分かりますっ!色々お洋服着させたいっ」
「鍛えてるのかな?」
「あ!ソレなんですけどね、フィットネス系のゲームアプリがあるみたいで……」
ゆう君から教えて貰ったアプリの説明をミキから聞きながら、俺は運転を続けた。
「今日は僕、しのぶさんちに泊まりますからね?」
「ん、おけ」
「今夜の衣装……すっごいですから……」
「うん?」
「ハロウィンはまだ終わってませーん!今夜は2人でトリックとトリートで楽しみましょうね!」
凄い衣装……可愛いんだろうな……ニヤニヤ顔を隠さずにいたら、
「しのぶさんの分もありますからね?」
と、きゅるんと可愛い顔を向けられた。
まぁぁぁ、そうなるよな!
✂ーーーーーーーーーーーーーーーー✂
少し早いですが、ハッピーハロウィン!
俺、新井しのぶ(28)が、ミキに誘われて、やつが懇意にしていた女性(変な意味ではない)が経営するカフェの手伝いに行くのも、今回で2回目だ。
「しのぶさぁぁぁん!!合法ショタコスプレしましょっ!!」
相変わらず頭が緩い。これで営業成績トップなんだから、世界は不思議に満ち溢れてる。
用意された衣装はドラキュラ……なのだろうけど、何故か子どもが履くようなピタピタの黒い半ズボンにサスペンダー、白いシャツに蝶ネクタイ。おいおい、コレを俺が着ろと?まぁ、似合うだろうけどさ。
頭に帽子の機能を果たしてない小さなシルクハットも髪留め?みたいな器具で留める。
ミキは堂々と生足だ。
俺も別に足出しても良いんだが……
「ダメっ!しのぶさんの生足は僕だけのものです!」
足元に縋り付くミキにため息を吐きながら、これまたミキが用意した濃紺の分厚いタイツを履いた。
「これはこれで滾ります!しのぶさん可愛いっ!」
それは俺が良く知ってるし、
「ミキも可愛いよ」
そう、ミキも可愛いんだ。
そんな俺ら、ミニマムカップル。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
今回手伝ったカフェのイベントはハロウィン。
ほとんどミキの独壇場だった。すっげー活き活きしてて見てて楽しかった。本当に人と関わるのが好きなんだろう。営業向きだ。
イベント中、俺らが良く仕事で使ってるハンドサインを使って来た時は、流石に驚いたが、あの騒がしい中を滞りなく進行させるには良い選択だったと思う。てか、コレ営業以外に使われたのには笑った。だいぶ難読だったけどな。
「しのぶさんなら絶対分かってくれるって思ってましたもん!」
とムギュムギュ抱き着いて顔をグリグリ押し付けられたらドヤるしかないだろ。
怒涛の2日間のイベントを終え、店主の湯浅さん、アルバイトのゆう君、健人君、ミキと俺で少しお喋りをした。
最初から、ゆう君と健人君は年下だろうなとは思ってたけど、……まぁ、その通りだった。
若いねぇ。
ミキと健人君が同級生なのは偶然だったな。
ミキが一生懸命早生まれだのなんだの言って年上ぶろうとしてたのも面白い。
奴には、職場で同年代が殆ど居ないから、良い出会いになったのかな。
最後には4人で連絡先を交換し合ったし。
てか……聞いてないけど、ゆう君と健人君て付き合ってそう。
2人の空気感が、とても優しい雰囲気だった。
結局、2人の関係は特に深堀りせずに解散。
まぁ、一緒に遊んだ時にでも聞けばいいかなっと思っていたけど、俺が運転する帰りの車の中でミキが答え合わせをしてくれた。
「あの2人、付き合ってまだ間もないらしいですよ。ゆう君に聞きました。いいなぁぁぁー!!初々しくて!」
「お前……良くそんな事この2日間で突っ込めたな?」
「えー?そんな気を使う事ですかね?僕たちラブラブだよー!って教えたらすっごい食いつかれました。うふふ!弟が出来たみたいで嬉しいっ」
ミキは早々に俺らの関係をゆう君に教えたのだろう。に、してもやっぱり付き合っていたのか。
弟……確かに年下だし。
「けど弟にしてはデカ過ぎやしないか?」
「そうそれ!ね?弟のクセにゆう君は170超えだし健人に至っては180あるんだって!!」
同級生の健人君は呼び捨てか……次会った時2人のやり取りが楽しみだ。
「うん、あの2人本当に背が高かった。あとスタイルもいい。特にゆう君」
「分かりますっ!色々お洋服着させたいっ」
「鍛えてるのかな?」
「あ!ソレなんですけどね、フィットネス系のゲームアプリがあるみたいで……」
ゆう君から教えて貰ったアプリの説明をミキから聞きながら、俺は運転を続けた。
「今日は僕、しのぶさんちに泊まりますからね?」
「ん、おけ」
「今夜の衣装……すっごいですから……」
「うん?」
「ハロウィンはまだ終わってませーん!今夜は2人でトリックとトリートで楽しみましょうね!」
凄い衣装……可愛いんだろうな……ニヤニヤ顔を隠さずにいたら、
「しのぶさんの分もありますからね?」
と、きゅるんと可愛い顔を向けられた。
まぁぁぁ、そうなるよな!
✂ーーーーーーーーーーーーーーーー✂
少し早いですが、ハッピーハロウィン!
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