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「優しくするからね。痛い事も、怖い事もしない。約束するからね?」
寝室はベッドに移動して、明かりを常夜灯にする。
ゆん君が落ち着く明かり。
彼を絶対に不安がらせてはいけない。
色々と準備を整えて、いざ、と進もうとするのだけど、どう手を出したら良いか考え過ぎてしまい、初めてでも無いのに間を持て余してしまう。
そんな俺の態度に痺れを切らしたのか、ゆん君は少し不満気な顔をしていた。
暗がりでもわかるくらい。
そして、俺の事が好きだと、少しくらい強引にされても大丈夫だと……彼の口から言わせてしまった。
俺の態度のせいだ。
来るかどうかも分からなかった、ゆん君との初体験は、もっとスマートに俺がリードして……なんて夢想していたのに、実際はこんなにも情けなくてみっともなくて、格好悪い。
「やめますか?」
そんな事まで聞かれてしまう。
「したい」
そう。したいんだ。
ゆん君とエッチを最後までしたいんだよ。
なんだかんだ理由付けて、あーだのこーだの言ってるけど、結局はゆん君が欲しい。
「じゃぁ、そんなしんみりした態度してないでください。なんか悲しくなります。俺の体、そんなに魅力無いですか?」
そう言われた後すぐに、パッと部屋が明るくなった。
ゆん君の手には照明のリモコンが握られている。
明るくなった部屋の中で、彼は勢い良くシャツを脱いだ。
晒される上半身。……綺麗だ。
「俺の体では、興奮してくれませんか?」
俺が、ゆん君の半身に見惚れていると、今度は膝立ちになり、あろう事か、彼は自分のズボンに手をかけ、パンツと一緒にズリ下げた。
え?
見ればゆん君の顔は真っ赤で、身体を震わせている。
恥ずかしいのか、緊張なのか、分からない。
でも、明るい部屋でセクシャルな意味を持って裸体を晒す事を苦手としている彼が、俺を興奮させる為に、明るい部屋の中で服を脱いだのだ。
それが、彼にとってどれだけ勇気がいることか。今までの行為を考えれば、想像もついたし、こんなにも俺は彼に想われているのだと実感した。
「……!……興奮しないなんて……無理だよ……!」
可愛くて、健気で、愛しくて、大好きで、悲しい気持ちにさせたくなくて……とにかく、ゆん君と言う存在を心から愛したくて、感情に動かされるがままに、彼に抱きつきそのままベッドに押し倒した。
「ゆん君がカッコよくて、俺が情けない……」
愛しさの臨界点を突破してしまえば、可愛がりたくて愛したくて仕方なくて、頬や耳に吸い付くようにキスを繰り返す。
好き……!大好きっ!愛してる!可愛い…可愛い…そんな気持ちを込めて、キスを楽しんでいると、頭を撫でられた。
「なんか……立場逆転してるみたいですね。……俺、タットさんの事、抱きましょうか?」
あぁ、それもいいな。いつか、ゆん君の童貞も欲しい。
「それは今度ね……」
俺が肯定的な返事をすると、ゆん君の目が大きく見開いた。
ふふっ。かわいい。
けどまぁ……
「ゆん君が出来るなら、だけど」
しばらくは、俺に抱かれていてね?
吹っ切れた……と、言えばそうなのかな?
ゆん君の気持ちが、真っ直ぐに俺に向いてくれている事が実感出来て、ニヤケ顔が治まらない。
俺も単純だな。
しかも、ゆん君が明かりをつけてくれたおかげで彼の裸体もよく見える。
「はぁ……相変わらずいい身体してるよね……こんな明るい中で、ゆん君とエッチな事出来るの……嬉しい……」
指で触れるか触れないかのタッチで、腹筋を撫でると、
「んんっ…………」
と、可愛い声が聞けた。
「ふふ……かわいい……」
「タットさん……電気を暗くしませんか……?」
「なんで?ゆん君が明るくしてくれたのに……」
今日は、このまましてもいいかな。
「は……恥ずかしいです……」
「うん、恥ずかしがるゆん君、とてもかわいいよ。もっとよく見せてね。……嬉しいなぁ、ゆん君、少しくらい強引でもいいって……」
そう言う意味で言ったわけではないのは重々分かっているけどね。
「言いましたけど!そう言うつもりでは……」
「だめ?」
笑顔で小首を傾げて聞くと、大抵許してくれるのも知ってる。
ゴメンね、悪い大人で。
その代わり、俺も着ていた服を脱いで全裸になった。
「ほら、全部見えちゃうのは俺も一緒。……俺の方が筋肉ついてないから見られるの恥ずかしいかも……」
「なら暗く……」
「しないけどね」
ゆん君は観念して、明るいままセックスする事を許してくれた。
寝室はベッドに移動して、明かりを常夜灯にする。
ゆん君が落ち着く明かり。
彼を絶対に不安がらせてはいけない。
色々と準備を整えて、いざ、と進もうとするのだけど、どう手を出したら良いか考え過ぎてしまい、初めてでも無いのに間を持て余してしまう。
そんな俺の態度に痺れを切らしたのか、ゆん君は少し不満気な顔をしていた。
暗がりでもわかるくらい。
そして、俺の事が好きだと、少しくらい強引にされても大丈夫だと……彼の口から言わせてしまった。
俺の態度のせいだ。
来るかどうかも分からなかった、ゆん君との初体験は、もっとスマートに俺がリードして……なんて夢想していたのに、実際はこんなにも情けなくてみっともなくて、格好悪い。
「やめますか?」
そんな事まで聞かれてしまう。
「したい」
そう。したいんだ。
ゆん君とエッチを最後までしたいんだよ。
なんだかんだ理由付けて、あーだのこーだの言ってるけど、結局はゆん君が欲しい。
「じゃぁ、そんなしんみりした態度してないでください。なんか悲しくなります。俺の体、そんなに魅力無いですか?」
そう言われた後すぐに、パッと部屋が明るくなった。
ゆん君の手には照明のリモコンが握られている。
明るくなった部屋の中で、彼は勢い良くシャツを脱いだ。
晒される上半身。……綺麗だ。
「俺の体では、興奮してくれませんか?」
俺が、ゆん君の半身に見惚れていると、今度は膝立ちになり、あろう事か、彼は自分のズボンに手をかけ、パンツと一緒にズリ下げた。
え?
見ればゆん君の顔は真っ赤で、身体を震わせている。
恥ずかしいのか、緊張なのか、分からない。
でも、明るい部屋でセクシャルな意味を持って裸体を晒す事を苦手としている彼が、俺を興奮させる為に、明るい部屋の中で服を脱いだのだ。
それが、彼にとってどれだけ勇気がいることか。今までの行為を考えれば、想像もついたし、こんなにも俺は彼に想われているのだと実感した。
「……!……興奮しないなんて……無理だよ……!」
可愛くて、健気で、愛しくて、大好きで、悲しい気持ちにさせたくなくて……とにかく、ゆん君と言う存在を心から愛したくて、感情に動かされるがままに、彼に抱きつきそのままベッドに押し倒した。
「ゆん君がカッコよくて、俺が情けない……」
愛しさの臨界点を突破してしまえば、可愛がりたくて愛したくて仕方なくて、頬や耳に吸い付くようにキスを繰り返す。
好き……!大好きっ!愛してる!可愛い…可愛い…そんな気持ちを込めて、キスを楽しんでいると、頭を撫でられた。
「なんか……立場逆転してるみたいですね。……俺、タットさんの事、抱きましょうか?」
あぁ、それもいいな。いつか、ゆん君の童貞も欲しい。
「それは今度ね……」
俺が肯定的な返事をすると、ゆん君の目が大きく見開いた。
ふふっ。かわいい。
けどまぁ……
「ゆん君が出来るなら、だけど」
しばらくは、俺に抱かれていてね?
吹っ切れた……と、言えばそうなのかな?
ゆん君の気持ちが、真っ直ぐに俺に向いてくれている事が実感出来て、ニヤケ顔が治まらない。
俺も単純だな。
しかも、ゆん君が明かりをつけてくれたおかげで彼の裸体もよく見える。
「はぁ……相変わらずいい身体してるよね……こんな明るい中で、ゆん君とエッチな事出来るの……嬉しい……」
指で触れるか触れないかのタッチで、腹筋を撫でると、
「んんっ…………」
と、可愛い声が聞けた。
「ふふ……かわいい……」
「タットさん……電気を暗くしませんか……?」
「なんで?ゆん君が明るくしてくれたのに……」
今日は、このまましてもいいかな。
「は……恥ずかしいです……」
「うん、恥ずかしがるゆん君、とてもかわいいよ。もっとよく見せてね。……嬉しいなぁ、ゆん君、少しくらい強引でもいいって……」
そう言う意味で言ったわけではないのは重々分かっているけどね。
「言いましたけど!そう言うつもりでは……」
「だめ?」
笑顔で小首を傾げて聞くと、大抵許してくれるのも知ってる。
ゴメンね、悪い大人で。
その代わり、俺も着ていた服を脱いで全裸になった。
「ほら、全部見えちゃうのは俺も一緒。……俺の方が筋肉ついてないから見られるの恥ずかしいかも……」
「なら暗く……」
「しないけどね」
ゆん君は観念して、明るいままセックスする事を許してくれた。
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