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本編
25-カナタ キリ は、帰りたい。
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大変だ……下半身が…いつもと違う……いや、違うのは全身……!?
目が覚めて、体を動かそうとしたら思い通りに動かなかった。
最初におかしいと思ったのは……お尻と腰。なんか、筋肉痛みたいな痛みを感じた。
次におかしいと思ったのは、全部。
動こうと思ったら動けなかった。
こっちは痛みとかじゃなかったから、なんとか動こうと頑張る。
「んんぅー!」
と、伸びをしたら余計に動けなくなった。
「キリ、うるせぇ」
頭の上からサガリ君の声がした。
あ、そうか。
全身動けなかったのはサガリ君に抱き締められていたからだ。
んんー?でもほんのり全身筋肉痛……でも、ある。
「おはよう、サガリ君」
「はよ」
サガリ君はまだ寝惚けてるみたい。
昨日、色々有りすぎてグッスリ眠っちゃったっぽい。
時計を見たら朝の時間はだいぶ過ぎていた。
今日も仕事が休みで良かった……
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
本当は、すぐにでも自分のアパートに戻りたかったんだけど、戻ったのは夕方だった。
しかも、サガリ君までついてきた。
「キリ、お前本当に自分で普通に歩けてると思ってんのか?」
って言われたけど、……一応歩けてるつもりだった……。
「いろいろフワフワしてる。全身花畑にしか見えねー。色んな意味で危ないから俺も行く」
確かに起きたばっかりの時は全身がダルかった。でもサガリ君にご飯作って貰って食べさせて貰って、なんか……こう……あまーい雰囲気とかがあって……そんな中でラキちゃんのSNSチェックしたら昨日の夜中にゲリラ配信があってソレを見逃したショックに打ちひしがれて……あぁ、ゲリラ配信……!!ゲリラ配信があっただなんて!!確かにライブ後はゲリラ配信しがちのラキちゃんだから!!あって当然と言えば当然だけど!!お歌もちょっと歌ってたんだって!!アーカイブ!!アーカイブも残ってなくて!!いやでも昨日のイベントめっちゃ楽しかったし!!これからの活動も楽しみだし……!!告知!!告知出ないかな!!
「あの……まぁ、悪かったよ……ラキの配信見逃したのは、その……謝る……ごめん……」
僕の感情がいろいろ迷子になっている所に、サガリ君がショボンと謝ってくる。
あ、違う違う。サガリ君は悪くない。
「んーん、んーん。違うよ。サガリ君は全然悪くないよ。ラキちゃんのゲリラ配信だって、見逃す事だってあるもん。違うの、あの……昨日、いろいろ有りすぎて……自分の感情がね、ちょっと迷子になってるだけ」
「ん……」
ショボンとしたサガリ君がいつもより年下っぽく見えたのは、内緒。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
自分のアパートに戻ると、何故かサガリ君も僕の部屋に入ってきた。
ワンルームの狭い部屋なのに。
サガリ君はベッドの上に座って、物珍しそうに僕の部屋をキョロキョロ見ている。
「すげぇな、この部屋。情報で見るよりずっと狭い……」
「え?」
「あぁ、世間一般的な広さってこう言うものなのかって話だ」
「あー、6畳って言われても想像つかないもんね」
「そう言う事」
荷物の片付けが終わると、サガリ君が僕に向かってチョイチョイと手招きをした。
僕もそれにつられてベッドの上に乗る。
安いパイプベッドなのでギシギシと音が鳴るけど……壊れないよね?
「でも狭いっていいな。必然的にくっつくしか無い」
そう言って僕を抱き締めてくれた。
僕もサガリ君にギュッて抱き着く。
この感覚、幸せな気持ちになるよね。
キスがしたくて顔を上げると、唇にチュってしてくれる。
コレも好き。
僕がヘラッてだらしなく笑うと、サガリ君が「あ゛ー……」ってため息をついていた。
「離れたくねぇ……」
って……
目が覚めて、体を動かそうとしたら思い通りに動かなかった。
最初におかしいと思ったのは……お尻と腰。なんか、筋肉痛みたいな痛みを感じた。
次におかしいと思ったのは、全部。
動こうと思ったら動けなかった。
こっちは痛みとかじゃなかったから、なんとか動こうと頑張る。
「んんぅー!」
と、伸びをしたら余計に動けなくなった。
「キリ、うるせぇ」
頭の上からサガリ君の声がした。
あ、そうか。
全身動けなかったのはサガリ君に抱き締められていたからだ。
んんー?でもほんのり全身筋肉痛……でも、ある。
「おはよう、サガリ君」
「はよ」
サガリ君はまだ寝惚けてるみたい。
昨日、色々有りすぎてグッスリ眠っちゃったっぽい。
時計を見たら朝の時間はだいぶ過ぎていた。
今日も仕事が休みで良かった……
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
本当は、すぐにでも自分のアパートに戻りたかったんだけど、戻ったのは夕方だった。
しかも、サガリ君までついてきた。
「キリ、お前本当に自分で普通に歩けてると思ってんのか?」
って言われたけど、……一応歩けてるつもりだった……。
「いろいろフワフワしてる。全身花畑にしか見えねー。色んな意味で危ないから俺も行く」
確かに起きたばっかりの時は全身がダルかった。でもサガリ君にご飯作って貰って食べさせて貰って、なんか……こう……あまーい雰囲気とかがあって……そんな中でラキちゃんのSNSチェックしたら昨日の夜中にゲリラ配信があってソレを見逃したショックに打ちひしがれて……あぁ、ゲリラ配信……!!ゲリラ配信があっただなんて!!確かにライブ後はゲリラ配信しがちのラキちゃんだから!!あって当然と言えば当然だけど!!お歌もちょっと歌ってたんだって!!アーカイブ!!アーカイブも残ってなくて!!いやでも昨日のイベントめっちゃ楽しかったし!!これからの活動も楽しみだし……!!告知!!告知出ないかな!!
「あの……まぁ、悪かったよ……ラキの配信見逃したのは、その……謝る……ごめん……」
僕の感情がいろいろ迷子になっている所に、サガリ君がショボンと謝ってくる。
あ、違う違う。サガリ君は悪くない。
「んーん、んーん。違うよ。サガリ君は全然悪くないよ。ラキちゃんのゲリラ配信だって、見逃す事だってあるもん。違うの、あの……昨日、いろいろ有りすぎて……自分の感情がね、ちょっと迷子になってるだけ」
「ん……」
ショボンとしたサガリ君がいつもより年下っぽく見えたのは、内緒。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
自分のアパートに戻ると、何故かサガリ君も僕の部屋に入ってきた。
ワンルームの狭い部屋なのに。
サガリ君はベッドの上に座って、物珍しそうに僕の部屋をキョロキョロ見ている。
「すげぇな、この部屋。情報で見るよりずっと狭い……」
「え?」
「あぁ、世間一般的な広さってこう言うものなのかって話だ」
「あー、6畳って言われても想像つかないもんね」
「そう言う事」
荷物の片付けが終わると、サガリ君が僕に向かってチョイチョイと手招きをした。
僕もそれにつられてベッドの上に乗る。
安いパイプベッドなのでギシギシと音が鳴るけど……壊れないよね?
「でも狭いっていいな。必然的にくっつくしか無い」
そう言って僕を抱き締めてくれた。
僕もサガリ君にギュッて抱き着く。
この感覚、幸せな気持ちになるよね。
キスがしたくて顔を上げると、唇にチュってしてくれる。
コレも好き。
僕がヘラッてだらしなく笑うと、サガリ君が「あ゛ー……」ってため息をついていた。
「離れたくねぇ……」
って……
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