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食べたい2人の番外編
古川さんの誕生日。後★
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2月はバレンタインの季節だが、俺の中ではソレより何よりタットさんの誕生日の方が断然重大イベントだ。
なんせお付き合いが始まって初めての誕生日だしな。
なので、作ったテリーヌショコラは誕生日プレゼントと一緒に渡す事にした。
ちなみに、バレンタイン用のチョコは念の為、別に用意してある。
「はい、タットさん。お誕生日おめでとうございます。コレ、俺からのプレゼントです」
誕生日当日、バレンタインよりも早い時期。
作ったテリーヌショコラとプレゼントを渡した。
2人分を切り分けて、百均で買ったケーキボックスに入れてある。
味見もしたが、悪くない出来だった。
誕生日当日は、平日だったので特別な事はせずにタットさんちにお泊まりだけ。
食事も特別な事はせず、週末にイシヤマさんのお店でお祝いする約束をしている。
とは言え、せっかく当日を過ごすのだからプレゼントくらいは渡したい。
「わぁー。ゆん君ありがとう。ケーキも買ってきてくれたの?嬉しい」
プレゼントの袋を胸に抱いてケーキボックスを眺める姿が可愛い。
「いや、コレは俺が作ったんです……初めて作ったのですが、味は悪くなかったです」
「え?」
ニコニコと笑っていたタットさんの表情が固まった。
「手作り?」
「はい」
「ケーキを?」
「ケーキと言うか、ユネさんのレシピ本のテリーヌショコラです」
「マジ!?」
「マジです」
良く見ればお店の名前も何も書いてないボックスなので、気付けると思ったが、タットさんは買ってきたと思い込んでたらしい。
タットさんは、プレゼント袋を膝上に置き直し、宝箱を扱うかのように、ゆっくり大切にケーキボックスを開けた。
目をキラキラ輝かせていて、イロトリのデザートを前にしている表情と一緒だった。
「今、一緒に食べたい」
「もちろんです。コーヒーにしますか?」
「うーん……ゆん君、笑わない?」
「何がですか?」
「ホットミルクがいいなぁ……」
ちょっと恥ずかしそうにリクエストするタットさんが、とてつもなく愛おしかった。
マグカップに牛乳を注いでレンジで温める。
その間にタットさんはお皿にテリーヌショコラを移し替えていた。
「凄いね、イロトリのテリーヌショコラと見た目一緒だ。でもこっちの方が分厚い!!」
欲張ったのがバレてしまった。
タットさんが、またプレゼントの袋を抱え直して機嫌良く左右に揺れているのが何かのオモチャみたいで可愛い。
温まったマグカップをテーブルに置いて、隣に座った。
ジリジリとタットさんが近寄り、ピッタリと密着する。
俺も負けじとグリグリと身体を押し付けた。
「んふふ……暖かい」
「はい、暖かい……あ、そうだ。プレゼント、今開けてください」
「うん!一緒に開けたかったから、待ってたんだ」
ニコニコの笑顔で抱えていた袋を丁寧に開けていくタットさん。俺はラッピングとか割と気にしないでビリビリ破くタイプなので、ちょっと心が早く早くとソワソワしてしまう。
「ふかふか……」
出てきたのは、青地のルームシューズ。くるぶしの上まで覆えるタイプだ。
「あ、ワーキングウエアを専門に取り扱ってるお店のだね」
「はい。タットさん在宅ワークの時に足先がとても冷えるって言ってたじゃないですか」
「うんうん、この季節はね、特に寒いんだ」
「コレ、ネットの評判が良かったので」
話しながら、タットさんは早速履き始めていた。
「おおー。足首まであるって嬉しいね。既に暖かい。大事に使わせてもらうよ」
そう言って、俺の頬にキスをしてくれた。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
プレゼントも無事開けてもらえたので、2人でテリーヌショコラを食べる。
手作りのお菓子を食べてもらうのは初めてなので緊張する。
「うん、美味しい」
「良かったです」
安心して、俺も1口食べる。
うん、味見した時と一緒だ。
「チョコもすごく滑らかだね。胡桃も香ばしくてチョコと合ってる。凄いね、ゆん君はお菓子作りも出来ちゃうなんて」
「ありがとうございます……イロトリと全く一緒とまではいきませんが、これはこれで有りかなと俺は作ってみて思いました」
そう、レシピ通りに作ったのに、口溶けも滑らかさもイロトリのテリーヌショコラとは違った。
美味しいは美味しいんだけど。
それでもタットさんは喜んで食べてくれた。
そんなタットさんの様子を見て、俺は嬉しくなって自然と笑みがこぼれてしまう。
「イロトリで食べた時、チョコだからと思ってコーヒー頼んだんだけど……」
タットさんがホットミルクをフーフー冷ましながらチビチビ飲んでいる。
「ふふっ……やっぱりね、ホットミルク合うねぇ!!」
唇の上に牛乳跡が付いている。
可愛いの権化がここに居た。
「タットさん、牛乳付いてます」
そう言って、俺はタットさんの牛乳跡をペロっと舐めた。
……で、ちょっとジッと目を見つめる。
まだ、えっちなお誘いを露骨にするのは恥ずかしくて出来ないが、キスを仕掛けて意思表示をするのは、何とか出来るようになって来ている。
コレが今の俺の精一杯。
けど、タットさんはすぐに気付いてくれて、薄らと目を細めた。
「ふふっ、ゆん君から誘って貰っちゃったって思っていい?」
分かってるクセに聞いてくる。
俺はコックリと縦に頷き、タットさんに抱き着いた。
♡.*・゚┈┈┈┈┈┈┈┈゚・*.♡
寝室はベッドの上。俺が安心出来るようにと光は常夜灯。
「今日はどこまで?」
シャツの中に手を入れられ、上半身をサワサワと撫でられている。
ゾワゾワする感覚に震えながら、どこまで……と、ちょっと考えてしまった。
いつだって最後までシたい気持ちはあるけど……
「あっ……あんっ……」
応えに時間を置いていたら、乳首をグリっと捏ねられた。
「ふふっ、かーわいー……」
頬に吸い付くように音を立ててキスをしてくる。
「んっ……ふ……」
それと一緒にクリクリと容赦なく乳首も刺激され、どこまで、を答えられない。
「答えてくれないなら、俺の好きにしちゃうけど?」
乳首から指が離れて胸全体を揉まれる。……それもなんだか気持ち良くて頭がポヤンとしてしまう。
「ん……好きにしてください……」
ギューっとタットさんにしがみついてお願いをする。
せっかくのタットさんの誕生日だ。
付き合って初めて2人で過ごす誕生日なんだから、特別な日として残したい。
うん。と納得して俺もタットさんに仕掛ける。
……と言っても自分からキスしたり、タットさんの動きを真似るくらいだけど。
「ふふっ……積極的なゆん君えっちで可愛い……」
シャツは脱がされて上半身が空気に触れる。暖房が効いてるとは言え、多少の寒さもあって乳首がピンと尖ってしまっている。
「美味しそう……」
タットさんの舌がベロンと出て俺の乳首を舐め回す。
「あぅ……」
ビクっと身体を強ばらせるけど、嫌なわけではない。その意思表示をするために、タットさんの頭を抱き締めて胸から離さないようにする。
最近、乳首も刺激されると鳩尾の辺りがキューンと切なくなって止めて欲しいと、もっとして欲しい気持ちが混ざり合って自分の気持ちが迷子になる。
「ふぁ……はぁ………んっ……ん……」
「ほら、逃げちゃダメだよ……」
しばらく弄られていると止めて欲しい気持ちが勝って身体を捩る。でもタットさんはギュッと俺を捕まえて、より強く吸い付いては、先端を舌で押し潰してくる。
「あぁっ!……ひっ……タットさん……ヤバいです……」
「うんうん、どんどん可愛くなってるよ、ヤバい可愛い」
そう言うヤバいじゃないのに。
でも、タットさんが本当に俺が嫌だと思う事は絶対にしない。コレを止めないって事は、どこかで俺もコレを望んでると言う事だと思う。
その証拠に……
「タットさん……タットさん……こっちも……」
タットさんの手を握って自分の中心を触らせる。
胸の刺激だけでもう先走りもダラダラと流れてるからだ。
嫌なわけがない。
「うん、ゆっくり。ゆっくりシようね。ねぇ、今日は俺のワガママ聞いて欲しいなぁー……」
ちょっと意地悪な顔でオネダリされる。
ズルい。けど嬉しい。タットさんは俺より年上で、いつも俺が甘やかされている立場なので、お願いされるのは嬉しい。
でも今。こんな状況で今。
色々言いたい事はあるけど、俺も男だ。気持ちいい事は好きだし、それを大好きな恋人とシて、恋人が喜んでくれるなら受け入れたい。
タットさんもワガママと言ってるけど、本気で酷いことはしないのも知ってる。
「いくらでも……聞きます……特別な日ですから」
そう言ったけど、ちょっと恥ずかしかったので両手で顔を覆う。
「ありがとう、嬉しいなぁ」
弾んだ声が聞こえると、一瞬タットさんが俺の体から離れる。そこからパッと部屋が明るくなった。
あれ?ワガママって……
「わぁ!ゆん君の身体が良く見える!綺麗~!!相変わらずいい筋肉してるねぇ~。ふぁぁぁ~~……俺の恋人めっちゃかわいい~~!!」
明かりの事だったのか……
俺は、明るい部屋でエッチな事をするのが恥ずかしくて、いつも暗くしてもらうか明かりを付けても常夜灯までてお願いしていて、タットさんもそれでいつも受け入れてくれていたのだけど……
あ、タットさんの身体もしっかり見えてしまう。
「んふふー、えっちな事いっぱいされちゃうと思った?」
してやったり、なんて言葉がとても合う顔付きで俺に聞いてくる。
騙された……
ちょっと不満顔をしてるであろう俺は、タットさんを睨みながらコクっと頷いた。
「ふふっ!普段しないようなエッチなこともするけどね?」
「え?」
明かりだけでは無かったのか。
俺が慌てると、タットさんは楽しそうに、
「ありがとう、人生で1番嬉しい誕生日だよ」
とニコニコ言ってくるものだから、俺もつい、
「じゃ、毎年その1番を俺が更新しますね」
売り言葉に買い言葉じゃないけど、そう返してしまった。
その後のエッチな時間は…………
「タットさん……コレって……ぃあっ!!もう……やら………っ……~~~!!!!」
「かわいい、かわいいよ、ゆん君。もっと見せて」
「はぁうううう~~~………」
なんか、なんか、………すっごい事になったのは、言うまでもない。
✂ーーーーーーーーーーーーーー✂
ここまでお付き合い頂きましてありがとうございました。
裕也が作ってたテリーヌショコラのレシピはnoteに載せています。
もともとcookpadユーザーさまのレシピなのですが、元ネタが見つからず……
お心当たりありましたら、ぜひ情報提供くださいませ。
なんせお付き合いが始まって初めての誕生日だしな。
なので、作ったテリーヌショコラは誕生日プレゼントと一緒に渡す事にした。
ちなみに、バレンタイン用のチョコは念の為、別に用意してある。
「はい、タットさん。お誕生日おめでとうございます。コレ、俺からのプレゼントです」
誕生日当日、バレンタインよりも早い時期。
作ったテリーヌショコラとプレゼントを渡した。
2人分を切り分けて、百均で買ったケーキボックスに入れてある。
味見もしたが、悪くない出来だった。
誕生日当日は、平日だったので特別な事はせずにタットさんちにお泊まりだけ。
食事も特別な事はせず、週末にイシヤマさんのお店でお祝いする約束をしている。
とは言え、せっかく当日を過ごすのだからプレゼントくらいは渡したい。
「わぁー。ゆん君ありがとう。ケーキも買ってきてくれたの?嬉しい」
プレゼントの袋を胸に抱いてケーキボックスを眺める姿が可愛い。
「いや、コレは俺が作ったんです……初めて作ったのですが、味は悪くなかったです」
「え?」
ニコニコと笑っていたタットさんの表情が固まった。
「手作り?」
「はい」
「ケーキを?」
「ケーキと言うか、ユネさんのレシピ本のテリーヌショコラです」
「マジ!?」
「マジです」
良く見ればお店の名前も何も書いてないボックスなので、気付けると思ったが、タットさんは買ってきたと思い込んでたらしい。
タットさんは、プレゼント袋を膝上に置き直し、宝箱を扱うかのように、ゆっくり大切にケーキボックスを開けた。
目をキラキラ輝かせていて、イロトリのデザートを前にしている表情と一緒だった。
「今、一緒に食べたい」
「もちろんです。コーヒーにしますか?」
「うーん……ゆん君、笑わない?」
「何がですか?」
「ホットミルクがいいなぁ……」
ちょっと恥ずかしそうにリクエストするタットさんが、とてつもなく愛おしかった。
マグカップに牛乳を注いでレンジで温める。
その間にタットさんはお皿にテリーヌショコラを移し替えていた。
「凄いね、イロトリのテリーヌショコラと見た目一緒だ。でもこっちの方が分厚い!!」
欲張ったのがバレてしまった。
タットさんが、またプレゼントの袋を抱え直して機嫌良く左右に揺れているのが何かのオモチャみたいで可愛い。
温まったマグカップをテーブルに置いて、隣に座った。
ジリジリとタットさんが近寄り、ピッタリと密着する。
俺も負けじとグリグリと身体を押し付けた。
「んふふ……暖かい」
「はい、暖かい……あ、そうだ。プレゼント、今開けてください」
「うん!一緒に開けたかったから、待ってたんだ」
ニコニコの笑顔で抱えていた袋を丁寧に開けていくタットさん。俺はラッピングとか割と気にしないでビリビリ破くタイプなので、ちょっと心が早く早くとソワソワしてしまう。
「ふかふか……」
出てきたのは、青地のルームシューズ。くるぶしの上まで覆えるタイプだ。
「あ、ワーキングウエアを専門に取り扱ってるお店のだね」
「はい。タットさん在宅ワークの時に足先がとても冷えるって言ってたじゃないですか」
「うんうん、この季節はね、特に寒いんだ」
「コレ、ネットの評判が良かったので」
話しながら、タットさんは早速履き始めていた。
「おおー。足首まであるって嬉しいね。既に暖かい。大事に使わせてもらうよ」
そう言って、俺の頬にキスをしてくれた。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
プレゼントも無事開けてもらえたので、2人でテリーヌショコラを食べる。
手作りのお菓子を食べてもらうのは初めてなので緊張する。
「うん、美味しい」
「良かったです」
安心して、俺も1口食べる。
うん、味見した時と一緒だ。
「チョコもすごく滑らかだね。胡桃も香ばしくてチョコと合ってる。凄いね、ゆん君はお菓子作りも出来ちゃうなんて」
「ありがとうございます……イロトリと全く一緒とまではいきませんが、これはこれで有りかなと俺は作ってみて思いました」
そう、レシピ通りに作ったのに、口溶けも滑らかさもイロトリのテリーヌショコラとは違った。
美味しいは美味しいんだけど。
それでもタットさんは喜んで食べてくれた。
そんなタットさんの様子を見て、俺は嬉しくなって自然と笑みがこぼれてしまう。
「イロトリで食べた時、チョコだからと思ってコーヒー頼んだんだけど……」
タットさんがホットミルクをフーフー冷ましながらチビチビ飲んでいる。
「ふふっ……やっぱりね、ホットミルク合うねぇ!!」
唇の上に牛乳跡が付いている。
可愛いの権化がここに居た。
「タットさん、牛乳付いてます」
そう言って、俺はタットさんの牛乳跡をペロっと舐めた。
……で、ちょっとジッと目を見つめる。
まだ、えっちなお誘いを露骨にするのは恥ずかしくて出来ないが、キスを仕掛けて意思表示をするのは、何とか出来るようになって来ている。
コレが今の俺の精一杯。
けど、タットさんはすぐに気付いてくれて、薄らと目を細めた。
「ふふっ、ゆん君から誘って貰っちゃったって思っていい?」
分かってるクセに聞いてくる。
俺はコックリと縦に頷き、タットさんに抱き着いた。
♡.*・゚┈┈┈┈┈┈┈┈゚・*.♡
寝室はベッドの上。俺が安心出来るようにと光は常夜灯。
「今日はどこまで?」
シャツの中に手を入れられ、上半身をサワサワと撫でられている。
ゾワゾワする感覚に震えながら、どこまで……と、ちょっと考えてしまった。
いつだって最後までシたい気持ちはあるけど……
「あっ……あんっ……」
応えに時間を置いていたら、乳首をグリっと捏ねられた。
「ふふっ、かーわいー……」
頬に吸い付くように音を立ててキスをしてくる。
「んっ……ふ……」
それと一緒にクリクリと容赦なく乳首も刺激され、どこまで、を答えられない。
「答えてくれないなら、俺の好きにしちゃうけど?」
乳首から指が離れて胸全体を揉まれる。……それもなんだか気持ち良くて頭がポヤンとしてしまう。
「ん……好きにしてください……」
ギューっとタットさんにしがみついてお願いをする。
せっかくのタットさんの誕生日だ。
付き合って初めて2人で過ごす誕生日なんだから、特別な日として残したい。
うん。と納得して俺もタットさんに仕掛ける。
……と言っても自分からキスしたり、タットさんの動きを真似るくらいだけど。
「ふふっ……積極的なゆん君えっちで可愛い……」
シャツは脱がされて上半身が空気に触れる。暖房が効いてるとは言え、多少の寒さもあって乳首がピンと尖ってしまっている。
「美味しそう……」
タットさんの舌がベロンと出て俺の乳首を舐め回す。
「あぅ……」
ビクっと身体を強ばらせるけど、嫌なわけではない。その意思表示をするために、タットさんの頭を抱き締めて胸から離さないようにする。
最近、乳首も刺激されると鳩尾の辺りがキューンと切なくなって止めて欲しいと、もっとして欲しい気持ちが混ざり合って自分の気持ちが迷子になる。
「ふぁ……はぁ………んっ……ん……」
「ほら、逃げちゃダメだよ……」
しばらく弄られていると止めて欲しい気持ちが勝って身体を捩る。でもタットさんはギュッと俺を捕まえて、より強く吸い付いては、先端を舌で押し潰してくる。
「あぁっ!……ひっ……タットさん……ヤバいです……」
「うんうん、どんどん可愛くなってるよ、ヤバい可愛い」
そう言うヤバいじゃないのに。
でも、タットさんが本当に俺が嫌だと思う事は絶対にしない。コレを止めないって事は、どこかで俺もコレを望んでると言う事だと思う。
その証拠に……
「タットさん……タットさん……こっちも……」
タットさんの手を握って自分の中心を触らせる。
胸の刺激だけでもう先走りもダラダラと流れてるからだ。
嫌なわけがない。
「うん、ゆっくり。ゆっくりシようね。ねぇ、今日は俺のワガママ聞いて欲しいなぁー……」
ちょっと意地悪な顔でオネダリされる。
ズルい。けど嬉しい。タットさんは俺より年上で、いつも俺が甘やかされている立場なので、お願いされるのは嬉しい。
でも今。こんな状況で今。
色々言いたい事はあるけど、俺も男だ。気持ちいい事は好きだし、それを大好きな恋人とシて、恋人が喜んでくれるなら受け入れたい。
タットさんもワガママと言ってるけど、本気で酷いことはしないのも知ってる。
「いくらでも……聞きます……特別な日ですから」
そう言ったけど、ちょっと恥ずかしかったので両手で顔を覆う。
「ありがとう、嬉しいなぁ」
弾んだ声が聞こえると、一瞬タットさんが俺の体から離れる。そこからパッと部屋が明るくなった。
あれ?ワガママって……
「わぁ!ゆん君の身体が良く見える!綺麗~!!相変わらずいい筋肉してるねぇ~。ふぁぁぁ~~……俺の恋人めっちゃかわいい~~!!」
明かりの事だったのか……
俺は、明るい部屋でエッチな事をするのが恥ずかしくて、いつも暗くしてもらうか明かりを付けても常夜灯までてお願いしていて、タットさんもそれでいつも受け入れてくれていたのだけど……
あ、タットさんの身体もしっかり見えてしまう。
「んふふー、えっちな事いっぱいされちゃうと思った?」
してやったり、なんて言葉がとても合う顔付きで俺に聞いてくる。
騙された……
ちょっと不満顔をしてるであろう俺は、タットさんを睨みながらコクっと頷いた。
「ふふっ!普段しないようなエッチなこともするけどね?」
「え?」
明かりだけでは無かったのか。
俺が慌てると、タットさんは楽しそうに、
「ありがとう、人生で1番嬉しい誕生日だよ」
とニコニコ言ってくるものだから、俺もつい、
「じゃ、毎年その1番を俺が更新しますね」
売り言葉に買い言葉じゃないけど、そう返してしまった。
その後のエッチな時間は…………
「タットさん……コレって……ぃあっ!!もう……やら………っ……~~~!!!!」
「かわいい、かわいいよ、ゆん君。もっと見せて」
「はぁうううう~~~………」
なんか、なんか、………すっごい事になったのは、言うまでもない。
✂ーーーーーーーーーーーーーー✂
ここまでお付き合い頂きましてありがとうございました。
裕也が作ってたテリーヌショコラのレシピはnoteに載せています。
もともとcookpadユーザーさまのレシピなのですが、元ネタが見つからず……
お心当たりありましたら、ぜひ情報提供くださいませ。
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