コトコトコトの番外事

黒川

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中本さんの番外編

平久さんの年初め ★

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「う……あ゛……っ………ふっ……あ゛っ!……イぐっ……イっ!!~~!!」

歯を食いしばって快感を受け入れる。
自分の意志とは関係なく全身が痙攣する。
けど、前は何も吐き出していない。
中イキだ。

「中本さんっ……あん……っ……う゛~~!!っはぁ!!ぁあ゛……」

止まらない。
連続イきとはこの事かと思い知らされる様に、イっては更に突かれ、突かれてはイき、立て続けに快楽を身体に叩きつけられている。

「平久……平久……好き……もっと……はぁ……平久……」

名前を呼び続けてる俺の現在の彼氏である中本さんは、何かに取り憑かれているように、腰を振っては俺の後ろを責め続けている。
普段の彼からは想像出来ない。

「ぁ……もうっ……」

「ダメ……まだ……」

そう言って腰を更に押し付けてくる。

「んんん~~!!!」

抉るように体重をかけてくるから、普段突かれない場所までペニスの先が届いてしまう。

「あ゛っ、そこはっ……もうっムリ……ね?……ちょっと休……」

「やだ……」

やだだって!!いつもの中本さんじゃない強引な中本さんもイイっ!!と、普段の俺なら言いかねないが、今回は流石にしんどい。
快楽が続きすぎて余裕が無い。

「中本さんっ……!お願い……もう……」

「ん……」

……聞いてる!?
と、いい加減止めて欲しくて彼を睨もうとすれば、

「すまん……」

何かに怯えるような、不安がるような、縋るような、見た事も無い表情をしていて、本能的に、今これを拒否してはいけないと感じた。

ダメだ。
手を伸ばさないと。
抱き締めないと。
この人を受け入れないと、俺は残った気力で何とか笑って彼の背中に手を回した。

「好きに……して……?……されたい……」

その後の記憶は……ただひたすらに快楽に殴られ続けるだけだった。


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「って言うですね!初夢を見たんですよ!!」

1月2日の朝、そんな初夢を見た俺こと平久陽一は、現在の彼氏である中本大知さんに詳しく、そりゃもう詳細に、何処を責められどう感じ、どんな感情が湧いて出てきたかを語った。

「平久……おまえ、仕事は出来るクセに、こっち方面はアホだアホだと思っていたけど……………やっぱりアホだな……」

チベットスナギツネを彷彿させる表情で俺の事を見つめる中本さんが堪らない。

「あぁ!その表情!もっと!!もっとくださいっ!!」

身をくねらせていると、ポコンと頭を叩かれた。

「30代オッサンの性欲舐めんな。そんなに出来るワケねーだろが」

「えぇー?中本さんはまだまだこっち方面若いですよ?」

キュッと彼の股間を両手で柔く握ると、ペシっと払い落とされた。

去年、大晦日の夜に中本さんが俺のマンションにやって来た。
もともと、仕事納め後のデートの時に年末年始の予定を聞かれ、特に予定は無いと答えると、はいっ!ここ重要!!なんと!中本さんから一緒に過ごしたいと言うね!お誘いがね!!あったのですよ!!オニーサン!!
そんなの即答で快諾し、今日に至る。

まぁ、20代30代の独身男性2人で過ごしたって正月なんて雰囲気はまるでない。
おせち?んなもん用意してないし、初詣?それも落ち着いてからでいいかな、とボヤけば、彼も同じだと言ってくれたので、ちょっと長めの休みを一緒に過ごしてるって気分だった。

とは言っても世間は年末年始の賑やかな雰囲気だしテレビ番組も特番だらけだ。

意識せざるを得ない中の、俺の初夢。

いやぁ、凄かった。
10代の盛りのついた猿かってくらい凄かった。しかもいつも優しく抱いてくれる中本さんの強引なプレイ……それでいて不穏に漂う哀愁……俺が居ないと、と思わせる庇護欲……
思い出しては鼻の下を伸ばす。

「オッサンの性欲薄くて悪かったな……」

ボソッと中本さんが不満気に呟いたので、ハッとした。
しまった。拗ねられた。

「いえ!そんな事は一切ないです!中本さんのネッチリ良いとこヌチヌチゆっくり責められるの、大好きなので!!」

そう、夢の中の強引な中本さんも凄かったが、現実の中本さんだって凄い。
激しさは無いけど、なんと言うか……じっくり身体を拓かされる感覚が堪らない。
的確にイイトコロを責めて来るんだ、この人は。
あ……思い出したらムラムラしてきた。

「俺ね、中本さんのセックス好きですよ?いつも翻弄されてるの、知ってますよね?」

抱き着いて身体を擦り付ける。

「まぁ……」

「激しいセックスの夢を見ちゃったのは、最近シて無いからだと思うんですよね?ほら、12月は特に忙しかったですし、年末年始も何だかんだヤらずに過ごしてしまいましたし?」

そう、シて無いんだよ。由々しき問題。

「ね?」

誘うように彼の耳に口を近付け軽く耳朶を食む。

「こら、」

制してるようで、何も拒否られてない。

「シません?姫始め」

囁けば、「オヤジくさっ」と笑われたけど、俺の唇に柔らかい感触が降ってきたので、

「オヤジくさくないです」

と、少し拗ねながらキスに応えた。
そうすれば、中本さんは俺の首元を指先で優しくなぞる。
首から鎖骨へ。
鎖骨から胸へと。
そして胸のてっぺんに到達すれば、突起をカリカリと引っ掻いてくる。

「んんっ……」

思わず声が漏れる。

「確かに、ご無沙汰だったもんな。夢の中の俺の抱き方に満足されたら、俺もちょっと気に入らないし……」

「え?」

「上書き。俺の淡白なオッサンの抱き方がホンモノだって、教えこまないとな」

俺の身体が持たないし、と続けられたけど。
アレ?これ?もしかして???

「夢の中の中本さんに嫉妬ですかぁぁぁ!!!!!」

キュンが止まらないっ!!目をハートにして中本さんを見つめると、気まずそうに顔を逸らされた。
それでも!!いい!!!
なに?その可愛い理由!!!

「中本さん!!いっぱい!!!抱いてくださいね??」

パッカーと足を開いたら、「情緒!」と頭をスパーンと叩かれたけど、それも幸せっ!!!
最高の姫初めだ!


✂ーーーーーーーーーーーーーーー✂

2024.1.3
あけましておめでとうございます(震え声)
三が日だから年始ネタまだOKですよね……って事でww
今年もよろしくお願いします。
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