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ミニマム男子の番外編
ミニマム男子のバレンタイン。前編★微
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時の流れと言うものは早い。
ミキと同棲を始めて、初めての新年を迎えたと思ったら、もう世間はピンクと赤のバレンタイン色に染まっていた。
俺こと新井しのぶ29歳は、リビングのソファに座ってスマホで通販サイトのチョコレート特集を眺めていた。
「バレンタインですか?」
後ろから、覆いかぶさるように抱きつきながら聞いてきたのは、出来た後輩兼俺の恋人、神田ミキだ。
「ミキは、今年どんなチョコが欲しい?」
「ひぃん!」
ギュッと首が締められる。
「苦しい苦しい!」
パンパンと腕をタップして緩めてもらう。
「すみません、当然の様に言われたのが嬉しくて」
ニヘラ、とミキが顔を緩めて笑う。
その顔も可愛い。
なんて思っていたら、頬に軽くキスされる。
「しのぶさん、今僕のこと可愛いって思ったでしょ?」
相変わらずバレる。
誤魔化すように俺もミキの唇にキスをする。
いつもと同じ、天使の羽かと思うくらい柔らかく軽い。
ミキも俺も、甘い食べ物が大好きだ。
なのでバレンタインなんてイベントに至っては、お互いの気持ちもさる事ながら、選ぶ事・買う事・贈る事、全てにおいて2人で楽しんでいる。最近は、通販も充実しているので、わざわざ人目に晒されることなく、好きな物も購入が出来る。良い時代になったものだ。
「あ、タロ's Cafeのガトーショコラ通販してる。自分用にコレ買おうかな……」
と呟いて見ていたのは有名ショコラティエのガトーショコラだ。
普段は予約した上での、店頭販売しかしないガトーショコラが、バレンタイン期間限定で通販で買えるようになっている。ずっと気になっていたチョコだったので気分が上がる。
「あっ!あっ!いいないいな!これ超有名なガトーショコラですよね!僕食べたこと無いです!」
「じゃぁ、今年のバレンタインはコレにするか?俺も食べたいから半分ずつな?」
「わーい!じゃぁ僕も、とっておきのチョコを選びますね♡」
と、言いつつ結局2人で贈りあって、2人で分け合って食べている。今年も楽しいイベントになりそうだ。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
バレンタインの前日、夜間に冷凍宅配が届いた。
件のガトーショコラだ。
俺はウキウキと包を開け、商品に問題が無いことを確認し、自然解凍をさせるために、冷蔵庫に保管した。
明日の夜には食べ頃になっているはずだ。
冷蔵庫の隣の棚には、有名なチョコレート専門店のロゴが入った紙袋が置かれている。
こっちはミキが買ってきたチョコレートだ。
やつは、デパートの特設会場で購入してきたらしい。
あの激戦の中を掻い潜れるメンタル強い。
「当日まで見ちゃダメですからね!!」
と、チョコを棚に置き、威嚇するように、歯を剥き出しにして鼻に皺を寄せてるミキも可愛かったな……
どちらも明日までお預け。
……ではあるが、お互い「自分用」と称して購入したチョコレートもいくつかあるので、それはバレンタイン関係無く、食べてるので、お預けも苦になっていない。
冷蔵庫から、別の小さな化粧箱を取り出し、中から薄く楕円に伸ばされたチョコを1枚取り出し、カリッと食べた。スルンと口の中で溶けていく様をしばらく楽しんでから飲み込む。
「うまー……」
世の中の全ショコラティエに感謝した瞬間だった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「「ハッピーバレンタイン!!」」
バレンタイン当日の夜。
リビングでチョコレートを贈りあった。
「わーい!タロ's Cafeのガトーショコラだぁ♡一緒に食べましょうね!」
ミキがニッコニコとご機嫌に言う。
「ミキのも、有名なチョコレート専門店だよな、これ。スプーンですくって食べるやつ。食べた事が無いから楽しみだ。一緒に食べような」
「はい♡……じゃ、僕のチョコから先に食べませんか?スプーンも、この備え付けがありますし。小さくて可愛くないですか?」
ミキから貰ったチョコレートは、手のひらサイズの四角い缶が3つ並んでいた。それぞれ「プレミアムミルク」「ラズベリー」「ピスタチオ」と書かれている。備え付けのスプーンは、とても小さく、俺の人差し指くらいのサイズ。
「僕たちにちょうど良いサイズですよね♡」なんてミキが言うもんだから、思わず「さすがに小さ過ぎだろ」と、突っ込んでおいた。
「店頭で味見もさせてくれたんです。全部自信をもって美味しいって言えるのですが、僕はラズベリーが1番好きでした」
カチャカチャと、やつは勝手にラズベリーの缶を開け、スプーンで中のチョコレートを掬った。
「はい、しのぶさん。あーん♡」
俺の目の前にスプーンを持って来たので、パクンと口の中に入れた。すぐにトロっと溶けるチョコレートと、鼻に抜けるラズベリーの香りと酸味。
うん、美味しい。
トロトロと口の中で味わっていると、むちゅん、とミキにキスをされ、そのまま舌が入ってきた。
「ん……ふ……」
口の中でお互いの舌を擦り合わせてチョコレートの味を楽しむ。鼻で呼吸をすると、香りが強く抜けて行く。
「しのぶさんの味がします……」
「なにそれ」
「店頭の味見より、ずっと美味しく感じるって意味です♡」
そう言いながら、やつは再度スプーンで掬ったチョコレートを、俺の口に突っ込んできた。
♡.*・゚┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈゚・*.♡
クチュクチュと音を立てて、俺の口の中を好き勝手に舐めるミキ。口の中がラズベリーの香りでいっぱいになる。
チョコレートを食べる事が目的なのか、キスが目的なのか、もはや分からない。
すると、ミキがチョコレートの缶に指先を突っ込んだ。
俺のチョコなのに!
流石に直に手を入れられるのは、衛生的に抵抗があったので文句を言おうとしたら、やつは俺の乳首にソレを塗りつけてきた。
「おまっ!」
「んふっ♡しのぶさん、チョコ味のおっぱい……」
頭の緩い言動と共に、チュパチュパと乳首を舐め吸われる。
「んんんん~……!」
俺としては、馴染みある気持ち良さだが、ミキ的にはチョコ味が楽しいらしく、唇を擦り付けたり、先端をチロチロと舐めては、クフクフと笑っている。
「へへっ……美味しいです♡」
見れば、やつの口の周りはチョコでベットベトだ。
「こどもか!」
ピシッとデコを叩いて顎をすくう。そのまま顔を寄せて、ミキの口の周りにあるチョコを舐めとった。美味しいんだが……解せない。
「しのぶさん、ワンちゃんみたいで可愛いです」
「お前なぁ、食べ物で遊ぶな。もったいないだろ。せっかくこんなに美味しいチョコなのに」
概ね綺麗に舐めとったので、そのままヤツの口に舌をねじ込んだ。お互いの舌を擦り合わせたり絡めたり、クチュクチュと音を立てながら楽しむ。手持ち無沙汰で、シャツの上からミキの乳首をツンとつつくと、ピクっと反応した。
「イタズラしないでください♡」
チュッと唇が離れ、手を掴まれた。
「ミキ、最近ここ気に入ってるじゃん」
掴まれていない、もう片方の手で、再度ツンツンと乳首をつつく。
「だから駄目なんですよぅ。エッチしたくなっちゃう」
「え……?しないの?」
俺がキョトン、と聞き返すと「明日もお仕事なのにぃ!」と、両手で顔を覆って天を仰いでいた。
確かに、明日も普通に平日だ。しかも週の半ば。最後までするには……ためらうと言えばためらう。けど、先程のキスで盛り上がってしまった身体の熱も治めたい。
「じゃぁ、お互い抜くだけは?」
キュッとミキのシャツの裾を掴んで、おねだり顔をする。勿論、俺、渾身の可愛い顔だ。
「可愛いが過ぎます!!」
そう叫びつつも、やつは俺の下半身に手を伸ばしてきたので、おねだりは成功したみたいだ。
ミキと同棲を始めて、初めての新年を迎えたと思ったら、もう世間はピンクと赤のバレンタイン色に染まっていた。
俺こと新井しのぶ29歳は、リビングのソファに座ってスマホで通販サイトのチョコレート特集を眺めていた。
「バレンタインですか?」
後ろから、覆いかぶさるように抱きつきながら聞いてきたのは、出来た後輩兼俺の恋人、神田ミキだ。
「ミキは、今年どんなチョコが欲しい?」
「ひぃん!」
ギュッと首が締められる。
「苦しい苦しい!」
パンパンと腕をタップして緩めてもらう。
「すみません、当然の様に言われたのが嬉しくて」
ニヘラ、とミキが顔を緩めて笑う。
その顔も可愛い。
なんて思っていたら、頬に軽くキスされる。
「しのぶさん、今僕のこと可愛いって思ったでしょ?」
相変わらずバレる。
誤魔化すように俺もミキの唇にキスをする。
いつもと同じ、天使の羽かと思うくらい柔らかく軽い。
ミキも俺も、甘い食べ物が大好きだ。
なのでバレンタインなんてイベントに至っては、お互いの気持ちもさる事ながら、選ぶ事・買う事・贈る事、全てにおいて2人で楽しんでいる。最近は、通販も充実しているので、わざわざ人目に晒されることなく、好きな物も購入が出来る。良い時代になったものだ。
「あ、タロ's Cafeのガトーショコラ通販してる。自分用にコレ買おうかな……」
と呟いて見ていたのは有名ショコラティエのガトーショコラだ。
普段は予約した上での、店頭販売しかしないガトーショコラが、バレンタイン期間限定で通販で買えるようになっている。ずっと気になっていたチョコだったので気分が上がる。
「あっ!あっ!いいないいな!これ超有名なガトーショコラですよね!僕食べたこと無いです!」
「じゃぁ、今年のバレンタインはコレにするか?俺も食べたいから半分ずつな?」
「わーい!じゃぁ僕も、とっておきのチョコを選びますね♡」
と、言いつつ結局2人で贈りあって、2人で分け合って食べている。今年も楽しいイベントになりそうだ。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
バレンタインの前日、夜間に冷凍宅配が届いた。
件のガトーショコラだ。
俺はウキウキと包を開け、商品に問題が無いことを確認し、自然解凍をさせるために、冷蔵庫に保管した。
明日の夜には食べ頃になっているはずだ。
冷蔵庫の隣の棚には、有名なチョコレート専門店のロゴが入った紙袋が置かれている。
こっちはミキが買ってきたチョコレートだ。
やつは、デパートの特設会場で購入してきたらしい。
あの激戦の中を掻い潜れるメンタル強い。
「当日まで見ちゃダメですからね!!」
と、チョコを棚に置き、威嚇するように、歯を剥き出しにして鼻に皺を寄せてるミキも可愛かったな……
どちらも明日までお預け。
……ではあるが、お互い「自分用」と称して購入したチョコレートもいくつかあるので、それはバレンタイン関係無く、食べてるので、お預けも苦になっていない。
冷蔵庫から、別の小さな化粧箱を取り出し、中から薄く楕円に伸ばされたチョコを1枚取り出し、カリッと食べた。スルンと口の中で溶けていく様をしばらく楽しんでから飲み込む。
「うまー……」
世の中の全ショコラティエに感謝した瞬間だった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「「ハッピーバレンタイン!!」」
バレンタイン当日の夜。
リビングでチョコレートを贈りあった。
「わーい!タロ's Cafeのガトーショコラだぁ♡一緒に食べましょうね!」
ミキがニッコニコとご機嫌に言う。
「ミキのも、有名なチョコレート専門店だよな、これ。スプーンですくって食べるやつ。食べた事が無いから楽しみだ。一緒に食べような」
「はい♡……じゃ、僕のチョコから先に食べませんか?スプーンも、この備え付けがありますし。小さくて可愛くないですか?」
ミキから貰ったチョコレートは、手のひらサイズの四角い缶が3つ並んでいた。それぞれ「プレミアムミルク」「ラズベリー」「ピスタチオ」と書かれている。備え付けのスプーンは、とても小さく、俺の人差し指くらいのサイズ。
「僕たちにちょうど良いサイズですよね♡」なんてミキが言うもんだから、思わず「さすがに小さ過ぎだろ」と、突っ込んでおいた。
「店頭で味見もさせてくれたんです。全部自信をもって美味しいって言えるのですが、僕はラズベリーが1番好きでした」
カチャカチャと、やつは勝手にラズベリーの缶を開け、スプーンで中のチョコレートを掬った。
「はい、しのぶさん。あーん♡」
俺の目の前にスプーンを持って来たので、パクンと口の中に入れた。すぐにトロっと溶けるチョコレートと、鼻に抜けるラズベリーの香りと酸味。
うん、美味しい。
トロトロと口の中で味わっていると、むちゅん、とミキにキスをされ、そのまま舌が入ってきた。
「ん……ふ……」
口の中でお互いの舌を擦り合わせてチョコレートの味を楽しむ。鼻で呼吸をすると、香りが強く抜けて行く。
「しのぶさんの味がします……」
「なにそれ」
「店頭の味見より、ずっと美味しく感じるって意味です♡」
そう言いながら、やつは再度スプーンで掬ったチョコレートを、俺の口に突っ込んできた。
♡.*・゚┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈゚・*.♡
クチュクチュと音を立てて、俺の口の中を好き勝手に舐めるミキ。口の中がラズベリーの香りでいっぱいになる。
チョコレートを食べる事が目的なのか、キスが目的なのか、もはや分からない。
すると、ミキがチョコレートの缶に指先を突っ込んだ。
俺のチョコなのに!
流石に直に手を入れられるのは、衛生的に抵抗があったので文句を言おうとしたら、やつは俺の乳首にソレを塗りつけてきた。
「おまっ!」
「んふっ♡しのぶさん、チョコ味のおっぱい……」
頭の緩い言動と共に、チュパチュパと乳首を舐め吸われる。
「んんんん~……!」
俺としては、馴染みある気持ち良さだが、ミキ的にはチョコ味が楽しいらしく、唇を擦り付けたり、先端をチロチロと舐めては、クフクフと笑っている。
「へへっ……美味しいです♡」
見れば、やつの口の周りはチョコでベットベトだ。
「こどもか!」
ピシッとデコを叩いて顎をすくう。そのまま顔を寄せて、ミキの口の周りにあるチョコを舐めとった。美味しいんだが……解せない。
「しのぶさん、ワンちゃんみたいで可愛いです」
「お前なぁ、食べ物で遊ぶな。もったいないだろ。せっかくこんなに美味しいチョコなのに」
概ね綺麗に舐めとったので、そのままヤツの口に舌をねじ込んだ。お互いの舌を擦り合わせたり絡めたり、クチュクチュと音を立てながら楽しむ。手持ち無沙汰で、シャツの上からミキの乳首をツンとつつくと、ピクっと反応した。
「イタズラしないでください♡」
チュッと唇が離れ、手を掴まれた。
「ミキ、最近ここ気に入ってるじゃん」
掴まれていない、もう片方の手で、再度ツンツンと乳首をつつく。
「だから駄目なんですよぅ。エッチしたくなっちゃう」
「え……?しないの?」
俺がキョトン、と聞き返すと「明日もお仕事なのにぃ!」と、両手で顔を覆って天を仰いでいた。
確かに、明日も普通に平日だ。しかも週の半ば。最後までするには……ためらうと言えばためらう。けど、先程のキスで盛り上がってしまった身体の熱も治めたい。
「じゃぁ、お互い抜くだけは?」
キュッとミキのシャツの裾を掴んで、おねだり顔をする。勿論、俺、渾身の可愛い顔だ。
「可愛いが過ぎます!!」
そう叫びつつも、やつは俺の下半身に手を伸ばしてきたので、おねだりは成功したみたいだ。
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