レディバグの改変<L>

乱 江梨

文字の大きさ
上 下
99 / 100
第三章 神界編

97、零の一歩

しおりを挟む
 それから。メイリーンはアポロンに様々なことを尋ねた。

 どのようにして天界から歌を聴いているのか。アポロン以外の天界の住人も、メイリーンの歌を聴いたことがあるのか。アポロンの力の詳細――何が可能で、何が出来ないのか。

 これまでいくら知りたくても、問いかけることすら出来なかったその全てを。メイリーンはアポロンにぶつけた。

 彼女の問い一つ一つに、アポロンは丁寧に答えてくれた。その代わりの報酬と言っては何だが、アポロンは彼女の歌を所望し、ちょっとしたコンサート擬きまで開催されることになった。

 もちろん場所は、謹慎中のアポロンの部屋の中である。……謹慎とは何たるか。

 ********

 アデルが修練を終えるその時まで、リオたちはアポロンの部屋で寝泊まりすることになった。何故かと言えば、アポロンが強く望んだからだ。リオたちとしては特に断る理由など無いのだが、アポロンがそれを提案した瞬間は全員が思ってしまった。

 この男は本当に、謹慎という言葉の意味を分かっているのだろうか。と。

 アポロンがそれを、完全なお泊り会気分で提案しているのは、表情からして明らかだったので、皆当惑してしまったのだ。

 恐る恐る武尽の様子を窺うと、心底興味が無いとでも言わんばかりの相好をしており、取り敢えず問題無いことだけは確認できた。

 そんなこんなで、アポロンの部屋で暇を潰すことになってから、時間は緩やかに過ぎて行く。途中、慣れない場所での疲れを癒すように睡眠を取ったこともあり、気づけば彼らがアデルと別れてから一日が経過していた。

 ――そして、一日間ぶっ続けで修練に励んでいたアデルはというと。


「はぁ……まさか一日でマスターしちゃうなんて。命は愛し子くんのこと、少々見縊っていたようだ」


 その一日間で、魂を操る術と、前世の記憶を保持した状態にする方法を完全に習得していた。思わず、命は遠い目をしてしまう。


「命殿の教え方が上手いのだ。我は今も昔も、良い師に恵まれている」
「確かにそうかもしれないけどね、君自身の力あってこその結果なんだから。それを忘れてはいけないよ」


 優しく与えられる言葉に、心が弾む。同時に、一体どれが本当の命なのだろうかと、不安に駆られる。

 アデルはこの存在を、一生かけたって理解することなど出来ない。それでも良いと思わせてくれる所が、命の長所なのではないかと。今ではそう思えるようになっていた。


「……」
「どうしたの?愛し子くん。これから大好きな師匠に再会できるかもしれないっていうのに、そんな難しい顔をして」


 眉間に皺を寄せた、神妙なその面持ちを命は覗き込む。探る様に、揶揄う様に。

 命は心が読めるのだから、いちいち聞く必要は無いだろう。そう言おうとしたアデルの口が開かれることは無い。何故なら特訓の最中、既に尋ねていたからだ。

 その時の命の答えは「常に心の声を聞いている訳ではない」であった。

 命は自身が必要とした時だけその力を使い、常時他人の心の声を聞いているわけでは無いのだ。よくよく考えてみれば、常に他人の声が聞こえてきては気が散ってしまうので、命の意見は正論である。


「――五千年前の悪魔にも、世界を愛する本能はあったと命殿は言っていたが、ならば何故、その悪魔は世界を滅ぼそうとしたのだ?」


 五千年前の悪魔が世界を滅ぼそうとした。
 五千年前の悪魔は世界を愛していた。

 この二つは完全に矛盾しており、アデルは首を傾げざるを得ない。どちらかの主張が偽りなのか、それとも他に理由があるのか。アデルの頭では、この短時間で答えに辿り着くことなど出来なかった。


「それは君自身が考えることさ。命には教えられない。そのヒントをあげてやっただけでも感謝して欲しいものだよ」
「そうか。ありがとう、命殿」


 眩しい程の笑みは、皮肉を言ったばかりの命にはあまりにも毒である。しかもそれを一身に向けられた命は、思い切り顔を顰めた。


「……君、その素敵な笑顔でありがとうって言っておけば、何とかなるとか思ってないだろうね?いや、思ってないから余計に問題なんだろうね……」
「……?」


 ブツブツと自嘲混じりに呟く命。キョトンと、アデルは首を傾げた。

 アデルはその笑顔と素直な物言いで、無自覚に相手を誑し込むきらいがある。本人に悪気と自覚が一切無いので、余計に質が悪い。

 命はアデルに振り回されるであろう仲間たちを思い、心の中で合掌する。


「――じゃあ、この子の転生先を教えておくね」


 命は言った。途端、アデルの目が見開かれる。


「まだ魂すら込められていない、母親のお腹の中に出来たばかりの赤子だ。その母親のお腹に魂を入れ込めば、自然と赤子に亜人の魂は宿る。その赤子は生まれてすぐ、母親に捨てられる運命だから。そこを拾ってあげればいいさ」


 淡々とした口調で知らされた事実に、アデルは眉を顰める。彼はやはり、何でも無い様な顔で、残酷な真実を告げる命のことが苦手らしい。


「捨てられてしまうのか?」
「うん。命未来も見えるから。変な横やりを入れない限り、この運命は覆らないよ」
「……分かったのだ」


 色々と、言いたいことはいくつかあったが、それを吞み込むようにしてアデルは言った。


「あのさぁ愛し子くん」


 呆れたような命の声が、アデルの鼓膜には鮮烈に響いた。決意は立派だというのに、いつまで経っても思い悩んでばかりの彼を、咎める様な声音だった。


「捨てられる赤子は愛し子くんが拾う手筈なんだから、そんなに思い悩む必要無いと思うけど?それに、その赤子の中身は君の師匠なんだから、その程度のことで傷ついたりしないだろう?
 寧ろ、その赤子が普通に生まれてきたら、未成熟なその子はきっと傷つき、苦しむだろうね。心無い親のせいで苦しむことなる哀れな子供を一人減らすんだ。もう少し晴れ晴れとした顔をしたらどうかな?」


 あっけらかんと提案する命だったが、アデルはどうしてもそんな気持ちにはなれなかった。

 捨てられる運命にある赤子をエルの転生体にすることは、アデルの意思によって行うことだ。悪く言えば、アデルの勝手である。それを理解しているからこそ、誰かを救ってやったなどと。そんな風に彼は思えなかったのだ。


「……決めたことに関して、これ以上悩む必要は無いという意見だけは、我も同意である。それ以外のことは、我が決める問題では無いのだ」
「そ……君がそう思うのなら、好きにするといいさ。命だって、全てを正しい方向に導けるわけじゃないし」


 命は含みのある笑みを浮かべた。そして――。


「愛し子くんの特訓終わったから戻っておいでぇ」


 対照的な、明朗快活な声で言った。誰に向けた言葉か分からない上、呼びかけるにしては小さな声である。この呼びかけに応じる者がいるのだろうか?アデルは首を傾げた。


「命殿?」
「転生者くんたち、今から戻って来るよ」
「?」


 命が言った刹那、慣れた気配を感じる。振り向くと、そこには転移術で戻ってきたリオたちに加えて、武尽の姿があった。
 武尽は背筋が凍ってしまいそうな、まさしく鬼の形相で命を睨みつけている。一方、睨みだけで殺されてしまいそうなそれを受けている命は対照的に、嬉々とした相好を露わにしていた。


「アデルん習得するの早すぎ……」
「リオっ!会いたかったのだ」
「…………」


 キラキラとした瞳。喜びで上気する頬。何かを期待しているような眼差し。
 リオたちにははっきりと見えた。存在するはずの無い、犬耳と尻尾の姿が。その尻尾はアデルの後ろで、ぶんぶんと激しく振られている。

 思わずリオは彼の頭を「よしよし」と撫でてしまう。条件反射だから仕方が無い。リオは自分自身にそんな言い訳をした。

 欠伸が出てしまう程平和的な光景が繰り広げられる一方で。

 命と武尽の間では、ただならぬ雰囲気が醸し出されていた。


「武尽~。もしかしてあの子たちの面倒見てくれたの?武尽は良い子だねぇ」
「んなことはどうでも良いんだよクソ命。吾輩は貴様に色々と尋問したいことが山ほどあるのでな」
「えへへ。たけたけったら尋問だなんて物騒なこと言ってぇ。コラ!命怒っちゃうぞ?なーんてね、あハハッ!」


 ニコニコと締まりのない表情で、武尽の一本角をツンと突く。途端、バキバキバキッと、夥しいほどの血管が彼の額や蟀谷に浮く。

 満面の笑みで何故かご機嫌な命。今にも堪忍袋の緒が切れてしまいそうな程、険しい表情の武尽。その対比は、最早戦慄してしまう程凄まじい。


「とりあえずその気持ちわりぃヘラヘラした面を何とかしやがれ。殺すぞ」
「あハハッ。武尽には無理だねぇ」
「っ……コロス」
「だから無理だってばぁ。たけたけは学習しないんだから」


 武尽の拳が行く先も定まらぬまま、わなわなと震えている。命の力をアデルたち以上に理解しているからこそ、迂闊に手を出すことが出来ないのだろう。


「武蔵。言い忘れてたけど、ここまで色々ありがとね」
「あ゛?……お、おう」


 一触即発な雰囲気を放っている二人の間に、躊躇無く割って入ったリオ。その唐突さは、憤慨していた武尽が困惑ついでに冷静になる程である。
 一方、傍観していた彼らは、リオの強靭すぎるメンタルに恐れ戦いている。


「アデルん。俺らもうアンレズナに帰るのよね?」
「あぁ」
「そういう訳だから、武蔵とはお別れね」
「?……だから何だ」


 武尽は怪訝そうに首を傾げた。リオたちとの別れなど、心底どうでも良いとでも言いたげな表情で。
 思わずリオは、ムッと眉を顰めて尋ねる。


「武蔵には情緒っていうものが無いわけ?」
「……おいクソ命。コイツが何を言いたいのか全く分からんのだが」


 武尽は本気で意味が分からず、命に助けを求めた。命が他人の心を読めることを知っているからこその人選である。

 つい先刻まで息巻いていたというのに、いざとなれば命を頼ってしまう武尽。何とも言えない優越感に浸った命は、緩む口元を制御できない。


「武尽がちっとも寂しそうにしないからムカつくんだよ」
「あぁ…………貴様らのことなど、五十年もすればどうせ忘れるのでな。どうとも思わん」
「あっそ」


 不満気な表情のまま、リオは冷たく返す。
 神々と人間の感覚が異なるのは当たり前。彼にとってリオたちと過ごした時間など、瞬きするほど短い感覚なのだ。
 それを理解したからこそ、リオはそれ以上食い下がることをしなかった。

 だが、いたずらっ子のような表情をした命が、ほんの少しだけ潜めた声で言った。


「あ、ここだけの話……武尽ツンデレだから、今のは〝忘れないようにたまには会いに来い〟って意味で……」
「クソ命少し黙れ」


 嬉々として告げ口しようとする命の声は、再び鬼の形相と化した武尽によって遮られる。
 武尽が意地になって遮ろうとするのは、それが事実だから。武尽の意外な一面を知り、思わずリオたちは顔を綻ばせた。


「なーんだ。武蔵も本当は寂しいのね。それなら正直に言えばいいのにぃ……暇な時転移術で来てあげるから。そんなに寂しがらなくてもいいのよ?」
「調子に乗るな」


 武尽が一喝した途端、その場に彼らの笑い声が木霊する。


「転生者くんの言葉を借りる訳じゃないけど、何か困ったことがあればいつでもおいで。アドバイスぐらいならしてあげるよ?」
「感謝するのだ。命殿」


 命との別れを惜しむような笑みと共に、アデルは言った。

 コノハの待つアンレズナへ、帰還する時間が迫る。彼らはアデルの転移術で戻る為、一か所にぎゅっと集まった。

 自分たちを見送るように佇む二人に視線を向ける。不意に、リオは少し残念そうな相好で、


「こんなに早く帰ることになるんなら、あの時静由っちに、ちゃんとお礼とお別れ言っとけばよかったわ」


 と、後悔を漏らした。
 静由には当初、色々と世話になったので、キチンと礼を尽くせていないことが心残りなのだ。


「静由には吾輩から伝えておこう。直接礼がしたいのなら、アイツが起きるタイミングを見計らって、またここに来ればいい」
「それもそうね。武蔵、ありがとう」


 軽い口調でリオは返す。次の瞬間、クツクツと、堪え切れなくなったような笑い声が響く。思わず笑い声の源を振り向くと、命が腹を抱えながら必死に声を抑えている姿があった。


「……ふっ、くくっ……ふふふっ…………武尽相手にっ……こんなにフランクに接する人間、そうそういないって……面白過ぎるっ……」
「命……コイツらが帰ったら色々と覚えておけよ」


 もう色々と何かが溢れ出てしまいそうな武尽を見て、皆思う。
 これだけ煽られてもまだ、感情が爆発していない武尽を見て、皆思う。

 何て凄まじい忍耐力なのだと。人を見た目で判断するなとはよく言ったものである。


「――では、我らはそろそろ戻るのだ。命殿、我の目的の為に教えを授けてくれたこと、本当に感謝するのだ。もし、今後我に何かできることがあれば、遠慮なく言って欲しい」
「っ!」


 アデルは一切の迷いなく言った。

 命は確かに言った。アデルたちに出来ることなど何もないと。命は、望みさえすれば自分自身の力で何でも可能にしてしまうから。
 アデルはその言葉を忘れたわけでは無い。その事実を理解した上で、心の底から本音を吐露したのだ。


「出来ることなんて無いって言っているのに……まったく、君っていう子は本当に面白いんだから」


 呆れを通り越し、感心するように命は呟く。だがそこに、アデルを嘲るような意図は一切込められていない。

 アデルは破顔一笑する。目一杯の感謝と、別れの思いを込めて。

 その笑顔だけで察した彼らは、アデルの身体にそっと触れる。そして、アデルは転移術を行使した。

 天界から離れる刹那、命がほんの少し哀愁滲む表情で手を振る。その姿を、彼らははっきりと目に焼き付けた。そして――。


「愛し子くん。悪魔コノハくんのこと、よろしくね」


 託すような命の声が届いた直後、アデルたちは天界から立ち去る。大きすぎる程の成果を連れて。

 彼らは一歩を踏み出した。

 エルと再会するという、アデルの願いを叶えるための、大きすぎる一歩を。

 そしてこの一歩が、全ての始まり――零の瞬間だった。


 やがて常識を、人々の固定観念を、世界をも覆す――。

 誰もがその名を恐れ、その名に惹かれ、その名を敬い、誰もがその名を知ることになる。


 レディバグ――彼らが世界を改変するその時まで。その長い長い道のりの。

 ――ゼロ。始まりの改変、その大きすぎる一歩であった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と

鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。 令嬢から。子息から。婚約者の王子から。 それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。 そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。 「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」 その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。 「ああ、気持ち悪い」 「お黙りなさい! この泥棒猫が!」 「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」 飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。 謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。 ――出てくる令嬢、全員悪人。 ※小説家になろう様でも掲載しております。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

[完結]回復魔法しか使えない私が勇者パーティを追放されたが他の魔法を覚えたら最強魔法使いになりました

mikadozero
ファンタジー
3月19日 HOTランキング4位ありがとうございます。三月二十日HOTランキング2位ありがとうございます。 ーーーーーーーーーーーーー エマは突然勇者パーティから「お前はパーティを抜けろ」と言われて追放されたエマは生きる希望を失う。 そんなところにある老人が助け舟を出す。 そのチャンスをエマは自分のものに変えようと努力をする。 努力をすると、結果がついてくるそう思い毎日を過ごしていた。 エマは一人前の冒険者になろうとしていたのだった。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

処理中です...