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大地は小さい事なのです
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家に帰って設計図と書き上げてから早速、家の中庭で製作にかかった。
明日から明後日まで学校は休みなので丁度良かった。
装甲には“生成”と言うスキルで造られた金属アストロオリダイト合金を使う。
魔術との親和性が非常に高く、少々重い金属ではあるが“軽量化”を使えばそれなりの軽さで高い強度が出せる。
親和性の高い合金は神力を流す事で更に強度を増す事が出来る為、“軽量化”を神刻術で付与しながら神力を流し強度を高める。
他にも神刻術には“火炎耐性”“強靭”“心意守護”などの魔術を付与して強度を更に高めていく。
装甲に必要な金属を造った後はオンアクチュエーターと言う特殊力場式のアクチュエーターの開発を行った。
このアクチュエーターは反応速度が速く、効率も良いので長時間使っても疲労を起こしにくい。
この時の為に準備していた自作の工業用金属3Dプリンターでパーツを削り出していく。
しばらく、経つとダンボール箱程度の大きさに四角い箱ができた。
これを1対ごとに作ればアクチュエーターになる。
これを必要な可動域分作っていく。
その頃には既に夜になっていたが徹夜モードに突入して朝になる。
朝になった頃には全身の外観がオラシオになっており既にOSを書き込み始めており何度も修正を繰り返していたが慣れた作業だったのでデスマするほどでもなかった。
こうして、蒼いガンメタリックな装甲が特徴的なオラシオ タイプL(レティシア)は完成した。
本当はネクシルにしようと思ったが形状が余りに違うと使う装甲材の質量の関係で腕などを換装した際にアンバランスになりやすくなる。
城の地下にあるパーツとは互換性があるように作ってあるがそもそも、装甲材も違うので重さや比重も違う。
なので、そう言った観点から標準的な形状に近いオラシオを選んだ。
すると、朝起きてきた叔父さんが目を丸くしながらこちらを見つめていた。
「レ、レティシア?これは、まさか……」
「アンティークです」
「自作すると言っていた時は本気なのか疑ったが……本当に作ってしまうとは……う、動くのか?」
「動かないアンティーク作っても意味はないでしょう。まぁ、見ていて下さい。丁度、試運転するところですから」
わたしは空間収納から量子型OS用に調節した自分の髪の色に合わせたダイレクトスーツと量子型OSの作動確認の為にその上から銀色の鎧に着込んだ。
量子型OSがちゃんと作動するならわたしが来ている鎧の能力をAPの鎧として追加して鎧の能力を得られるはずなのだ。
システムを起動させると共に鎧がオラシオに換装された。
不可視化しているので一般人には見えないが確かに装着されている。
不可視化する事で鎧の厚み分だけ損なわれるはずの可動域も損なわれずに済む。
腕を軽く上下させて見ても動きにぎこちなさはなくわたしの動きにちゃんと追従している。
「良い感じ……後は走ってみようかな?」
後方にいる叔父さんに被害が出ないように距離を取ってからわたしはスラスターを点火した。
そして、翔んだ。
「あはははは」
わたしは久しぶりに歓喜した。
そう、この感覚だ。
自分に翼が生えて機体と一体化させ心を通わせるように駆ける爽快感。
戦う事はそこまで好きではないが鍛錬する事とAPを乗り回すのが好きだ。
やはり、パイロットと言うのは機体と一体になってこそ初めて意味があるのだと改めて痛感する。
APを道具と考えたりあまりに論理的に考え過ぎたりせずこうして感じるままに機体のGと慣性を感じセンサーを介して自分に伝わる風の心地などを感じてこそだ。
わたしは王都の上空をぐるっと一周してきりもみ回転をしながら上空に駆け上がり一気に大気圏を突き破る。
成層圏と宇宙との丁度、中間地点まで来ると機体が重力を楔から解かれフワリと浮いた。
機体内部はある程度、重力などを制御しているので体は下に向いているがそれでも重力から解かれた感覚はわたしにフィードバックされ魂が軽くなるような感覚に浸る。
色々、悩みや苦難が多い世界だが、そんな一時も重力の楔から解かれるとストレスから解放されたように軽くなる。
そして、機体が徐々に重力に引かれていく。
わたしは緩やかに自由落下をしながら地上を見た。
本当に小さいな……
任務の都合上、何度か宇宙から地上を見た事がある。
その都度に思うのだ。
大地は小さいと……。
宇宙は本当に広大でこの大地なんて砂粒1つくらいの価値しかない。
わたしはよく人に悩まされるが人と言うのはこんな小さなところで権利や領土、物資を奪い合い哀れな生き物なのだとつくづく思ってしまう。
それ故にわたしが悩んでいる原因も被害者としては大きな事だと思ってしまうがよく考えるとなんて事もないのだ。
そう、大した事ではないのだ。
わたしの人に対する不信感や悩みは宇宙から大地を見下ろし終えた頃には解決していた。
だが、それはそれで新たな悩みの種を生んでしまった。
普通にAPで空を駆けるのに夢中で忘れていたが空を飛ぶアンティークなどいたら王都中で騒ぎになるのは当たり前であり普通に自宅に着陸すると多くの野次馬が集まっており叔父さんは頭を抱えその日の内に2度目に国王陛下からの招集を受けた。
明日から明後日まで学校は休みなので丁度良かった。
装甲には“生成”と言うスキルで造られた金属アストロオリダイト合金を使う。
魔術との親和性が非常に高く、少々重い金属ではあるが“軽量化”を使えばそれなりの軽さで高い強度が出せる。
親和性の高い合金は神力を流す事で更に強度を増す事が出来る為、“軽量化”を神刻術で付与しながら神力を流し強度を高める。
他にも神刻術には“火炎耐性”“強靭”“心意守護”などの魔術を付与して強度を更に高めていく。
装甲に必要な金属を造った後はオンアクチュエーターと言う特殊力場式のアクチュエーターの開発を行った。
このアクチュエーターは反応速度が速く、効率も良いので長時間使っても疲労を起こしにくい。
この時の為に準備していた自作の工業用金属3Dプリンターでパーツを削り出していく。
しばらく、経つとダンボール箱程度の大きさに四角い箱ができた。
これを1対ごとに作ればアクチュエーターになる。
これを必要な可動域分作っていく。
その頃には既に夜になっていたが徹夜モードに突入して朝になる。
朝になった頃には全身の外観がオラシオになっており既にOSを書き込み始めており何度も修正を繰り返していたが慣れた作業だったのでデスマするほどでもなかった。
こうして、蒼いガンメタリックな装甲が特徴的なオラシオ タイプL(レティシア)は完成した。
本当はネクシルにしようと思ったが形状が余りに違うと使う装甲材の質量の関係で腕などを換装した際にアンバランスになりやすくなる。
城の地下にあるパーツとは互換性があるように作ってあるがそもそも、装甲材も違うので重さや比重も違う。
なので、そう言った観点から標準的な形状に近いオラシオを選んだ。
すると、朝起きてきた叔父さんが目を丸くしながらこちらを見つめていた。
「レ、レティシア?これは、まさか……」
「アンティークです」
「自作すると言っていた時は本気なのか疑ったが……本当に作ってしまうとは……う、動くのか?」
「動かないアンティーク作っても意味はないでしょう。まぁ、見ていて下さい。丁度、試運転するところですから」
わたしは空間収納から量子型OS用に調節した自分の髪の色に合わせたダイレクトスーツと量子型OSの作動確認の為にその上から銀色の鎧に着込んだ。
量子型OSがちゃんと作動するならわたしが来ている鎧の能力をAPの鎧として追加して鎧の能力を得られるはずなのだ。
システムを起動させると共に鎧がオラシオに換装された。
不可視化しているので一般人には見えないが確かに装着されている。
不可視化する事で鎧の厚み分だけ損なわれるはずの可動域も損なわれずに済む。
腕を軽く上下させて見ても動きにぎこちなさはなくわたしの動きにちゃんと追従している。
「良い感じ……後は走ってみようかな?」
後方にいる叔父さんに被害が出ないように距離を取ってからわたしはスラスターを点火した。
そして、翔んだ。
「あはははは」
わたしは久しぶりに歓喜した。
そう、この感覚だ。
自分に翼が生えて機体と一体化させ心を通わせるように駆ける爽快感。
戦う事はそこまで好きではないが鍛錬する事とAPを乗り回すのが好きだ。
やはり、パイロットと言うのは機体と一体になってこそ初めて意味があるのだと改めて痛感する。
APを道具と考えたりあまりに論理的に考え過ぎたりせずこうして感じるままに機体のGと慣性を感じセンサーを介して自分に伝わる風の心地などを感じてこそだ。
わたしは王都の上空をぐるっと一周してきりもみ回転をしながら上空に駆け上がり一気に大気圏を突き破る。
成層圏と宇宙との丁度、中間地点まで来ると機体が重力を楔から解かれフワリと浮いた。
機体内部はある程度、重力などを制御しているので体は下に向いているがそれでも重力から解かれた感覚はわたしにフィードバックされ魂が軽くなるような感覚に浸る。
色々、悩みや苦難が多い世界だが、そんな一時も重力の楔から解かれるとストレスから解放されたように軽くなる。
そして、機体が徐々に重力に引かれていく。
わたしは緩やかに自由落下をしながら地上を見た。
本当に小さいな……
任務の都合上、何度か宇宙から地上を見た事がある。
その都度に思うのだ。
大地は小さいと……。
宇宙は本当に広大でこの大地なんて砂粒1つくらいの価値しかない。
わたしはよく人に悩まされるが人と言うのはこんな小さなところで権利や領土、物資を奪い合い哀れな生き物なのだとつくづく思ってしまう。
それ故にわたしが悩んでいる原因も被害者としては大きな事だと思ってしまうがよく考えるとなんて事もないのだ。
そう、大した事ではないのだ。
わたしの人に対する不信感や悩みは宇宙から大地を見下ろし終えた頃には解決していた。
だが、それはそれで新たな悩みの種を生んでしまった。
普通にAPで空を駆けるのに夢中で忘れていたが空を飛ぶアンティークなどいたら王都中で騒ぎになるのは当たり前であり普通に自宅に着陸すると多くの野次馬が集まっており叔父さんは頭を抱えその日の内に2度目に国王陛下からの招集を受けた。
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