27 / 65
6−6 *
しおりを挟む
あとから襲ってくるのは壮絶な痛み。肚の奥に響くような鈍い衝撃に、全身が悲鳴を上げた。
いまだ誰にも開いたことのなかったセレスティナの身体が、簡単に男性を受け入れられるはずがなかった。しかし、それを強引に力でねじ伏せ、リカルドがセレスティナを暴く。
「よく、覚えていてください。……俺が、あなたを奪った痛みを」
「ぁ……んんんっ」
忘れるはずがない。
生理的な涙がこみ上げ、それを見たリカルドがハッとする。まるで彼自身が傷ついたような顔をするが、それでも、止めるつもりはないらしい。
「覚悟してください。もう、逃がしてあげない」
重たい声でそう告げながら、彼は一度、己のモノを引き抜こうとした。
しかし、ギリギリまで引き抜いたかと思えば、再びズドンと鈍い衝撃が走る。
あまりの衝撃に、セレスティナはのけ反った。しかし、彼にガッチリと押さえ込まれては、その衝撃を逃がすこともできない。
「あなたはね、俺のモノになるんです」
まるで確定した事実のように告げられる。
もちろん、すでにセレスティナは彼と結婚している。だから、彼のものというのは正しい。
でも、彼の言葉はきっと、もっと深く、重い。
軽い気持ちで、引き返すことのできない場所に来てしまったことをセレスティナは悟った。
「その身体、まるごと全部。俺が、俺が…………っ!」
「あ、ああん!」
衝動のままに激しく突き上げられた。
「ぁ、あんっ! リカルド様……っ!」
「くっ、名前を呼ばれると……」
視界は虚ろだ。彼の顔に焦点がなかなか当たらない。
しかし、リカルドが苦しそうに顔をくしゃくしゃにしているのはわかる。
まるで暴走だ。彼はセレスティナの奥の奥を抉るように、何度も抽送を繰り返した。
破瓜の血を潤滑油代わりにするも、肌と肌が鈍く擦れ、ずっと痛みを伴っている。
相当狭いのだろう。リカルド自身も苦しそうに表情を歪ませながら、必死で腰を振りつづける。彼に余裕はなく、汗がぽたりとこぼれ落ちた。
肌がバツバツとぶつかり合う音が、暗い執務室に響き渡る。
まさか城の騎士団棟で、なんということをしてしまっているのだろうとも思うが、それを考える余裕はない。
そうするうちに、セレスティナの身体の方が痛みに順応しはじめたのか。痛みが別の感覚に変化するとともに、膣がうるみを帯びてくる。
肌がぶつかる音のなかに、くちっくちっという水音が響きはじめ、セレスティナはふるると睫毛を震わせた。
「ん、ぁ……ぁんっ」
肚の奥が疼くような、チカチカと火が灯るようなナニか。
その感覚は次第に大きくなり、セレスティナの嬌声にも甘さが混じりはじめる。
出したことのない声が出て、セレスティナ自身戸惑った。バッと自らの口を塞ごうとするも、すぐに手首を掴まれ、それも叶わない。
「なんだ。――あなたも、気持ちよくなっているんじゃないか」
リカルドが嘲笑するように吐き捨てた。
そうして、ますます激しく抽送を繰り返す。
「なら、問題ないですね。俺が、あなたをどれだけ可愛がろうと」
「ぁ、ぁ、そこっ」
「ここ? ああ、奥、好きなんですか?」
セレスティナの膣がキュッと締まったことに気をよくしたのか、リカルドはほの暗い笑みを浮かべた。
ぺろりと舌なめずりをしながら、セレスティナのいいところを重点的に攻める。そのたびに、セレスティナは脳の端がチカチカするような不思議な感覚を覚えた。
「〈糸の神〉は、結局あなたを捕まえられなかった」
彼は掠れた声で呟いた。
激しく穿たれ、セレスティナはまともに返事はできない。
でも、彼はとつとつと独白する。
「その後悔がね。渇望がね。俺の中に残ってるんですよ。――あなたを捕まえろ。もう二度と、閉じ込めて、逃がすなって。冥界の奥底に一緒に引きずり込んでしまいたかったと、ずっと嘆いてるんです」
「リカルド様……」
第一降神格のなかでも〈糸の神〉は別格だ。
だから、それはセレスティナにはわからない感覚なのだろう。神の加護が、神の意志を帯びて、その人の中に侵蝕するだなんて。
かつて〈処女神〉を神へと引き上げるも、結局彼女を手に入れることができなかった〈糸の神〉。
セレスティナにとってはあくまで神話の一説でしかなかったけれど、リカルドにとってはそうではなかった。
つまり、彼は抗おうとしていたのだ。
神の意志に。
でも、セレスティナはそんな事実は知らず、のこのここの場所へやって来てしまった。
――――だったら。
「リカルド様」
手を伸ばした。
彼の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめる。
「やっぱり、お優しい……」
「――!?」
いまだ誰にも開いたことのなかったセレスティナの身体が、簡単に男性を受け入れられるはずがなかった。しかし、それを強引に力でねじ伏せ、リカルドがセレスティナを暴く。
「よく、覚えていてください。……俺が、あなたを奪った痛みを」
「ぁ……んんんっ」
忘れるはずがない。
生理的な涙がこみ上げ、それを見たリカルドがハッとする。まるで彼自身が傷ついたような顔をするが、それでも、止めるつもりはないらしい。
「覚悟してください。もう、逃がしてあげない」
重たい声でそう告げながら、彼は一度、己のモノを引き抜こうとした。
しかし、ギリギリまで引き抜いたかと思えば、再びズドンと鈍い衝撃が走る。
あまりの衝撃に、セレスティナはのけ反った。しかし、彼にガッチリと押さえ込まれては、その衝撃を逃がすこともできない。
「あなたはね、俺のモノになるんです」
まるで確定した事実のように告げられる。
もちろん、すでにセレスティナは彼と結婚している。だから、彼のものというのは正しい。
でも、彼の言葉はきっと、もっと深く、重い。
軽い気持ちで、引き返すことのできない場所に来てしまったことをセレスティナは悟った。
「その身体、まるごと全部。俺が、俺が…………っ!」
「あ、ああん!」
衝動のままに激しく突き上げられた。
「ぁ、あんっ! リカルド様……っ!」
「くっ、名前を呼ばれると……」
視界は虚ろだ。彼の顔に焦点がなかなか当たらない。
しかし、リカルドが苦しそうに顔をくしゃくしゃにしているのはわかる。
まるで暴走だ。彼はセレスティナの奥の奥を抉るように、何度も抽送を繰り返した。
破瓜の血を潤滑油代わりにするも、肌と肌が鈍く擦れ、ずっと痛みを伴っている。
相当狭いのだろう。リカルド自身も苦しそうに表情を歪ませながら、必死で腰を振りつづける。彼に余裕はなく、汗がぽたりとこぼれ落ちた。
肌がバツバツとぶつかり合う音が、暗い執務室に響き渡る。
まさか城の騎士団棟で、なんということをしてしまっているのだろうとも思うが、それを考える余裕はない。
そうするうちに、セレスティナの身体の方が痛みに順応しはじめたのか。痛みが別の感覚に変化するとともに、膣がうるみを帯びてくる。
肌がぶつかる音のなかに、くちっくちっという水音が響きはじめ、セレスティナはふるると睫毛を震わせた。
「ん、ぁ……ぁんっ」
肚の奥が疼くような、チカチカと火が灯るようなナニか。
その感覚は次第に大きくなり、セレスティナの嬌声にも甘さが混じりはじめる。
出したことのない声が出て、セレスティナ自身戸惑った。バッと自らの口を塞ごうとするも、すぐに手首を掴まれ、それも叶わない。
「なんだ。――あなたも、気持ちよくなっているんじゃないか」
リカルドが嘲笑するように吐き捨てた。
そうして、ますます激しく抽送を繰り返す。
「なら、問題ないですね。俺が、あなたをどれだけ可愛がろうと」
「ぁ、ぁ、そこっ」
「ここ? ああ、奥、好きなんですか?」
セレスティナの膣がキュッと締まったことに気をよくしたのか、リカルドはほの暗い笑みを浮かべた。
ぺろりと舌なめずりをしながら、セレスティナのいいところを重点的に攻める。そのたびに、セレスティナは脳の端がチカチカするような不思議な感覚を覚えた。
「〈糸の神〉は、結局あなたを捕まえられなかった」
彼は掠れた声で呟いた。
激しく穿たれ、セレスティナはまともに返事はできない。
でも、彼はとつとつと独白する。
「その後悔がね。渇望がね。俺の中に残ってるんですよ。――あなたを捕まえろ。もう二度と、閉じ込めて、逃がすなって。冥界の奥底に一緒に引きずり込んでしまいたかったと、ずっと嘆いてるんです」
「リカルド様……」
第一降神格のなかでも〈糸の神〉は別格だ。
だから、それはセレスティナにはわからない感覚なのだろう。神の加護が、神の意志を帯びて、その人の中に侵蝕するだなんて。
かつて〈処女神〉を神へと引き上げるも、結局彼女を手に入れることができなかった〈糸の神〉。
セレスティナにとってはあくまで神話の一説でしかなかったけれど、リカルドにとってはそうではなかった。
つまり、彼は抗おうとしていたのだ。
神の意志に。
でも、セレスティナはそんな事実は知らず、のこのここの場所へやって来てしまった。
――――だったら。
「リカルド様」
手を伸ばした。
彼の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめる。
「やっぱり、お優しい……」
「――!?」
821
お気に入りに追加
2,264
あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる