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6−6 *

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 あとから襲ってくるのは壮絶な痛み。肚の奥に響くような鈍い衝撃に、全身が悲鳴を上げた。
 いまだ誰にも開いたことのなかったセレスティナの身体が、簡単に男性を受け入れられるはずがなかった。しかし、それを強引に力でねじ伏せ、リカルドがセレスティナを暴く。

「よく、覚えていてください。……俺が、あなたを奪った痛みを」
「ぁ……んんんっ」

 忘れるはずがない。
 生理的な涙がこみ上げ、それを見たリカルドがハッとする。まるで彼自身が傷ついたような顔をするが、それでも、止めるつもりはないらしい。

「覚悟してください。もう、逃がしてあげない」

 重たい声でそう告げながら、彼は一度、己のモノを引き抜こうとした。
 しかし、ギリギリまで引き抜いたかと思えば、再びズドンと鈍い衝撃が走る。

 あまりの衝撃に、セレスティナはのけ反った。しかし、彼にガッチリと押さえ込まれては、その衝撃を逃がすこともできない。

「あなたはね、俺のモノになるんです」

 まるで確定した事実のように告げられる。
 もちろん、すでにセレスティナは彼と結婚している。だから、彼のものというのは正しい。
 でも、彼の言葉はきっと、もっと深く、重い。
 軽い気持ちで、引き返すことのできない場所に来てしまったことをセレスティナは悟った。

「その身体、まるごと全部。俺が、俺が…………っ!」
「あ、ああん!」

 衝動のままに激しく突き上げられた。

「ぁ、あんっ! リカルド様……っ!」
「くっ、名前を呼ばれると……」

 視界は虚ろだ。彼の顔に焦点がなかなか当たらない。
 しかし、リカルドが苦しそうに顔をくしゃくしゃにしているのはわかる。

 まるで暴走だ。彼はセレスティナの奥の奥を抉るように、何度も抽送を繰り返した。
 破瓜の血を潤滑油代わりにするも、肌と肌が鈍く擦れ、ずっと痛みを伴っている。
 相当狭いのだろう。リカルド自身も苦しそうに表情を歪ませながら、必死で腰を振りつづける。彼に余裕はなく、汗がぽたりとこぼれ落ちた。

 肌がバツバツとぶつかり合う音が、暗い執務室に響き渡る。
 まさか城の騎士団棟で、なんということをしてしまっているのだろうとも思うが、それを考える余裕はない。

 そうするうちに、セレスティナの身体の方が痛みに順応しはじめたのか。痛みが別の感覚に変化するとともに、膣がうるみを帯びてくる。
 肌がぶつかる音のなかに、くちっくちっという水音が響きはじめ、セレスティナはふるると睫毛を震わせた。

「ん、ぁ……ぁんっ」

 肚の奥が疼くような、チカチカと火が灯るようなナニか。
 その感覚は次第に大きくなり、セレスティナの嬌声にも甘さが混じりはじめる。
 出したことのない声が出て、セレスティナ自身戸惑った。バッと自らの口を塞ごうとするも、すぐに手首を掴まれ、それも叶わない。

「なんだ。――あなたも、気持ちよくなっているんじゃないか」

 リカルドが嘲笑するように吐き捨てた。
 そうして、ますます激しく抽送を繰り返す。

「なら、問題ないですね。俺が、あなたをどれだけ可愛がろうと」
「ぁ、ぁ、そこっ」
「ここ? ああ、奥、好きなんですか?」

 セレスティナの膣がキュッと締まったことに気をよくしたのか、リカルドはほの暗い笑みを浮かべた。
 ぺろりと舌なめずりをしながら、セレスティナのいいところを重点的に攻める。そのたびに、セレスティナは脳の端がチカチカするような不思議な感覚を覚えた。

「〈糸の神〉は、結局あなたを捕まえられなかった」

 彼は掠れた声で呟いた。
 激しく穿たれ、セレスティナはまともに返事はできない。
 でも、彼はとつとつと独白する。

「その後悔がね。渇望がね。俺の中に残ってるんですよ。――あなたを捕まえろ。もう二度と、閉じ込めて、逃がすなって。冥界の奥底に一緒に引きずり込んでしまいたかったと、ずっと嘆いてるんです」
「リカルド様……」

 第一降神格エン・ローダのなかでも〈糸の神〉は別格だ。
 だから、それはセレスティナにはわからない感覚なのだろう。神の加護が、神の意志を帯びて、その人の中に侵蝕するだなんて。

 かつて〈処女神〉を神へと引き上げるも、結局彼女を手に入れることができなかった〈糸の神〉。
 セレスティナにとってはあくまで神話の一説でしかなかったけれど、リカルドにとってはそうではなかった。

 つまり、彼は抗おうとしていたのだ。
 神の意志に。
 でも、セレスティナはそんな事実は知らず、のこのここの場所へやって来てしまった。

 ――――だったら。

「リカルド様」

 手を伸ばした。
 彼の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめる。

「やっぱり、お優しい……」
「――!?」
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