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番外編(後日談)

〈文庫化記念〉番外編7−2 *

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「シェリルさま!? どうなされました!? ——って」

 ボールが床に落ちた音とか、倒れちゃった音とかが響いちゃったからかな。
 慌ててアンナが駆け込んできたけれど、この状況を見て、入口で立ち止まったままぱちぱちと瞬いていた。

 しっしとレオルドが手を払うと、すべてを察したように、彼女は一礼する。
 そうしてあとは任せたと言った様子で、生クリームだらけのキッチンを見て見ぬ振りをし、その場を去って行ってしまった。

(アンナ……空気……読みすぎ……)

 彼女はいつだってそうだ。
 出来た付き人と言えばそれまでなんだけれど、こと、レオルドが関係するとさらに気を回してくれちゃう。
 半分以上、面白がってるんだろうけどさ。
 ……さっきから、レオルドの手が熱くて。居たたまれないやら気恥ずかしいやらで、どうしていいのかわからないのに。

「くくっ、アンナのことだ。あのまま、人払いまでしてくれそうだな? ほら、シェリル——」
「ひゃ、あ!」

 上機嫌で笑いながら、レオルドはわたしの頬に口づける。
 そのままべろりと舌を這わせ、わたしのほっぺについたままの生クリームをなめ取った。

「そっか。誕生日……誕生日」
「うん」


 だめ? って上目遣いで見つめると、彼がくしゃくしゃって笑ってくれる。
 いいも、悪いもない。でも、彼の表情を見つめているだけで、なんだか胸がじわりとあつくなってくる。

「なるほど? すげえ大胆な誕生日プレゼントだな……?」
「ええ、と?」
「このまま、お前をまるごと食っちまっていい。——そういうこったろ?」

 そう言いながら彼はわたしの身体をひっぱった。
 体勢を入れ替え、柱にもたれかかるように座らされて、彼は正面からわたしを見おろす。
 しゅるりと胸もとのリボンを解かれた。
 髪からぽとりとこぼれ落ちた生クリームが胸もとに落ち、彼は楽しそうに目を細めてから、わたしの胸に舌を這わせていく。

「甘い……」
「ぁ、ぁぁぁ、あの!? れお、るど……?」
「汚れた服は、脱いじまおうな?」

 エプロンを剥ぎ取り、ブラウスのボタンをいくつか外していく。

「ちょ、レオルド……」
「ああ、この指も——」

 胸もとを隠そうと動いちゃったわたしの手を掴まえて、彼は指先に口づけた。

「今日のお前、すげえ、甘ぇ」
「そ、そんなの、あ、当たり前、でしょ……っ」

 指先に舌を這わせてちろちろと。それから、ぱくりとくわえられ、口内に出し入れされる。
 いやらしく舌を絡ませられると、ぞくぞくとした感覚が指先から伝わってきて、堪えきれずにわたしの睫毛がふるると震えた。

「こっちの指も、な?」

 わざわざ一本一本宣言するあたり、とってもいじわるだ。
 彼はわたしの指を綺麗に舐め取っていく。分厚い舌が熱くて、何だかそこだけ熱を持っているみたい。
 緊張と期待でわたしの心臓は怖いくらい暴れてて。じっと、わたしの指を舐める彼の顔を見つめていたらさ——彼が、満足したように手のひらにキスを落とし、こちらに視線を向けた。

「…………すげえ、顔」
「だ、だって……」
「わかってる。他の場所も、綺麗にしてやるよ」

 ——ねえ、レオルド。ほんとにわかってるの?
 こんな場所で、って思うのに。

 拒めなくて、わたしは身を強張らせるだけ。
 レオルドはというと、喉の奥で笑いながらわたしに手を伸ばす。
 そうして彼はわたしを抱き上げたまま移動し、使っていなかった作業台へとわたしを座らせたのだった。


 わたしの上半身を倒しながら、彼は汚れたスカートをめくり上げる。
 汚さないように綺麗にスカートを脱がせることもできただろうに——きっと、わざとなんだろうね。こぼれ落ちた生クリームでわたしの太腿が白く染まっていく。
 そして、レオルドはそれを見おろしながら、ごくりと生唾をのみ込んだ。

「クッソ、エロいな」
「あのねっ……わざと、汚してない……?」
「さあな? ま、オレが汚したとでも言うなら——」

 そう言ってレオルドはニヤリと笑い、わたしの脚に顔を近づけた。

「——責任とって、綺麗にしてやるよ?」
「ひゃ……っ!」

 熱い舌先が、わたしの腿をつたっていく。
 いやらしく生クリームを舐め取られ、ぞくぞくとした感覚に、わたしの身体は震えた。

「最高の誕生日プレゼントだな?」
「これは……ちがっ……」
「オレのために、わざわざ慣れない菓子作り、してたんだろ? だったらしっかり頂かねえと」
「ひゃ、あ、あ……っ」

 上機嫌で彼は、わたしの身体を愛撫していく。
 両手を這わせながら、たくさんの場所にキスをして。汚して。綺麗にして。乱れさせて。
 片腿を持ちあげられると、いよいよ脚の付け根にまでキスが落ちてきて、わたしは震える。それから彼は、ひくひく震えてるわたしの大事な部分に触れるか触れないかの位置で動きを止めた。

「ここだけ……違う匂いがするな?」
「それは」
「シェリル、お前の匂い。ン——もう、濡れてるな?」
「だって……!」
「ここも、綺麗にしてやろうな?」
「や、ぁ、……れお……っ!」

 脚を広げるように固定され、彼がわたしの股の間に顔を埋める。
 ぴちゃり。
 ショーツの上から舐め取られ、わたしの身体は大きく震えた。

「ひゃぅ……ん! ま、まって。だめ、こんなとこで……」
「んー?」

 わたしの反応なんて無視して、彼はぺろぺろと舐め続ける。
 ショーツの上からじゅじゅじゅ、と強く吸い上げるけれど、いよいよ我慢しきれなくなったらしく、クロッチを横にずらした。

「お前のまんこ、すっげ、ひくひくしてる」
「いわない、で……っ」
「くくっ。期待してるってこったろ? ほら。プレゼント。くれ? な?」
「ぁ、ぁぁぁっ……!」


 いよいよ直接そこを舐め取られ、直接与えられた強い快感に身を捩る。
 でも、彼は逃がしてなんかくれない。期待で溢れた愛蜜を、じゅるりと吸い、ただただ嬲った。

「あーあー、大洪水だな? 舐めても舐めても、こぼれ落ちてくる」
「ひゃ、ぁぁ……れおの……いじわる……っ」
「くっく! あー、もう、すっげえかわいい」

 レオルドってば上機嫌で、わたしのあそこをぺろぺろ舐めたり、手でいじったり忙しい。
 わたしは羞恥で、自分を抱きしめたまま動けなくなっているのに、彼はお構いなしにわたしに愛撫を続ける。

「こんなエロい嫁さん目にして、我慢できっかよ」

 いよいよ我慢できなくなったのか、彼はかちゃかちゃとベルトを外しはじめた。ズボンの前をくつろげて、そこから慣れた手つきで、大きくなった彼のモノをとりだす。
 わたしは作業台に身体をあずけたまま、彼のモノから透明な汁がこぼれおちているのを、ぼんやりと見ていた。

「————プレゼント、最後までくれるよな?」

 そう告げる彼の目は、ぎらりと輝いていた。
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