絶倫騎士さまが離してくれません!

浅岸 久

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番外編(後日談)

番外編2−4 *

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 ぷは、と唇を離してシェリルの目を真っ直ぐ見る。
 きらきらと輝く宝石のような黒い瞳。
 ……ほんとうに、コイツはまったくわかっていない。
 そうやってオレにどっぷり浸かってくれているコイツ自身が、オレにとってたまらなく可愛いってことを。

 オレは適当に自分のシャツを脱ぎ捨てて、次にシェリルの服に手をかける。
 今日の服はシンプルだからあっという間に剥ぎ取ってしまうと、綺麗な白い肌が露わになった。

(あいかわらず、吸い付きたくなるような手触りだな)

 ごくりと唾を飲み込みながら、下着も剥ぎ取っていく。シェリルは逆らうようなことはせず、ただ、戸惑いばかりをその瞳に宿していた。

「あのな。オレがお前の持ち物勝手に捨てるような、心の狭い男だと思うか?」

 ふるふる、とシェリルは首を横に振る。

「だろ? 可愛いじゃねえか。自分の嫁さんが、昔からずっと自分を好きでいてくれたわけだろう? 嬉しくねえはずがねえ」
「ほんと?」
「くくっ、まだ疑うか?」
「えっと」
「お前のしつこさはとっくに理解してんだ。――――9年、待たせた。悪かったよ」
「レオルド……」
「あと、オレも。一枚くらいお前の絵がほしい」
「っ………………は、恥ずかしいよ」
「おあいこだろ」

 オレは喉の奥で笑いながら、しゅるりと、オレはシェリルの左右の髪のリボンを解く。
 ふわりと髪が流れて、そのままオレはシェリルをベッドに押し倒した。

 白い肌に映える真っ黒な髪が美しい。
 おさげにしていたからか、少し癖のついたふわりとした髪を梳かした。
 ああ、マジで可愛い。
 細く、しなやかな肢体に大きな胸。黒い髪に白い肢体。
 そのアンバランスさが最高にそそって、ぞくぞくする。

 久しぶりに可愛い嫁の身体が味わえると思うだけで、欲望が一気に高まっていくのがわかった。
 オレはシェリルの両腕を掴み、彼女の頭上に縫うようにしてまとめる。そこに先ほど解いた2本のリボンを使って括りつけ、固定した。

「あの……レオルド?」
「なかなかオレを信用しねえお前には、わからせてやらねえといけねえからな」
「え……えっと」
「お前は、お前が思うように好きに生きていいし、好きなものを集めていいんだよ。オレはお前が楽しそうにしてるのが嬉しい」
「うん……」
「だから、いちいちオレが怒るんじゃねえかとか不安になられるのは心外なわけだ」

 なんてニヤリと笑った時点で、シェリルの両目がまん丸になる。
 そのまましばらしくて、シェリルは覚悟を決めたように息を吐いてから、少し呆れたような表情を見せた。

「もう……レオルドってば……」
「分からず屋には、仕置きを、な?」
「いじわる」
「かわいいヤツはいじめたくなるんだよ」
「どっちが子供なんだか」

 なんて生意気なことを言いやがるが、それも可愛くてゾクゾクしちまうから不思議だ。
 別にオレはマゾじゃねえのに、コイツの意地っ張りな言葉は妙に嬉しい。

 シェリルもシェリルで、少し照れたような顔をしているから満更じゃないんだろうがな。
 ……確かめるためにもう一度顔を寄せると、すんなりとシェリルはオレのキスを受け入れた。


 ちゅ、ちゅ、と軽い挨拶程度のものから、どんどんキスは深くなっていく。
 コイツはすっかりキスも上手になって、しかも、かなり好きらしく、舌を寄せてたっぷりおねだりしてくるようになった。
 そんなシェリルが可愛くて、オレも舌を絡めると、ねとり、と唾液が絡まりあう。

「は……ン……」
「ン――」

 ああもう、ほんとうに可愛いな。
 コイツはキスひとつにも一生懸命で、照れているくせに必死にオレについてこようとする。
 教えたことをちゃんと実践しようとしている姿がいじらしくて、オレはいつも、しつこいくらいにコイツをいじめてしまうんだ。

 唇を離して、シェリルの身体を持ち上げる。そのままリボンで拘束したシェリルの腕をベッドボードの端に引っかけて、身体を固定する。
 とろんとした表情のシェリルにもう一度キスを落としてから、オレはシェリルの身体にたくさんの所有印をつけていった。

「ちょ、レオ……っ」
「ん? 前のも消えちまったみたいだしな。しっかりお前がオレのモンだって、刻みこんでおかないと」
「ひゃっ……!」

 白い身体にたくさんの赤い痕がつく。
 ひとつ、ふたつとそれが増えていくたびに愉悦にまみれて喉の奥で笑い、もっと、もっととたくさん痕を残していった。

 シェリルは少しだけ戸惑うような素振りを見せるけれど、身体がゆるゆる揺れはじめている。
 両手でたっぷり彼女の身体を愛撫すると、綺麗な黒曜石の瞳がふるりと震えて、蕩ける視線を寄越しやがる。

「レオルド……」
「ん?」
「はずか、しいよ……」
「オレを信用しなかった罰だよ。どれだけオレがお前に溺れてるか、全然わかっていやがらねえからな」

 そう言ってオレは、あえてシェリルの首に吸い付いた。
 洋服で隠せないそこは、印をつけるとシェリルが怒る。けれども、本当は毎日だってつけたいんだ。シェリルがオレのモノだって、街中の男たちに知らしめたい。

「あ……そこ……ン」

 シェリルが少しだけ抵抗を見せるが無視した。片手でシェリルの頬を撫でながらかぶりつくようなキスを落とす。
 ハッキリとした赤い痕が見える場所に残って、ようやくオレの気持ちは少しは凪いだ。

「も、もう……!」
「いいだろ。引っ越したら当分は引きこもりだ。誰にもあわせやしねえよ」
「っ…………そ、うかも、しれない、けど……っ」
「お前ナシでしっかり働いてきた魔法使いの夫を労ってくれよ? な?」
「ん、……レオルド。う、うん、それは、わかってるけど」
「よし、了承したな」

 オレはシェリルに甘いが、シェリルもオレには甘いことをよく知っている。
 なかばなし崩しに了承を得て、オレは調子に乗ってもうひとつ首に所有印を落とした。

 シェリルがオレから離れられないように。
 シェリルがオレから、勝手に離れていかないように。
 勝手に俺の気持ちを決めつけて、遠慮して、勝手に離れていくなんてただの悪夢だ。そんなこと、オレが許すはずがないだろう。

 オレは身体をずらして、待ちに待ったシェリルの大事な割れ目に手を触れる。
 いじっていなかったのにすっかり蜜に溢れたそこは、てらてらとオレを誘っていやがる。少し女のニオイが強くて、すん、と鼻を近づけると、シェリルの脚がビクリと反応した。

「ま、まって! お風呂、お風呂入ってないから! きたな……!」
「なわけあるか。ン――――」
「ひゃあんっ」
「シェリルの味がする……ほら、可愛がってやるから」

 ちゅ、ちゅっとこぼれ落ちる蜜を舐め取ると、シェリルのアソコがヒクヒクと動いた。――なるほど。どうやら期待されているらしい。
 片手で茂みを掻きわけて、可愛いシェリルの花芽を探す。
 こり、っとその先端を見つけると、ひゃあん、というシェリルの嬌声が聞こえた。
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