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本編

9.イエス、シックスパック! *

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 赤い痕がしっかりとつけられて――でも、まだ足りないと、もっともっと、キスを落としていく。
 それだけじゃなくて、彼はわたしのなかに指を挿れたまま、くにくにと押しひらいた。
 切なくて、苦しくて、腰が揺れそうになるけれど、逃げられない。

「や、ぁ……なに、これ……っ」
「媚薬の効果、出てきたな。いいんだぜ、もっとよくなって」
「びやく……、んんん、ウィル……っ」
「もっと呼んでくれ」
「ウィル……っ!」

 次の瞬間、彼に花芽を引っ掻かれ、わたしのなかの何かが弾けた。
 びくびくびく、と身体が大きく震えて、視界がぱちぱちと弾ける。
 快楽を逃がさないようにって、首領がわたしの唇をふさいで、震える舌を絡め取られる。
 全身が熱くて、何が何だかわからなくて、ぶる、ぶる、ぶる、となすがままになっていると、ふたりが上機嫌にわたしのあちこちにキスを落としていた。

「すげえ、もうびしゃびしゃだ」
「嬢ちゃん、上手にイケたな? きもちーな?」
「アソコもひくひくしてやがる。――そろそろ、いいだろ?」
「だな」

 なんてバグウィル同士で語り合っているのを、わたしはぼんやりと聞いていた。

「はぁ、はぁ……は、はぁ……」

 ああ、息が苦しい。
 いろんなところがとろとろで、わたしはどうにかウィルの方に視線を移動する。
 するとウィルは、目の前でズボンをくつろげはじめた。
 一方の首領はというと、わたしをうしろから抱きしめたまま、ウィルのかわりにわたしのアソコをいじっている。
 ぐずぐずになっているわたしのアソコは、かき混ぜられるたびに、ぐちゅぐちゅと水音を響かせる。

「嬢ちゃん、すっかり柔らかくなってんな? チッ、アイツに譲るんじゃなかったぜ」

 ちゅ、ちゅぅ……。
 名残惜しそうに、首領が何度も唇を寄せてくる。

「ん……は、ぁ、首領……」
「俺も名前で呼んでもらいてえところだが」
「ぁ……」

 でも、どうしよう。
 わたしの目の前にいるのはふたりともバグウィル。だから、区別がつかなくなってしまう。

「まぁ、当分は首領でいいさ。名前は――そうだな。たまに、俺の耳元で囁いてくれな?」
「ん……」

 首領はとても大人で、そう囁きながら、わたしをよしよしとあやしている。

「バグウィル……」

 掠れた声でそう呼ぶと、首領の甘い吐息が聞こえる。

「――クソ、マジで若造に譲ンじゃなかったぜ」

 そう言いながら首領は、わたしのなかを指でぐちゃぐちゃにかき混ぜる。
 すごい……あの、首領がわたしに欲情してくれてる。

「ん、ふぁ……ぁ」

 わたしだって、ずっと、気付いてたよ?
 あのね。背中のとこに、ずっと硬くて熱いモノが当たってる。ズボンの上からでも、すごくよくわかる。
 その硬さと熱さが余計に、わたしの心臓バクバクさせてて。
 呼吸、苦しい。
 アソコきゅんきゅんして、とまらない。
 こんな状況、普通はもっと戸惑うだろうけど。わたし、ずっとずっと、はやくほしいって思ってる……!

「テメエがヨユーぶってたからだろ? ハッ、ざまあねえな」

 ぎしって、ベッドの上に膝をついて、もうひとりが近づいてくる。
 そのまま悪態をついた若いウィルの方を見上げたとき、わたしはハッとした。

「!」
「よォ」

 だってそこには、全部服を脱いだウィルその人がいたから。

「!!」
「なんだ? 俺に見惚れてんのか?」

 そ…………、

 そうです、……ね……!

 彫刻のような、という言葉がしっくりくるあまりに美しい肉体美。がっしりとした筋肉に、当然シックスパック、バッキバキに割れている。
 ネットで何度も何度も検索をかけてきたから、神絵師の描く彼の肉体は何度も見てきた――けれども、それはあくまで見てきたつもり・・・・・・・だったのだと思いしる。
 現実の方が何百倍も――いや、何千倍も破壊力があるのだ。

 しかもそのうえ――、

「ぁ、ぁ……」
「はじめてのアンタには刺激がデカすぎるってか? だがな。よく見ておけ。――これが、アンタんナカ挿入んだぜ?」

 赤黒くそそりたった彼のモノが、圧倒的な存在感を放っているのだ。
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