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しおりを挟むロランは必死で鼻を擦っていた。もちろん、それで止まる様子はない。
……ついでに言うと、彼の股間の部分があきらかに大変なことになっているようだ。
ズボンが非常に窮屈そうなのだけれども、これは、まさか、もしかして……と、ティキの頬がひきつる。
「ひぃっ!? こ、これはですね!? 仕方ないじゃないですかティキちゃんが可愛すぎるんです不可抗力ですからっ。いあいあ我慢しますなんもしないですそこは安心してくださいいやほんとにっ。あわよくば、だなんて考えていません、いませんともっ」
「ほ……ほんとに……っ?」
「ほんとですって! あのっ、恥ずかしかったら目を閉じてていいですから。すぐに全身終わります。検査です。これは検査ですから」
「ぅ……」
たしかに、ティキが目ざめるまでさんざん裸は見られてきたわけだ。今さらなのかもしれないけれども。
彼のことを自身の主治医のようにすり込まれてしまっているティキは、彼の言葉に逆らえない。おずおずと、胸の前で白衣を握りしめていた片手を外すと、ロランがごくりと唾を飲み込んだ。
「ロラン……?」
「うっ……この状態で僕の名前を呼ぶとか悪魔ですか」
「え?」
「ひぇっ……銀色の目……そんな無垢な瞳で見つめないでくださいよいやホントに」
なんて事を言いながらも、だらだらとこぼれ落ちる赤いアレはとまりそうにない。
「……」
「し、しかたないじゃあないですか。こ、こんな機会、まさか、心の準備はしていましたけれどもっ、ええ、していましたが妄想と現実はやはりちがうと言いますかっ! あっ、も、妄想じゃなくてっ、シミュレート、シミュレートをですねっ……」
「回復魔法、いります?」
「……ハイ。あっ、でも今はっ……!」
もう遅かった。すっかりこの状況に慣れてしまっていたために、ティキの回復魔法の作動があまりに早かったのだ。
ロランが止める前に、ティキの魔力が彼を包む。
魔力を強く通すローションをあちこちに付着させてしまっているロランに、相性の良いティキの魔力を通すことになる――それ、すなわち。
「っっっティキちゃんのおばかっ」
「へあ?」
……すでに若干の非常事態であったロランまでもが、ますます息を荒くすることになった。
「心配してくれるのはうれしいですがっ、ええ、うれしいですけれどもっ! ぼ、僕だって、そのっ、男なんですからねっ」
「ひっ……ご、ごめんなさいっ」
「検査、検査はせねばなりませんからっ。うううどうしてこんな状況にっ」
それを言いたいのはティキなわけだが。
だが、不用意に回復魔法を条件反射で発動させてしまった落ち度はティキにもある。相性のいい魔力に互いが満たされて、互いに発情状態になってしまっているわけだ。
よりにもよって!
魔力の相性がよすぎるばかりに!
ティキの手をやんわりと掴んで横へずらしてから、彼はゆっくりと白衣のボタンをはずしていく。
はだか白衣……はだか白衣……と、噛みしめるように呟きながら、ぶんぶんと首を横に振って。
そうしてあらわになったこぶりな胸に、彼はローション瓶の蓋を開けて、追加で垂れ流していく。一瞬ヒヤッとして身体が縮こまるけれども、やっぱり両手をやんわりとのけられたあと、彼は丁寧にそのローションを広げていった。
前髪で目が隠れているけれども、なにやらギラギラとした視線を感じてしまうのは気のせいなのだろうか。
でも、そんなことはすぐに考えられなくなってしまった。
別にいま、魔力を流されているわけではない。……けれども、ロランの手つきが妙にねちっこくって、身体のあちこちを捏ねられると、ぴりぴりと官能が呼び起こされてしまったからだ。
「ぁ……ロラン……っ」
「わ……いやいやいやいや、その顔……は、反則、反則ですからっ」
「んっ!」
ビクって彼が震えた瞬間、乳首のところを強く摘ままれる。瞬間、軽く達してしまったらしく、ティキの身体が小さく跳ねた。
「ぁぅ、っ、っ……ぼ、僕なんかの、手で……」
「ぅ……」
「っ、……つ、続けますからねっ」
ひるまないぞ、という鋼の意志で、彼は検査の下準備を進めていく。
次の瞬間、ローションでどろどろになった手で、ティキは両胸を掴まれる。
そのままローションを広げるように上半身に塗りたくられるのだけれども、くりくりと、乳輪の部分に丹念に塗り込まれ、身体が跳ねた。
触れられている部分から、ぴりぴりとムズ痒いような心地良いような感覚を覚えて、ティキは両目を細めた。
ぐにゅ、ぐにゅ、とティキの乳房が形を変える。もう十分ローションは塗り込まれているはずなのに、ロランはその手を止めてくれる気はないらしい。
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