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7.鳩羽ひまりの日記②
2007/5/16
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今日は嬉しいことがありました。石鷲見家の方々が、旅行に誘ってくださったのです。
前にも書いた通り、石鷲見家はホテルを経営しています。今年の三月にオープンしたばかりのホテルがあるので、視察も兼ねて泊まりに行くことになったのだそうです。
今日の夜、夕食の配膳を終え、下がろうとしたら朱莉様に呼び止められました。
「ひまりさんも一緒に行こうよ。家族だけで行っても暇なんだもん。私の荷物持ちをして」
「あら、それはいいわ。鳩羽さんもいらっしゃいよ。おうちが大変みたいだし、あまり旅行に行く機会もなかったんじゃないの?」
朱莉様と奥様は私を温泉に連れて行こうだとか、ドライブに連れていこうだなんて言ってはしゃいでいます。
「朱莉、荷物持ちなんて鳩羽さんに失礼だろ」
緋音様が朱莉様の方を向いてたしなめます。それから私の方に顔を向けました。
「鳩羽さん、すみません。朱莉は素直に誘うのが恥ずかしいだけなんです。鳩羽さんさえよければ、ぜひ日ごろの疲れをとる気持ちで遊びに来てください。ね、父さん」
「ああ。たまには休息も必要だろう」
旦那様はあっさり了承します。
「ちょっと待ってください」
和やかな食卓に、硬い声が響きました。
「何よ。紅介お兄様、反対なの?」
「当たり前だ。なぜ使用人と一緒に旅行なんか行かなきゃならないんだ」
「いいじゃないの。紅介。鳩羽さんはいつもがんばっているし」
「そういう問題ではありません。どうしても連れて行くなら、僕は行きませんから、みんなでそのメイドを連れて行ってきてください」
「何を言っている。紅介。視察も兼ねていると言ってあるだろう」
言い争いが続きましたが、結局紅介様が折れる形でその場は収まりました。何しろ、四対一です。
私は不機嫌な顔でこちらを見る紅介様に申し訳ない思いでお部屋を後にしました。けれど、石鷲見家の皆さんが旅行に誘ってくれたことに対して、喜びを抑えきれませんでした。
前にも書いた通り、石鷲見家はホテルを経営しています。今年の三月にオープンしたばかりのホテルがあるので、視察も兼ねて泊まりに行くことになったのだそうです。
今日の夜、夕食の配膳を終え、下がろうとしたら朱莉様に呼び止められました。
「ひまりさんも一緒に行こうよ。家族だけで行っても暇なんだもん。私の荷物持ちをして」
「あら、それはいいわ。鳩羽さんもいらっしゃいよ。おうちが大変みたいだし、あまり旅行に行く機会もなかったんじゃないの?」
朱莉様と奥様は私を温泉に連れて行こうだとか、ドライブに連れていこうだなんて言ってはしゃいでいます。
「朱莉、荷物持ちなんて鳩羽さんに失礼だろ」
緋音様が朱莉様の方を向いてたしなめます。それから私の方に顔を向けました。
「鳩羽さん、すみません。朱莉は素直に誘うのが恥ずかしいだけなんです。鳩羽さんさえよければ、ぜひ日ごろの疲れをとる気持ちで遊びに来てください。ね、父さん」
「ああ。たまには休息も必要だろう」
旦那様はあっさり了承します。
「ちょっと待ってください」
和やかな食卓に、硬い声が響きました。
「何よ。紅介お兄様、反対なの?」
「当たり前だ。なぜ使用人と一緒に旅行なんか行かなきゃならないんだ」
「いいじゃないの。紅介。鳩羽さんはいつもがんばっているし」
「そういう問題ではありません。どうしても連れて行くなら、僕は行きませんから、みんなでそのメイドを連れて行ってきてください」
「何を言っている。紅介。視察も兼ねていると言ってあるだろう」
言い争いが続きましたが、結局紅介様が折れる形でその場は収まりました。何しろ、四対一です。
私は不機嫌な顔でこちらを見る紅介様に申し訳ない思いでお部屋を後にしました。けれど、石鷲見家の皆さんが旅行に誘ってくれたことに対して、喜びを抑えきれませんでした。
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