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第二章
02 婚約破棄する女官は蹴りに来た馬を華麗に乗りこなすつもりが馬が来る様子がない
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「実は私、婚約破棄するかもという話です」
「いきなり重いね!」
努めて明るく聞こうと思うザイに、そうなのですよ重いのです、とセラは、はーっとため息を吐く。
「なんで? って聞いていい?」
「もちろん聞いてくださいな。なんでと言えば、十月十日もすぐそこに来ればと言う話ですよ……」
「うわあ、重いよ」
明るく聞くのは無理と早々に諦めたザイに、そうなのですよ重いのです、とセラは繰り返す。感情を抑えるためか、妙に丁寧な言葉遣いで話を進める。
「どなたかいるらしいのは私存じておりました。私は適当になさればよろしいと思っておりましたけれど、お相手のお父様がうちの父に申し訳ないと律儀にも申し出て下さったものだから」
セラの父は、宮の文官長だ。穏やかな人柄で通っているが、長まで上り詰める人物である、それだけであるはずがない。
「お相手のお父様は、大きな宿のご主人だそうでして。父も視察で何回か逗留したことがあるくらいのお宿だそうで。それはご主人慌てますよね。そんな所の箱入りのお嬢さんに手出すなんて私の婚約者ほんと最悪。うちは愛人の一人や二人養えるでしょうし、子供だって養子にすればいいと私は思っておりましたら、父は違ったようで。まあ、考えてみれば、向こうだって娘さんを愛人にされるのは嫌ですよね」
ザイに相槌を挟ませない勢いで、セラは一気に喋って息を吐く。ザイは相当機嫌が悪いなとセラを見る。
「お父上はどうおっしゃってるの?」
「何も」
「え?」
「何にも一言も言わずに、ただただニコニコしてます」
「そう……」
宰相のように冷気を撒き散らされるのも怖いが、ずっと微笑まれるのも恐ろしい。
ふー、と息をついてセラは、またいつもの調子で喋り始める。
「こう言っちゃなんだけど、忙しくて助かったわ。妹から家の雰囲気最悪! 姉様帰ってきてって泣きが入ったわ」
「妹さんも大変だね」
「そうなのよ。父をなだめるのも大変な上に、私の婚約破棄が、下手すりゃあの子の婚約者変更なんてことにもなりかねないもの」
それだけは避けたい、とセラは言う。
「あーあ、来年には地方官の任が解けて宮に帰ってくるからその辺りで結婚だったんだけど、もう無理かもね」
「ああ、長様のご意向で地方官おかわりか」
「そうよ。地方官としての成績も悪くはなかったけれど、よくもなかったらしいの。そりゃそうよね、現地の娘さんにうつつ抜かしてれば。『君の力はそんなものではないよ』とか言って、永遠におかわりさせるわよ、うちの父は」
セラの婚約者殿は文官で、某家の三男。宮での出世街道を邁進し、将来重役に就く前提で地方官として赴任していたはずだ。
うん。人生ではじめて都を出て、知人のいない自由さに羽目外しちゃったね。
ザイもそのクチだったので、セラの婚約者殿の気持ちが分からない訳ではない。しかしよそに子まで設けるのは行き過ぎだろう。
「お父上と具体的なことは話したの?」
「あちらに子どもができるらしいって話だけね。この数日お互い忙しかったから。明日虫干しが終わったら家に帰るんだけど、その時話し合いになるでしょうね。今から気が重いのよ」
「うん、重いだろうねえそれは」
セラの愚痴が続くのにザイが相槌を打つ。そんな話が続くセラの控えの外で人払いを務めているのは、セラ付きの女官見習いと、ザイ付きの侍従見習いだ。
一応、婚約者のいるセラであるから、戸は薄くだが開けてある。お陰で、見習いたちには話は丸聞こえだ。むしろ「あなた達も聞きなさい」の勢いのセラに、宮で駆け出しの彼らは逃げる事が出来なかった。
「私って長女でしょう? だから婿に入ってくれる人じゃないと父が許さないのよね」
「そっかー、君んちは大変そうだ」
「そうよ。婿取りを望んでる父が一番の障害ってのを父本人が気づいてないっていうね。厳しすぎるのよ父は。内々に何人に逃げられたと思ってるのよ」
「んー、でも結局家を継ぐのは君のご夫君となる人でしょう? お父上説得できないくらいじゃ無理だろうね。セラは女官を辞めたりしないだろ?」
「そうね。少なくとも母が家の切り盛りをやってる間はね。あーやだやだ帰りたくなーい!」
「もうお父上に全てお任せすれば?」
見たところ、セラは婚約者に対して未練はなさそうだ。ザイがそう言うと、セラが私だってそうしたいんだけど、と言う。
「そのやらかした婚約者さんから、わたくしに今朝お手紙が届きましたのですよ。よりによって今朝の忙しい最中にですよ? 王妃様をお迎えするのに、宮の女官がどれほど忙しいかくらい分かりそうなものだと思いません⁉︎」
「まあ、それは、うーん、で、手紙にはなんて書いてあったの?」
ザイに聞かれてセラは眉根を寄せる。そしてさも嫌そうに言う。
「もう一度私とやり直したい、ですって」
ザイはやっとセラの怒りの原因がわかってきた。それは、随分とあちらに都合のよろしいお手紙だ。それにしても、
「やり直すって、何を?」
呆れて思わず聞いてしまったザイに、セラは身を乗り出す。
「でしょ? でしょ! ほんと何を? って感じよ! 私にやり直すことなんて何一つないわ。そもそも会ったのも数回だし、一人でいつでも何度でも何でも何回でもやり直せばいいと思うのよ!」
我が意を得たりとばかりに、立ち上がってセラは拳を握りしめる。それにザイは水を差すように言う。
「うーん、それなら尚更お父上にお任せすれば? 変に未練持たれると面倒でしょ」
「はっきり私がお断りを突きつけたい! あの人の目の前で! そうしないと私のこの怒りが収まらない!」
拳を握りしめたままキッとザイを睨むセラに、ザイはそれでも言う。
「でも君にそんな手紙届けるなんて、余程追い詰められてるんだと思う。自業自得とはいえ良い家を継げる好機も失うし、官吏としての道もほぼ絶たれるんだから。文官長様に睨まれたとあっては婚約者殿のご実家からは切り捨てられるだろうし。必死だと思うよ?」
何となく、王妃に付きまとう第四王子を思い出し、ザイは苦々しい顔になってしまう。
ストン、と再び椅子にかけたセラはそうねーと思案する。
「確かに下手に恨みを買うのは得策ではないわね」
「そう、よろしくないよ」
いつもの彼女らしい落ち着いた様子になったのに、ザイはホッとした。しかしやはりセラの腹立ちは収まらないらしい。
「あーあ、今朝のお手紙さえなければ、私もハイハイさようならで終わらせたんですけどね、ほんっと腹が立つわ!」
ザイはふと思い当たって聞く。
「そのお手紙はどうしたの?」
セラは忌々しげに言う。
「破り捨ててやろうかと思ったけど、その娘さんと出会った経緯も書いてたから、なにかの証拠になるかもしれないって思いとどまったわ」
読む? と聞くセラに、読みたくないよ! とザイは即答する。
「読みたくないし、僕が読んじゃだめだよそれ。でも、そのお手紙は婚約者殿の誠意として、君のお父上にお見せすればいい」
セラは、あら、と頬に手を当て、目を丸くする。
「あら私、どうしてそれに思い至らなかったのかしら。自分でどうにかしてやるとしか思ってなかったから、父に見せるのは考えてなかったわ。それはいいわね。素敵な案をありがとう」
少しはスッキリしたらしいセラは明るく言った。
「そうね、私、腹を立てすぎだわ。馬鹿らしい。父に任るわ。私は傷心だからしばらく宮を休むの。だいたい、こんなの皆んなに知れたら面倒なことったらないわよ」
「そう? 先に噂流して同情買っときなよ」
「それは微妙ね。お相手のお嬢さんをどうにかしたいわけじゃないもの。どのみち休めば噂になるでしょうから、噂が変な方向に行き始めたら、修正して下さらない?」
「んー、僕は仕事でしょっちゅう宮を離れるから、それは引き受け兼ねるよ」
「あら残念。じゃあ、筆頭さまにはお知らせしておく方がいいかしら」
「それはいいね。でも次の儀式までには宮に帰ってね」
「それはもちろんだわ。次の儀式で陛下がお召しになるお衣装はあらかた決まってるのよ。今度こそ全て御身に……!」
何か野心のような火を瞳に灯して、再び立ち上がり握り拳をするセラは、ふふふと笑った。
今以上に仕事に励むだろう女官の勇姿を見ながら、陛下頑張って下さい、とザイは思った。
「いきなり重いね!」
努めて明るく聞こうと思うザイに、そうなのですよ重いのです、とセラは、はーっとため息を吐く。
「なんで? って聞いていい?」
「もちろん聞いてくださいな。なんでと言えば、十月十日もすぐそこに来ればと言う話ですよ……」
「うわあ、重いよ」
明るく聞くのは無理と早々に諦めたザイに、そうなのですよ重いのです、とセラは繰り返す。感情を抑えるためか、妙に丁寧な言葉遣いで話を進める。
「どなたかいるらしいのは私存じておりました。私は適当になさればよろしいと思っておりましたけれど、お相手のお父様がうちの父に申し訳ないと律儀にも申し出て下さったものだから」
セラの父は、宮の文官長だ。穏やかな人柄で通っているが、長まで上り詰める人物である、それだけであるはずがない。
「お相手のお父様は、大きな宿のご主人だそうでして。父も視察で何回か逗留したことがあるくらいのお宿だそうで。それはご主人慌てますよね。そんな所の箱入りのお嬢さんに手出すなんて私の婚約者ほんと最悪。うちは愛人の一人や二人養えるでしょうし、子供だって養子にすればいいと私は思っておりましたら、父は違ったようで。まあ、考えてみれば、向こうだって娘さんを愛人にされるのは嫌ですよね」
ザイに相槌を挟ませない勢いで、セラは一気に喋って息を吐く。ザイは相当機嫌が悪いなとセラを見る。
「お父上はどうおっしゃってるの?」
「何も」
「え?」
「何にも一言も言わずに、ただただニコニコしてます」
「そう……」
宰相のように冷気を撒き散らされるのも怖いが、ずっと微笑まれるのも恐ろしい。
ふー、と息をついてセラは、またいつもの調子で喋り始める。
「こう言っちゃなんだけど、忙しくて助かったわ。妹から家の雰囲気最悪! 姉様帰ってきてって泣きが入ったわ」
「妹さんも大変だね」
「そうなのよ。父をなだめるのも大変な上に、私の婚約破棄が、下手すりゃあの子の婚約者変更なんてことにもなりかねないもの」
それだけは避けたい、とセラは言う。
「あーあ、来年には地方官の任が解けて宮に帰ってくるからその辺りで結婚だったんだけど、もう無理かもね」
「ああ、長様のご意向で地方官おかわりか」
「そうよ。地方官としての成績も悪くはなかったけれど、よくもなかったらしいの。そりゃそうよね、現地の娘さんにうつつ抜かしてれば。『君の力はそんなものではないよ』とか言って、永遠におかわりさせるわよ、うちの父は」
セラの婚約者殿は文官で、某家の三男。宮での出世街道を邁進し、将来重役に就く前提で地方官として赴任していたはずだ。
うん。人生ではじめて都を出て、知人のいない自由さに羽目外しちゃったね。
ザイもそのクチだったので、セラの婚約者殿の気持ちが分からない訳ではない。しかしよそに子まで設けるのは行き過ぎだろう。
「お父上と具体的なことは話したの?」
「あちらに子どもができるらしいって話だけね。この数日お互い忙しかったから。明日虫干しが終わったら家に帰るんだけど、その時話し合いになるでしょうね。今から気が重いのよ」
「うん、重いだろうねえそれは」
セラの愚痴が続くのにザイが相槌を打つ。そんな話が続くセラの控えの外で人払いを務めているのは、セラ付きの女官見習いと、ザイ付きの侍従見習いだ。
一応、婚約者のいるセラであるから、戸は薄くだが開けてある。お陰で、見習いたちには話は丸聞こえだ。むしろ「あなた達も聞きなさい」の勢いのセラに、宮で駆け出しの彼らは逃げる事が出来なかった。
「私って長女でしょう? だから婿に入ってくれる人じゃないと父が許さないのよね」
「そっかー、君んちは大変そうだ」
「そうよ。婿取りを望んでる父が一番の障害ってのを父本人が気づいてないっていうね。厳しすぎるのよ父は。内々に何人に逃げられたと思ってるのよ」
「んー、でも結局家を継ぐのは君のご夫君となる人でしょう? お父上説得できないくらいじゃ無理だろうね。セラは女官を辞めたりしないだろ?」
「そうね。少なくとも母が家の切り盛りをやってる間はね。あーやだやだ帰りたくなーい!」
「もうお父上に全てお任せすれば?」
見たところ、セラは婚約者に対して未練はなさそうだ。ザイがそう言うと、セラが私だってそうしたいんだけど、と言う。
「そのやらかした婚約者さんから、わたくしに今朝お手紙が届きましたのですよ。よりによって今朝の忙しい最中にですよ? 王妃様をお迎えするのに、宮の女官がどれほど忙しいかくらい分かりそうなものだと思いません⁉︎」
「まあ、それは、うーん、で、手紙にはなんて書いてあったの?」
ザイに聞かれてセラは眉根を寄せる。そしてさも嫌そうに言う。
「もう一度私とやり直したい、ですって」
ザイはやっとセラの怒りの原因がわかってきた。それは、随分とあちらに都合のよろしいお手紙だ。それにしても、
「やり直すって、何を?」
呆れて思わず聞いてしまったザイに、セラは身を乗り出す。
「でしょ? でしょ! ほんと何を? って感じよ! 私にやり直すことなんて何一つないわ。そもそも会ったのも数回だし、一人でいつでも何度でも何でも何回でもやり直せばいいと思うのよ!」
我が意を得たりとばかりに、立ち上がってセラは拳を握りしめる。それにザイは水を差すように言う。
「うーん、それなら尚更お父上にお任せすれば? 変に未練持たれると面倒でしょ」
「はっきり私がお断りを突きつけたい! あの人の目の前で! そうしないと私のこの怒りが収まらない!」
拳を握りしめたままキッとザイを睨むセラに、ザイはそれでも言う。
「でも君にそんな手紙届けるなんて、余程追い詰められてるんだと思う。自業自得とはいえ良い家を継げる好機も失うし、官吏としての道もほぼ絶たれるんだから。文官長様に睨まれたとあっては婚約者殿のご実家からは切り捨てられるだろうし。必死だと思うよ?」
何となく、王妃に付きまとう第四王子を思い出し、ザイは苦々しい顔になってしまう。
ストン、と再び椅子にかけたセラはそうねーと思案する。
「確かに下手に恨みを買うのは得策ではないわね」
「そう、よろしくないよ」
いつもの彼女らしい落ち着いた様子になったのに、ザイはホッとした。しかしやはりセラの腹立ちは収まらないらしい。
「あーあ、今朝のお手紙さえなければ、私もハイハイさようならで終わらせたんですけどね、ほんっと腹が立つわ!」
ザイはふと思い当たって聞く。
「そのお手紙はどうしたの?」
セラは忌々しげに言う。
「破り捨ててやろうかと思ったけど、その娘さんと出会った経緯も書いてたから、なにかの証拠になるかもしれないって思いとどまったわ」
読む? と聞くセラに、読みたくないよ! とザイは即答する。
「読みたくないし、僕が読んじゃだめだよそれ。でも、そのお手紙は婚約者殿の誠意として、君のお父上にお見せすればいい」
セラは、あら、と頬に手を当て、目を丸くする。
「あら私、どうしてそれに思い至らなかったのかしら。自分でどうにかしてやるとしか思ってなかったから、父に見せるのは考えてなかったわ。それはいいわね。素敵な案をありがとう」
少しはスッキリしたらしいセラは明るく言った。
「そうね、私、腹を立てすぎだわ。馬鹿らしい。父に任るわ。私は傷心だからしばらく宮を休むの。だいたい、こんなの皆んなに知れたら面倒なことったらないわよ」
「そう? 先に噂流して同情買っときなよ」
「それは微妙ね。お相手のお嬢さんをどうにかしたいわけじゃないもの。どのみち休めば噂になるでしょうから、噂が変な方向に行き始めたら、修正して下さらない?」
「んー、僕は仕事でしょっちゅう宮を離れるから、それは引き受け兼ねるよ」
「あら残念。じゃあ、筆頭さまにはお知らせしておく方がいいかしら」
「それはいいね。でも次の儀式までには宮に帰ってね」
「それはもちろんだわ。次の儀式で陛下がお召しになるお衣装はあらかた決まってるのよ。今度こそ全て御身に……!」
何か野心のような火を瞳に灯して、再び立ち上がり握り拳をするセラは、ふふふと笑った。
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